脂質代謝異常治療薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。
脂質代謝異常治療薬は主に「LDLを下げる薬」と「TGを下げる薬」とで分けられると考えています。(どちらも基本はHDLを上げる。ただし、プロブコールのように例外もあるので注意)
今回は、「LDLを下げる薬」についてまとめたいと思います
暗記が苦手な薬学部生にみてほしい。
薬学部では勉強量が多く時間が足りないと感じることが多い
でしょう。ゴロはキーワードに強引に意味を与えるので、ハマれば暗記も早いし忘れにくい。
だから、勉強時間の短縮に役立つ!!
しかし、1つ1つスマホで調べていたら大幅なタイムロスです。
そこで、ブログの薬理ゴロを収集して紙ベース(フルカラー)にしました。
より効率的に勉強して、別分野の勉強時間や趣味の時間をつくりましょう。
Time is money! お金で時間を買ってください。
しかも当ブログなら購入前にゴロを確認でき、自分に合っているか否かを試せます。
多くのゴロでビビッとフィーリングが合えば、紙ベースをオススメします。
【ゴロ】
まずは、LDLを下げる薬をざっくり見分けるためのゴロ!
●リビングダイニング(LD)ではトップレス
「リビングダイニング」LDLを下げる薬
「ト」(小腸コレステロール)トランスポーター阻害
「プ」プロブコール
「レ」レジン(陰イオン交換樹脂)
「ス」スタチン系
※このゴロにはエボロクマブ<PCSK9阻害薬>やロミタピド<MTP阻害薬>は入っていないです。
[スタチン系薬]
●バスタッチで、ホモが怖え
「バスタッチ」~(バ)スタチン
「ホモが怖え」HMG-CoA還元酵素(を阻害し、その結果、細胞表面のLDL受容体発現を増加させ、LDLが細胞内に取り込まれるため、血中LDLが下がる。)
副作用は横紋筋融解症
プラバスタチン(商:メバロチン)
シンバスタチン(商:リポバス)
フルバスタチン(商:ローコース)
アトルバスタチン(商:リピトール)
ピタバスタチン(商:リバロ)→シクロスポリン禁忌
ロスバスタチン(商:クレストール)→シクロスポリン禁忌
ピタバスタチンやロスバスタチンは免疫抑制薬シクロスポリンと併用禁忌である。
これは、シクロスポリンの肝臓での有機アニオントランスポーター(OAT)阻害作用によって、上記2成分などは血漿中濃度が大きく上昇するためである。
[レジン(陰イオン交換樹脂)]
●単純にコレステロールを散らす
「単純」胆汁酸(の排泄促進し、外因性コレステロールの吸収を阻害する)
「コレス(テロールを)散らす」コレスチ~
コレスチラミン(商:クエストラン)
コレスチミド(商:コレバイン)
禁忌に胆道完全閉塞あり。
[小腸コレステロールトランスポーター阻害薬]
●いい身分のNPCは移動しない
「いいみぶ」エゼチミブ
「NPC」NPC1L1:コレステロール輸送タンパク質(を介する)
※NPCとはゲームにおけるNon Player Characterの略称
「移動しない」コレステロールの体内への移動を阻害する
エゼチミブ(商:ゼチーア)
→小腸壁細胞に存在するコレステロール輸送タンパク質(NPC1L1)を介するコレステロールの吸収を阻害。副作用には、便秘、下痢、腹痛などの消化器症状がある。
[プロブコール]
●プロがコールする High&Low
「プロがコール」プロブコール(商:シンレスタール)
「High&Low」HDLもLDLも下げる。
※High&Lowは指定されたカードより次のめくるカードの数字が高いか低いか当てるトランプゲーム
[PCSK9阻害薬]
●リビングダイニングがボロクく、ピカピカ洗濯ないん?
「リビングダイニング(LD)」LDL下げる。
「ボロク」エボロクマブ(商:レパーサ)
「ピカ洗濯ないん?」PCSK9を阻害する(※「ない」ので阻害)
さらにPCSK9がどういうものかも覚えよう!
「リビングダイニング(LD)」LDL受容体を
「ボロク」ボロくする。つまり分解するのが
「ピカ洗濯ないん」PCSK9です。
[MTP阻害薬]
ロミタピド(商:ジャクスタピッド)
→小胞体内腔に存在するミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)に直接結合して脂質転送を阻害する。その結果、肝細胞の VLDL や小腸細胞のカイロミクロンの形成が阻害されることにより、VLDL の肝臓からの分泌が低下し、血漿中 LDLC濃度を低下させる。
適応:ホモ接合体家族性高コレステロール血症
(覚え方)成分名に薬理作用がダイレクトに入っています。ロミ(M)タ(T)ピ(P)ド
練習問題(参考:第109回 問36)
●ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(MTP)を阻害する脂質異常症治療薬はどれか1つ選べ
1.エゼチミブ
2.エボロクマブ
3.ロミタピド
4.アトルバスタチン
5.ペマフィブラート
【解答と解説】正解は3
ペマフィブラートは、TGを下げる薬なので別ページにまとめていますが、薬理作用は「PPARαを活性化することで、LPLを活性化してTG分解」
脂質異常症の病態
脂質異常症の病態について、別ページにまとめています。
診断基準値のゴロや高コレステロール血症の症状ゴロなどもあるので是非参考にしてください。
【備考】
横紋筋融解症は、骨格筋の細胞が融解、壊死する副作用です。症状として、「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」などがみられる可能性があります。
参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症
https://www.pmda.go.jp/files/000143227.pdf
薬剤師国家試験過去問のゴロ解説を作った際に、一部の薬の作用点を図にまとめたので追加でこのページにも貼っておきます。参考にしてください。
★まだ時間のある人は他のゴロも探してみてください★