脂質代謝異常治療薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。
脂質代謝異常治療薬は主に「LDLを下げる薬」と「TGを下げる薬」とで分けられると考えています。(どちらも基本はHDLを上げる。ただし、プロブコールのように例外もあるので注意)
今回は、「LDLを下げる薬」についてまとめたいと思います。
耳で聴いて覚えたいという方向けに動画も作りましたので、よければご利用ください。
【ゴロ】
まずは、LDLを下げる薬をざっくり見分けるためのゴロ!
●リビングダイニング(LD)ではトップレス
「リビングダイニング」LDLを下げる薬
「ト」(小腸コレステロール)トランスポーター阻害
「プ」プロブコール
「レ」レジン(陰イオン交換樹脂)
「ス」スタチン系
※このゴロにはエボロクマブ<PCSK9阻害薬>は入っていないです。
[スタチン系薬]
●バスタッチで、ホモが怖え
「バスタッチ」~(バ)スタチン
「ホモが怖え」HMG-CoA還元酵素(を阻害し、その結果、細胞表面のLDL受容体発現を増加させ、LDLが細胞内に取り込まれるため、血中LDLが下がる。)
副作用は横紋筋融解症
プラバスタチン(商:メバロチン)
シンバスタチン(商:リポバス)
フルバスタチン(商:ローコース)
アトルバスタチン(商:リピトール)
ピタバスタチン(商:リバロ)
ロスバスタチン(商:クレストール)
[レジン(陰イオン交換樹脂)]
●単純にコレステロールを散らす
「単純」胆汁酸(の排泄促進し、外因性コレステロールの吸収を阻害する)
「コレス(テロールを)散らす」コレスチ~
コレスチラミン(商:クエストラン)
コレスチミド(商:コレバイン)
禁忌に胆道完全閉塞あり。
[小腸コレステロールトランスポーター阻害薬]
※すいません。ゴロが思いつかなかったので、普通にまとめます。
エゼチミブ(商:ゼチーア)
→小腸壁細胞に存在するコレステロール輸送タンパク質(NPC1L1)を介するコレステロールの吸収を阻害。副作用には、便秘、下痢、腹痛などの消化器症状がある。
[プロブコール]
●プロがコールする High&Low
「プロがコール」プロブコール(商:シンレスタール)
「High&Low」HDLもLDLも下げる。
※High&Lowは指定されたカードより次のめくるカードの数字が高いか低いか当てるトランプゲーム
[PCSK9阻害薬]
●リビングダイニングがボロクく、ピカピカ洗濯ないん?
「リビングダイニング(LD)」LDL下げる。
「ボロク」エボロクマブ(商:レパーサ)
「ピカ洗濯ないん?」PCSK9を阻害する(※「ない」ので阻害)
さらにPCSK9がどういうものかも覚えよう!
「リビングダイニング(LD)」LDL受容体を
「ボロク」ボロくする。つまり分解するのが
「ピカ洗濯ないん」PCSK9です。
脂質異常症の病態
脂質異常症の病態について、別ページにまとめています。
診断基準値のゴロや高コレステロール血症の症状ゴロなどもあるので是非参考にしてください。

【備考】
横紋筋融解症は、骨格筋の細胞が融解、壊死する副作用です。症状として、「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」などがみられる可能性があります。
参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症
https://www.pmda.go.jp/files/000143227.pdf
薬剤師国家試験過去問のゴロ解説を作った際に、一部の薬の作用点を図にまとめたので追加でこのページにも貼っておきます。参考にしてください。