今回は、脂質異常症治療薬のなかでも主にTGを下げる薬について記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。
「TGを下げる薬」は基本的にリポタンパクリパーゼ(LPL)を活性化させて、TGを下げます。
(ゴロ)立派PL勝つためにターゲット(TG)負ける
「立派PL」LPL
「勝つ」活性化で
「ターゲット負ける」TG下がる
【ゴロ】
[フィブラート系薬]
●オブラートの上にペッパーあるか
「オブラート」語尾:~フィブラート
「ペッパーあるか」PPARαを活性化(することで、LPLを活性化してTG分解)
また、PPARαの活性化は、HDLの主要構成タンパクであるアポA-Ⅰ、Ⅱの産生を促進し、HDLを増加させる。
副作用は横紋筋融解症
クロフィブラート(商:ビノグラック)
ベザフィブラート(商:ベザトール)
クリノフィブラート(商:リポクリン)
フェノフィブラート(商:リピディル)
[ニコチン酸系薬]
→脂肪組織から遊離脂肪酸動員を抑制し、肝臓でTG産生を抑制。また、LPL活性化してTG分解。
トコフェロールニコチン酸エステル(商:ユベラN)
ニセリトロール(商:ペリシット)
ニコモール(商:コレキサミン)
[多価不飽和脂肪酸]
・イコサペント酸エチル(EPA) (商:エパデール)
→LPL活性化してTG分解。抗血小板作用を有し、閉塞性動脈硬化症にも適用される。禁忌に出血患者あり。
・オメガ-3脂肪酸エチル(商:ロトリガ)
脂肪酸のβ酸化を促進→TG合成抑制
LPL活性化してTG分解
[その他]
デキストラン硫酸エステルナトリウムイオウ(商:MDSコーワ)
エラスターゼ(商:エラスチーム)
脂質異常症の病態
脂質異常症の病態について、別ページにまとめています。
診断基準値のゴロや高トリグリセリド血症の症状ゴロなどもあるので是非参考にしてください。
【備考】
横紋筋融解症は、骨格筋の細胞が融解、壊死する副作用です。症状として、「手足・肩・腰・その他の筋肉が痛む」、「手足がしびれる」、「手足に力がはいらない」、「こわばる」、「全身がだるい」、「尿の色が赤褐色になる」などがみられる可能性があります。
参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル 横紋筋融解症
https://www.pmda.go.jp/files/000143227.pdf
薬剤師国家試験過去問のゴロ解説を作った際に、一部の薬の作用点を図にまとめたので追加でこのページにも貼っておきます。参考にしてください。