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双極性障害の躁状態の治療薬

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今回は双極性障害治療薬について、記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。

双極性障害:以前は躁うつ病と呼ばれ、活動性が更新する躁状態と活動性が低下するうつ状態を繰り返す疾患である。

今回はそのなかでも双極性障害の躁状態の治療に用いる薬です。


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【薬の説明】

気分安定薬

炭酸リチウム(商:リーマス)


・作用機序としては、さまざまな機序がいわれている(主にはPI(ホスファチジルイノシトール)代謝回転の抑制の関与が言われている)。
リチウムの中毒症状(初期症状として食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢等の消化器症状、振戦、傾眠、錯乱等の中枢神経症状、運動障害、運動失調等の運動機能症状、発熱、発汗等の全身症状など)に注意。
・特異的な解毒薬はないため、定期的な血中モニタリング(TDM)を行い、リチウム中毒を防止することが重要。
・服用中は有効血中濃度 0.3~1.2 mEq/Lであることを確認する。(中毒域は1.5mEq/L以上と近いので注意する。
効果発現までに約2週間を要する。
・禁忌として、
リチウムの体内貯留が起こりやすい患者(腎障害、食塩制限者など)」
妊婦(理由:催奇形性の可能性がある。また、分娩直後に血中リチウム濃度の異常上昇の可能性があるため)」

(ゴロ)リッチなおっさん一手にモニタリング。中毒に注意ってこと。
「リッチ」リチウム
「おっさん一手に」(有効血中濃度は)0.3~1.2mEq/L
「モニタリング」血中モニタリングが大切
「中毒に~いってこと」中毒域:1.5mEq/L以上

その他の気分安定薬

以下の抗てんかん薬などが用いられる。
カルバマゼピン(商:テグレトール)
バルプロ酸(商:デパケン、バレリン)
→躁状態で最も推奨される気分安定薬は、炭酸リチウム。ただし、炭酸リチウムは即効性に欠けるため、速やかなコントロールが必要な症例で使用されることもある。

※ラモトリギン(商:ラミクタール)
ラモトリギンは、抗そう効果は弱く、躁状態では推奨されない。(気分安定薬なのでここで記載しています)
ただし、抗うつ効果や再発予防効果が期待されて双極性障害に用いられる。

非定型抗精神病薬

オランザピン、アリピプラゾール、リスペリドン、クエチアピンなどの非定型抗精神病薬が用いられる。(ただし、リスペリドン、クエチアピンは保険適応外である)
特に、躁状態が中等度以上の場合には、「リチウム+上記の非定型抗精神病薬」の併用が推奨される。(参考:日本うつ病学会治療ガイドライン Ⅰ.双極性障害 2020

オランザピン(商:ジプレキサ)

→オランザピンは食欲増加や体重増加、脂質異常、血糖値上昇や、糖尿病の増悪を来たしやすいため、糖尿病の患者には投与禁忌

アリピプラゾール(商:エビリファイ)

→アリピプラゾールは錐体外路症状や高プロラクチン血症を生じにくいが、アカシジアの頻度は高い

リスペリドン(商:リスパダール)

→リスペリドンは、錐体外路症状や高プロラクチン血症を生じることが比較的多い。

クエチアピン(商:セロクエル)

→クエチアピンは錐体外路症状や高プロラクチン血症が生じにくい。クエチアピンも、食欲増加や体重増加、脂質異常、血糖値上昇や糖尿病の増悪を来たしやすいため、糖尿病の患者には投与禁忌である。

 

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