今回は抗不整脈薬(頻脈性不整脈)のⅠ群とⅡ群について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。
耳で聴いて覚えたいという方向けに動画も作りましたので、よければご利用ください。
●鍋警戒 (抗不整脈薬分類のゴロ)
「な」Ⅰ群は主にNaチャネル遮断
「べ」Ⅱ群はβ遮断
「けい」Ⅲ群は主にKチャネル遮断
「か(い)」Ⅳ群はCaチャネル遮断
●I群abc分類と作用の覚え方
Ia:aはエと読み、延長(活動電位持続時間を)の「え」と結びつける。
※なお、活動電位持続時間延長作用は、Kチャネル遮断作用と考えられている。
Ib:brief(短い)と結びつけ、活動電位持続時間を短くする。
Ic:活動電位時間に影響なし
【ゴロなど】
[Ⅰ群a]
●ひとえに、黄色ニンジンとアジをピラミッドにプロ買いに。
「ひとえに」Ia群 ※ひとえの意味「ただただ、他には心を向けず」
「黄色ニンジン」キニジン(商:硫酸キニジン)
「アジ」アジマリン(商:アジマリン)
「ピラミド」ジソピラミド(商:リスモダン、ノルペース)
「プロ買いに」プロカインアミド(商:アミサリン)
※Ⅰa群の副作用として、QT延長に気をつける。
[I群b]
●市場で、メキシコ人は隣人にリード
「市場で」Ib群
「メキシコ人」メキシレチン(商:メキシチール)→糖尿病性神経障害でも用いられる。
「隣人」アプリンジン(商:アスペノン)
「リード」リドカイン(商:キシロカイン)
[I群c]
●愛しているからプロパン(ガス)買いに移動する
「愛している」Ic群 ※本当は「イチシー」だけど「アイシー」読み
「プロパン」プロパフェノン(商:プロノン)
「買いに移動」語尾:~カイニド
フレカイニド(商:タンボコール)
ピルジカイニド(商:サンリズム)
[Ⅱ群]
Ⅱ群の薬は、上にも書いていますがβ遮断。β遮断薬といえば「語尾:~ロール」。
→活動電位持続時間を延長し、不応期を延長する。
不整脈の薬は学生時代苦手だったので、勉強し直しました。
参考:「抗不整脈薬の分類、作用機序と使用上の原則と留意点」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsca/32/3/32_428/_pdf
<β遮断薬の不整脈に対する作用機序>
β刺激で、アデニル酸シクラーゼ活性化し、cAMP産生、プロテインキナーゼAの活性化を経て、Caチャネルの開口を促す。Caチャネルの開口は洞結節等の生理的自動能や病的心筋での異常自動能を亢進する。さらに、Caチャネル開口で細胞内Ca濃度が上がるとKチャネルが開く、その結果、活動電位持続時間の短縮すなわち不応期を短縮し、不整脈を起こさせる。
β遮断薬は、上記のような機序を抑え、抗不整脈作用をもたらす。