薬理ゴロ PR

[薬理ゴロ]心不全治療薬(心臓の負荷を軽減する薬)

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今回は心不全治療薬で用いる「心臓の負荷を軽減する薬」について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。

薬の説明に入る前に、以下の3つを覚えてください
生命予後のため、モデルはこう捨てろ!
「モデルは捨てろ」(生命予後のためには)心筋リモデリングはない方がいい
※心筋リモデリングが起きると、どんどん心臓の機能が低下していき、心不全の予後が悪くなる。
「こう捨てろ」アルドステロンの働きを抑える(と、心筋リモデリングを抑制)
※アンギオテンシンⅡはアルドステロンを分泌することもここで思い出してください。

・心臓に入る前の負荷を軽減(静脈関連)→前負荷の軽減
・心臓から出た後の負荷を軽減(動脈関連)→後負荷の軽減

ACE阻害薬のゴロ

エースの不快な襟(えり)
「エース」ACE阻害薬の中でも
「不快」(心臓の)負荷を軽減
「え」ナラプリル(商:レニベース)
「り」シノプリル(商:ロンゲス、ゼストリル)

ACE阻害薬のゴロは、アンギオテンシン関連薬にまとめています。
ACE阻害薬はアンギオテンシンⅡを作らなくする。よってアルドステロンの働きを抑え、心筋リモデリングを抑制

アンギオテンシンⅡ(AT1)受容体遮断薬のゴロ

アタック行けない、エース交換で
「アタック行けない」AT1受容体遮断
「エースと交換」ACE阻害薬が適さない心不全に用いる
「(こう)かんで」カンデサルタン(商:ブロプレス)

AT1受容体遮断薬のゴロは、アンギオテンシン関連薬にまとめています。
AT1受容体遮断薬はアンギオテンシンⅡの働きを抑える。よってアルドステロンの働きを抑え、心筋リモデリングを抑制。

※ACE阻害薬、AT1受容体遮断薬はどちらも「血管収縮抑制→後負荷軽減」「体液量減少→前負荷軽減」作用がある。

利尿薬のゴロ

利尿薬には、心性浮腫(うっ血性心不全)の適応を有するものがある。その中でも、K保持性利尿薬の一つスピロノラクトン及びエプレレノンは、抗アルドステロン作用を有しており、生命予後を改善する

利尿薬の薬理作用とゴロは、利尿薬のページにまとめていますので、そちらをご確認ください。

【利尿薬】ループ利尿薬 薬理ゴロイラスト
[薬理ゴロ]利尿薬今回は利尿薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。 なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。 チアジド系利...

α・β遮断薬のゴロ

負荷を軽くする方法あるべ
「負荷を軽くする」負荷を軽減する
「軽く」カルベジロール(商:アーチスト)
「あるべ」αβ遮断薬

β1受容体遮断:心機能低下させるが、カルベジロールは心不全の適応あり、要注意。レニン分泌を抑制するので、結果アルドステロンの働きを抑え、心筋リモデリングを抑制。
α1受容体遮断:後負荷軽減

選択的β1受容体遮断薬のゴロ

心配でバイクでビビるそぶり
「心配」心不全で用いる
「バイク」β1受容体の遮断薬
「ビビるそぶり」ビソプロロール(商:メインテート)

β1受容体遮断により、
①心機能低下→心筋酸素消費量減少
②レニン分泌低下→アルドステロンの働きを抑える(心筋リモデリングを抑制)

練習問題(参考:第109回 問159)

次の文章の正誤を答えよ。
・ビソプロロールは、アドレナリンβ1受容体を遮断し、心臓のリモデリングを抑制する。

解答はコチラ

心房性ナトリウム利尿ペプチドのゴロ

ルーペ律儀に、具合シックか
「ルーペ律儀に」カルペリチド(商:ハンプ)
「具合シックか」グアニル酸シクラーゼ性化(→細胞内cGMP濃度が上昇し、血管拡張や利尿作用を示す。→前負荷、後負荷軽減)

強心薬ではアデニル酸シクラーゼでしたが、ここではグアニル酸シクラーゼ活性化です。注意してください。

練習問題(参考:第109回 問159)

次の文章の正誤を答えよ。
・カルペリチドは、生体内で活性体となり、ナトリウム利尿ペプチドの分解を阻害して、血管拡張作用と利尿作用を示す。

解答はコチラ

「分解を阻害」ではなく、ナトリウム利尿ポリペプチドの受容体に結合し、膜結合型グアニル酸シクラーゼを活性化させることにより細胞内の cGMP を増加させ、血管拡張作用、利尿作用等を発現すると考えられる

硝酸薬

グアニル酸シクラーゼ活性化→細胞内cGMP濃度が上昇→動脈・静脈を拡張→前負荷、後負荷軽減

ニトログリセリン(商:バソレーター)
硝酸イソソルビド(商:ニトロール)

強心薬ではアデニル酸シクラーゼでしたが、ここではグアニル酸シクラーゼ活性化です。注意してください。

HCNチャネル遮断薬

イバブラジン(商:コララン)
・イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネル遮断薬である。
・イバブラジンは、心臓の HCN4 チャネルを阻害することで、拡張期脱分極相における活動電位の立ち上がり時間を遅延させて心拍数を減少させる

練習問題(参考:第109回 問159)

次の文章の正誤を答えよ。
・イバブラジンは、過分極活性化環状ヌクレオチド依存性(HCN)チャネルを遮断して、心拍数を減少させる。

解答はコチラ