急性上気道炎の解熱・鎮痛などで頓服的に用いられるロキソニンですが、頓服の用法・用量だけでも説明することが多いと思い、記事にしました。
【ロキソニン錠60mgの用法・用量(急性上気道炎のみ抜粋)】
通常、成人にロキソプロフェンナトリウム(無水物として)1回60mgを頓用する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、原則として1日2回までとし、1日最大180mgを限度とする。また、空腹時の投与を避けさせることが望ましい。
<服用間隔ってどのくらいあける?>
まずピックアップしたいのは服用間隔です。1日最大180mgが限度であれば、1回60mgで最大3回/日飲めますが、服用間隔はどれくらいあければいいのでしょうか?
はじめに言いますが、これは説明内容に個人差があると思います。
アセトアミノフェン(商;カロナール)においては、急性上気道炎に対しては、服用間隔の記載はありませんが、それ以外に対しては「服用間隔は4~6時間」との記載があります。
まあ、ロキソニンもそれくらい間隔があればいいのかな?と思いますが、意外なところにヒントがありました。スイッチOTCのロキソニンSの添付文書です。
2回まで。
症状があらわれた時、なるべく空腹時をさけて服用してください。ただし、再度症状があらわれた場合には3回目を服用できます。服用間隔は4時間以上おいて下さい。
OTCの方では、「服用間隔は4時間以上」と添付文書に明記しています。
添付文書は国も承認している内容であるため、個人的には4時間以上あけることを患者さんに勧めています。
ただし、ロキソニン(医療用)は関節リウマチなどに対する用法・用量として、1回60~120mgで投与することもあります。そこから考えると短い間隔で60mgを2回飲んでも問題なさそうな気もします。
説明内容に個人差が出ると思われるので、薬局実習に行かれる際には、ぜひ各薬剤師さんの説明を聞いてみてください。
<どうしても空腹時に服用する場合には>
添付文書には、空腹時の投与避けるようあります。これは、胃への負担を考慮した記載と思われます。
しかし、頓服での併用であれば、どうしても空腹時に飲みたい時もあると思います。その場合は、「胃酸を緩和させるために、多めの水と一緒に服用してください」と説明することがあります。私も、実際に説明する内容です。
ただし、この「空腹時は多めの水で飲む」という内容は、ネットで検索すると、記載しているブログは多いですが、文献・書籍・クリニックや大学病院など記載元が明記された資料などは見つけられませんでした。
参考:
ロキソニン錠60mg 添付文書
http://www.info.pmda.go.jp/downfiles/ph/PDF/430574_1149019C1149_1_09.pdf
ロキソニンS 添付文書
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/package_insert/pdf/loxonin-s_1.pdf