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スルホニル尿素(SU)薬 特徴まとめ

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糖尿病治療薬を詳しく勉強したい薬剤師・薬学部生向けに
糖尿病標準診療マニュアル2022(以下マニュアル)
糖尿病診療ガイドライン(以下ガイドライン)
を参考に糖尿病治療薬の情報をまとめています。

今回はスルホニル尿素(SU)薬になります。

スルホニル尿素(SU)薬の特徴

成分としては以下のようなものがある。
<第二世代として>
グリクラジド(商:グリミクロン、グリミクロンHA)
→血糖降下作用以外に抗酸化作用や血小板機能亢進を抑制する作用があり、糖尿病の血管病変への効果が期待される。(参考:今日の治療薬2018)

グリベンクラミド(商:オイグルコン、ダオニール)
作用が強力で長時間作用する。(参考:今日の治療薬2018)

<第三世代として>
・グリメピリド(商:アマリール)
→インスリン分泌促進作用は弱いが、インスリン感受性増強作用もあるので血糖降下作用はグリベンクラミドとほぼ同等。
(参考:管理薬剤師.com:https://kanri.nkdesk.com/drags/su.php
そのため、第二世代と比較して低血糖を起こしにくく、インスリン抵抗性にもなりにくく使いやすくなったと思われる。

※第一世代はほとんどもう臨床現場では見ないので割愛します。

●最も古くから用いられている薬剤であり、膵β細胞膜上のSU受容体に結合し、血糖非依存性にインスリン分泌を促進させ、空腹時血糖値も食後血糖値も低下させる。

長期間臨床の場で使用されていて細小血管症抑制のエビデンスがあるため、年齢、体重を問わず、有用である。

血糖降下作用は強く、低血糖を起こしやすいとされており、特にグリベンクラミドはその頻度が高い。

高齢者では低血糖のリスクが高いため、ごく少量からの投与開始がすすめられる。また、腎機能、肝機能障害の進行した患者でも低血糖の危険性が増大するため、ほとんどのSU薬では高度の腎機能、肝機能障害者への投与は禁忌である。

1型糖尿病や膵疾患に伴う糖尿病など、β細胞機能が高度に低下した症例では使用してはならない。また、高度の肥満などインスリン抵抗性の強い患者にはよい適応ではない

診断されたばかりの患者、空腹時Cペプチド値が保たれている患者、インスリン治療歴のない患者で効果を示しやすい

長期間使用していると血糖コントロールが次第に悪化してくることがあるが、他の系統の薬物より効果の永続性(durability)が悪いかどうかについては、一定の成績が得られていない。

●食事療法、運動療法がおろそかになると体重が増加しやすい。

●SU薬はその種類により、副作用・エビデンスに多少の相違点が認められるが、早期からSU薬を用いて血糖コントロールを行えば大血管症を抑制することが示唆されている

●また、ピオグリタゾンと比較したRCTでは、大血管症リスクに有意差がなかった。一方で、その使用の長期化などによって大血管症が起こりやすくなる可能性も指摘されており、さらなる検討が必要である。

各SU薬の基本情報

グリクラジド(商:グリミクロン、グリミクロンHA)添付文書抜粋

効能又は効果

インスリン非依存型糖尿病(成人型糖尿病)
(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)

用法及び用量

グリクラジドとして、通常成人では1日40mgより開始し、1日1~2回(朝又は朝夕)食前又は食後に経口投与する。維持量は通常1日40~120mgであるが、160mgを超えないものとする。

グルベンクラミド(商:オイグルコン)添付文書抜粋

効能又は効果

インスリン非依存型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)

用法及び用量

通常、1日量グリベンクラミドとして1.25mg~2.5mgを経口投与し、必要に応じ適宜増量して維持量を決定する。ただし1日最高投与量は10mgとする。
投与方法は、原則として1回投与の場合は朝食前又は後、2回投与の場合は朝夕それぞれ食前又は後に経口投与する。

グリメピリド(商:アマリール)添付文書抜粋

効能又は効果

2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)

用法及び用量

通常、グリメピリドとして1日0.5~1mgより開始し、1日1~2回朝または朝夕、食前または食後に経口投与する。
維持量は通常1日1~4mgで、必要に応じて適宜増減する。なお、1日最高投与量は6mgまでとする。

参考

糖尿病診療ガイドライン2019(http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-05.pdf

糖尿病標準診療マニュアル2022 一般診療所・クリニック向け
https://human-data.or.jp/wp/wp-content/uploads/2022/03/DMmanual_18.pdf

オイグルコン錠添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3961003F1028_4_02/

グリミクロン錠/HA錠添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3961007F1115_1_13/

アマリール錠添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3961008F1020_1_27/