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残薬0は適切なのか?

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私はこれまで、残薬は可能な限り減らして、残薬を確認したら調整するのが適切だと思っていましたが、最近患者さんと話をしていてはっとしたことがあったので、そのことを記事にしたいと思います。

【患者さんとの話】

患者さんは、催眠薬を服用しており、だいたい1か月分処方されていました。
服薬指導時に、お話を伺うと、どうやら眠れる時には薬を使っておらず、2週間強の薬が余っているようでした
そこで「医師にお話しして、今回は2週間分に減らしますか?」と提案したら、患者さんは「しなくて大丈夫よ。災害時や私的な用事でどうしても受診できない時を考えて、少しは余りほしいもの、もっと余れば私から先生にはお話しするわ」と回答してくれました。

【今後の服薬指導での方針】

この話を受けて、自分は病気の人の気持ちを全然考慮できていなかったと感じました。
薬を飲んでいる人には、薬で精神的な安心を得ている人も多いのです。
社会人になって、時間をつくって病院に行くのは、意外と大変であることに気づきました。また、災害時に患者さんは薬を持ち出せないかもしれませんが、それでも残薬のある方が手元に薬がある確率は高いと思います。
これらを考慮して、
「薬で精神的な安心を獲得している人」「致命的もしく苦痛の大きい疾患を有している人」には残薬0を推奨するよりも、多少の残薬を作るように勧めるほうが適切なのではないかと考えています。

【致命的もしくは苦痛の大きい疾患とは】

今、私が思いつくのは
●狭心症発作
●喘息発作
●てんかん
●痛風発作、頭痛などの痛み関連
●血栓症(抗血栓薬の服用者)

などです。

私が思いつくのはこのくらいですが、今病態を勉強している人は、一度この観点で考察してみると、興味深いかもしれません。