薬局実務中疑問

モンテルカストとレボセチリジンが就寝前投与の理由

今回はモンテルカスト(商:キプレス、シングレア)レボセチリジン(商:ザイザル)がよく処方されており、どうして就寝前なのだろうか疑問に思ったので、それらの就寝前服用の理由を調査したいと思います。

【モンテルカストが就寝前服用の理由】

キプレスやシングレアのインタビューフォーム(以下:IF)には以下のような記載があります。
<IF記載内容抜粋>
喘息の症状は早朝に最も悪化することから、早朝の血漿中薬物濃度を高く維持するために就寝前投与とした。
アレルギー性鼻炎患者は喘息を合併する率が非アレルギー性鼻炎患者より高いため。第Ⅱ相試験において喘息患者に対する用法と同様に就寝前とし(た)

IF内容によると、症状をより抑えることを期待して就寝前服用にしていると思われます。

【レボセチリジンが就寝前服用の理由】

ザイザルのIFには、特に理由は記載されていませんでした。
そこで、ザイザル錠5mgの審査報告書を確認しました。
申請段階では、製薬メーカーであるグラクソ・スミスクラインさんは、服用タイミングを就寝前に設定していませんでした。
製薬メーカーとしては、海外第Ⅳ相試験では1日1回朝投与で有効性と安全性が確認され、夜投与と比較して大きな差異はなかったため、投与時間の制限は不要と考えていたようです。
しかし、PMDAとしては、レボセチリジンとセチリジン(商:ジルテック)ともに、有効性及び安全性のエビデンスはほとんどが夜投与により実施された臨床試験成績に基づき裏付けられていることを踏まえると、上記のデータのみで、レボセチリジン(商:ザイザル)の有効性および安全性が投与時間による影響を受けないとする十分なエビデンスが示されたとまでは言えないため、成人は就寝前とすることが適切と判断しているようです。

ちなみに、セチリジン(商:ジルテック)のIFにも特に理由は記載されておりませんでした。なお、ジルテックは申請段階ですでに就寝前の制限をつけていたようです。

以上よりザイザルが就寝前服用の理由は、「臨床試験は夜服用で実施されているものが多く、現状のデータでは有効性および安全性が投与時間による影響を受けないとは言えないため」とまとめられるかと思います。

参考:
キプレスIF
https://www.kyorin-pharm.co.jp/prodinfo/medicine/pdf/i_kipresif.pdf

ザイザル錠5mg 審査報告書(2010年10月27日)
http://www.pmda.go.jp/drugs/2010/P201000063/34027800_22200AMX00949_A100_1.pdf

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