今回は皮膚疾患のひとつである褥瘡(別名:床ずれ)について、ゴロ・覚え方を交えてまとめていきます。
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概要
身体に加わった外力により皮膚皮下組織が長時間圧迫され、骨と皮膚表層の間の数部組織の虚血性障害により壊死に至ったもの、又は医療関連機器による圧迫創傷をいう。床ずれともよばれる。
原因
意識障害や麻痺などによる自力体位変換能力低下、病的骨突出、浮腫、低栄養など。生理的な骨性隆起部周辺の皮膚、軟部組織に対して圧迫や伸張、せん断応力が加わることで、組織の微小循環が不全となり、虚血性壊死による組織障害が引き起こされる。
症状
皮膚の赤み、紫斑、水疱、潰瘍。
褥瘡の治療
・外力を取り除き、褥瘡の予防に努めることが優先される
・皮膚の観察や褥瘡発生の予測、体位変換・体圧分散用具の使用による圧迫ずれの排除、スキンケア、栄養管理などが大切である
褥瘡治療薬の薬理や特徴
【薬剤師向け】
フィブラストスプレーは1日1回の薬だが、
「1回のスプレー回数」「患部からどのくらい離して噴霧するか」も用法で決まっています。
・1回のスプレー回数は5回
・患部から5cm離して噴霧する
初めて指導される場合には、箱の中の指導箋をしっかり確認しましょう。
【さらに深堀り】
患部の状態に合わせて基材を選択するよ!
[油脂性基材]:滲出液が適正な量のとき
薬の具体例は
・アズノール軟膏→基材による保護作用
・プロスタンディン軟膏→肉芽形成や上皮化促進
[乳剤性基材 水中油型(O/W)]:滲出液が少ないとき
薬の具体例は
・オルセノン軟膏→肉芽形成
・ゲーベンクリーム→抗菌作用
[水溶性基材]:滲出液が多いとき
薬の具体例は、
・アクトシン軟膏→肉芽形成と上皮化促進
・ブロメライン軟膏→壊死組織の除去作用
・ユーパスタコーワ軟膏→ポピドンヨードによる滅菌効果と白糖による創傷治癒効果
練習問題(参考:第109回 問66)
●褥瘡治療に用いる外用薬のうち、壊死組織除去効果を有するのはどれか。1つ選べ。
1.アルプロスタジルアルファデクス
2.ブロメライン
3.ポビドン・ヨード
4.ジメチルイソプロピルアズレン
5.トレチノイントコフェリル
【解答と解説】正解は2
1.アルプロスタジルアルファデクス→肉芽形成や上皮化促進
3.ポビドン・ヨード→ポピドンヨードによる滅菌効果と白糖による創傷治癒効果
4.ジメチルイソプロピルアズレン→基材による保護作用
5.トレチノイントコフェリル→肉芽形成