病態・薬物治療 PR

【病態・薬物治療、薬理】褥瘡 ゴロ・覚え方

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今回は皮膚疾患のひとつである褥瘡(別名:床ずれ)について、ゴロ・覚え方を交えてまとめていきます。

褥瘡の病態

概要

身体に加わった外力により皮膚皮下組織が長時間圧迫され、骨と皮膚表層の間の数部組織の虚血性障害により壊死に至ったもの、又は医療関連機器による圧迫創傷をいう。床ずれともよばれる。

原因

意識障害や麻痺などによる自力体位変換能力低下、病的骨突出、浮腫、低栄養など。生理的な骨性隆起部周辺の皮膚、軟部組織に対して圧迫や伸張、せん断応力が加わることで、組織の微小循環が不全となり、虚血性壊死による組織障害が引き起こされる。

症状

皮膚の赤み、紫斑、水疱、潰瘍。

褥瘡の治療

・外力を取り除き、褥瘡の予防に努めることが優先される
・皮膚の観察や褥瘡発生の予測、体位変換・体圧分散用具の使用による圧迫ずれの排除、スキンケア、栄養管理などが大切である

褥瘡治療薬の薬理や特徴

薬物 特徴
アルプロスタジルアルファデクス
(商:プロスタンディン)
・PGE1誘導体
・末梢血管拡張に伴う血流増加作用を示す
<適応>
・慢性動脈閉塞症における四肢潰瘍並びに安静時疼痛の改善
・褥瘡、皮膚潰瘍

(ゴロ)あるプロ、スタジオでいい流れ
「あるプロスタジオ」アルプロスタジ
「~プロスタ~」プロスタグランジン製剤
「いい」PGE1
「流れ」血流増加作用

トレチノイントコフェリル
(商:オルセノン)
レチノイン酸(ビタミンA活性代謝物)とトコフェロール(ビタミンE)のエステル結合体
・創傷部でマクロファージ遊走促進作や線維芽細胞増殖促進作用を示す血管内皮細胞に直接作用し、血管新生を介して肉芽形成を促進する
<適応>
褥瘡、皮膚潰瘍
トラフェルミン(スプレー)
(商:フィブラスト)
ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)
・血管内皮細胞や線維芽細胞の線維芽細胞増殖因子(FGF)受容体に結合し、血管新生作用及び肉芽形成促進作用を示す
<適応>
褥瘡、皮膚潰瘍

(ゴロ)トラ増える(増殖)結果新しい肉が必要

「トラ増える」トラフェルミン
「増殖」線維芽細胞増殖因子
「結果新しい」血管新生作用
「肉が」肉芽形成促進作用

ジメチルイソプロピルアズレン
(商:アズノール)
・消炎薬
・抗炎症作用や創傷治癒促進作用、抗アレルギー作用を示す
<適応>
湿疹、熱傷その他疾患によるびらん及び潰瘍
ブロメライン
(商:ブロメライン)
・タンパク質分解酵素の一種で、褥瘡の黒色期や黄色期における壊死した組織の除去に用いられる。
スルファジアジン銀
(商:ゲーベン)
・銀が細胞膜、細胞壁に作用して抗菌作用を発現
ブクラデシン
(商:アクトシン)
・サイクリックAMPの誘導体
・潰瘍縮小・治癒促進作用、局所血流改善作用、血管新生促進作用などが期待される。
白糖・ポビドンヨード配製剤
(商:ユーパスタ)
・白糖の創傷治癒作用促進とポビドンヨードによる殺菌作用

【薬剤師向け】
フィブラストスプレーは1日1回の薬だが、
「1回のスプレー回数」「患部からどのくらい離して噴霧するか」も用法で決まっています。
・1回のスプレー回数は5回
・患部から5cm離して噴霧する
初めて指導される場合には、箱の中の指導箋をしっかり確認しましょう。

【さらに深堀り】
患部の状態に合わせて基材を選択するよ!

[油脂性基材]:滲出液が適正な量のとき
薬の具体例は
・アズノール軟膏→基材による保護作用
・プロスタンディン軟膏→肉芽形成や上皮化促進

[乳剤性基材 水中油型(O/W)]:滲出液が少ないとき
薬の具体例は
・オルセノン軟膏→肉芽形成
・ゲーベンクリーム→抗菌作用

[水溶性基材]:滲出液が多いとき
薬の具体例は、
・アクトシン軟膏→肉芽形成と上皮化促進
・ブロメライン軟膏→壊死組織の除去作用
・ユーパスタコーワ軟膏→ポピドンヨードによる滅菌効果と白糖による創傷治癒効果

参考:アルメディアWEB ガイドラインに基づくまるわかり褥瘡ケア