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メトトレキサート2mgの用法用量の注意(休薬を忘れずに)

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リウマチなどに用いられるメトトレキサート(商:リウマトレックス)について、用法用量を改めて確認し、どのような注意点があるか事例を確認しながら記事にしたいと思います。

なお、今回はリウマチに対して処方されるメトトレキサート2mg錠(商:リウマトレックス)の内容となります。(白血病などの悪性腫瘍に用いられるメトトレキサート2.5mg錠(商:メソトレキセート)ではありませんのでご了承ください)

効能・効果と用法・用量

[関節リウマチ、局所療法で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症]
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして6mgとし、1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減するが、1週間単位の投与量として16mgを超えないようにする。

[関節症状を伴う若年性特発性関節炎]
通常、1週間単位の投与量をメトトレキサートとして4〜10mg/m2とし、1週間単位の投与量を1回又は2〜3回に分割して経口投与する。分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。1回又は2回分割投与の場合は残りの6日間、3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬する。これを1週間ごとに繰り返す。
なお、患者の年齢、症状、忍容性及び本剤に対する反応等に応じて適宜増減する。

まず、用法用量でもっとも注意するべきは、休薬期間があるということです。
最近は、医師の先生も処方箋に「土曜日と日曜日」などと服用日を明記されていることも多いですが油断は禁物です。

連日投与の事例

まずは、厚生労働省の資料に記載があった事例の経緯を下に示します。
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関節リウマチの患者が、初診にて本院を受診した。関節リウマチに対してコントロール不良 のため、初めてリウマトレックスカプセルの投与を開始することとなった。次回来院予定の 3 週間後までの処方を入力するにあたり、毎週火曜日のみ 3 週間分(実日数 3 日分)と入力するべきところ、コンピュータの処方入力で曜日指定を入力し忘れ、3 週間分(21日連日投与)の処方入力となった。外来診療が混雑していたため、処方箋の確認も不十分なまま、患者には 週 1 回の投与であることを口頭で簡単に説明したのみで処方箋を発行した。  院外薬局でも処方の間違いに気付かず、リウマトレックスカプセル21日分が処方された。 薬剤師による口頭での内服方法の説明もなかったため、患者は処方通りにリウマトレックスカプセルを連日服用した。
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この事例で薬剤師ができることは何でしょうか?
リウマトレックスが週1回もしくは最大で2回しか服用できないことを知っていれば、
「曜日の指定がないなら週1回かな?それなら21回×7=147日分。4ケ月強をいっきに処方するかな?」
など疑問を持てたかもしれません。
さらに、患者さんから話を聞いて、「毎日飲むと思っている」などと話があれば、連日投与を避けられたかもしれません。

ただし、この連日投与を止めるには、もう「リウマトレックスは連日投与しない」と知っておくしかないと思われます。
ですから、今このページをみている薬剤師さんは是非頭にいれておいてください。

減量で適応外の用法になった例

3分割して服用する場合、
例えば「土曜日の朝、夕、日曜日の朝」で服用している患者さんがおられると仮定します。
現状では用法用量の「分割して投与する場合、初日から2日目にかけて12時間間隔で投与する。3回分割投与の場合は残りの5日間は休薬」するというのを順守できています。
しかし、この患者さんの薬を減量した際に、もし土曜日の夕を削除した場合「土曜日の朝、日曜日の朝」の服用になり、24時間間隔になり、添付文書の用法用量から外れます
減量なので、油断しやすいので注意してください。

参考

連日投与した例(厚生労働省の資料)
リウマトレックス添付文書