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疥癬に対するイベルメクチンの投与間隔について

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今回、疥癬の患者さんにイベルメクチン(商:ストロメクトール)が処方された際に、2回目の服用は1週間後と決められておりました。

添付文書では、「重症型 (角化型疥癬等) の場合、本剤の初回投与後、1〜2週間以内に検鏡を含めて効果を確認し、2回目の投与を考慮すること。」と記載があり、1週間にこだわる必要があるのか疑問があったため、調査しました。

調査した結果を、イベルメクチンの服用注意点と合わせてまとめていきたいと思います。

動画Ver

疥癬とは

疥癬とは、ヒト皮膚角質層に寄生するヒゼンダニの感染により発症し、ヒゼンダニの虫体、糞、脱皮殻などに対するアレルギー反応による皮膚病変と瘙痒を主症とする感染症である。

病型分類としては、「通常疥癬」と「角化型疥癬」の二つに大別される。
通常疥癬では雌成虫が患者の半数例で5匹以下(健康成人の場合)とされるが、寄生数が多いこともある。
角化型疥癬では、100~200万匹、時として500万匹以上と多く感染力が非常に強い。

イベルメクチンの投与間隔について

疥癬に対する唯一の内服薬がイベルメクチンです。
上記に記載した通り、添付文書では「1〜2週間以内に検鏡を含めて効果を確認し、2回目の投与を考慮すること。」とありますが、疥癬診療ガイドライン(以下、ガイドライン)やマルホ株式会社のHPをみると1週間にこだわる理由が書いてありました(マルホ株式会社のHPでは動画で説明してくれています)。

抗疥癬薬には殺卵作用はないと考えられています。ヒゼンダニの卵は3~5日で孵化するので、このライフサイクルを考えて薬を投与します。
つまり、1回目で卵以外のヒゼンダニを殺し、2回目で卵から孵化したヒゼンダニを殺します

では、2週間の間隔ではダメなのかという疑問ですが、
ヒゼンダニは卵から孵化して、約10日で交尾を始めるほど成長してしまいます。
もし、イベルメクチン1回目投与直後に、卵から孵化したヒゼンダニがいて、2週間間隔をあけてしまうと、また卵を産み付けられてしまい、しっかりと治療できない可能性が出てくるため1週間の間隔で使用するようです。

これは個人的な感想になりますが、ガイドラインで間隔は1週間と記載されていますが、飲み忘れた場合には8日後でも飲みなおした方が治療できる可能性はありそうです。なので、1週間後に飲み忘れた場合には諦めず次の日に服用するよう説明しておくことも重要と思われます。

イベルメクチンのその他の注意点

せっかくですので、調査していて勉強したイベルメクチン服用のその他の注意点もまとめたいと思います。

1つ目の注意点

服用量は体重で決まっているので、患者さんの体重を確認し、投与量が妥当か確認する。

2つ目の注意点

空腹時の服用です。イベルメクチンが脂溶性であるため、高脂肪食で血中濃度が上昇するおそれがあります。
ちなみに、添付文書などには「水のみで服用すること」と記載があり、お湯はダメなのかと疑問に思いました。ガイドラインを調べると、「簡易懸濁で経管投与で有効性が報告されている」旨の記載があるので、お湯での服用でも大丈夫そうですね。

3つ目の注意点

イベルメクチンによりヒゼンダニが死滅すると、虫体成分が大量に放出され、アレルギー反応(症状としては瘙痒や皮疹)が一過性に増悪することがある
それらの症状は、効果発揮に伴うもので副作用ではない可能性があること説明する(ただし、重大な副作用にスティーブンジョンソン症候群などもあるので、これまでに症状がなかった部位、例えば唇などが腫れたりする場合にはすぐ病院を受診することの重要性もあわせて説明する必要もありそうです)。

参考

疥癬診療ガイドライン(第3版)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/kaisenguideline.pdf

マルホ株式会社HP 内服薬:ストロメクトール錠について
https://www.maruho.co.jp/medical/scabies/treatment/medicine.html

マルホ株式会社HP 疥癬
https://www.maruho.co.jp/medical/scabies/epidemiology/sarcoptes_scabiei.html