今後新しく就職される方に向精神薬の取扱いについて、教える可能性があるため「薬局における向精神薬取扱いの手引 厚生労働省医薬品食品局 平成24年2月」を参考として勉強し直しました。
青文字は参考資料の記載ではなく、個人的な解釈、解説や追加情報です。
なお、麻薬及び向精神薬取締法は「法」、麻薬及び向精神薬取締施行規則は「施行規則」と省略しております。
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メルカリへのリンクはコチラ【9.記録】(法第50条の23)
第1種向精神薬又は第2種向精神薬を譲り受け、譲り渡し、又は廃棄したときは、次の事項を記録し、この記録を最終記載の日から2年間保存しなければなりません。
① 向精神薬の品名(販売名)・数量
② 譲り受け、譲り渡し、又は廃棄した年月日
③ 譲受け又は譲渡しの相手方の営業所等の名称・所在地
(注)
a) 患者への向精神薬の交付、患者に交付された向精神薬の返却、返却を受けた向精神薬の廃棄については、記録の必要はありません(施行規則第42条)。
b) 同一薬局内の向精神薬小売業者の記録と向精神薬卸売業者の記録は別にする必要があります。両者の間で譲受け、譲渡しがあった場合はそれぞれ記録してください。
c) 向精神薬が記載された伝票の保存をもって記録に代えることができますが、向精神薬が記載されていない伝票とは別に綴ってください。
※私が勤めている所では、伝票の保存です。
d) 第3種向精神薬については、記録義務はありませんが、譲受けについて記録し、定期的に在庫確認をすることが望ましいです。
【10.薬局管理の義務】(法第50条の20)
(1) 薬局の管理者は、自ら向精神薬取扱責任者となるか又は営業所ごとに向精神薬取扱責任者を置かなければなりません。
(2) 向精神薬取扱責任者は、向精神薬の譲渡し、譲受け、保管、廃棄、向精神薬に関する記録等が適切に行われ、法に違反する行為が行われないように、業務従事者を監督しなければなりません。
※この書き方だと、管理薬剤師でなくてもよいと思われる。
【11.立入検査】(法第50条の38)
(1) 立入検査は、向精神薬の取締り上必要があるときに行われます。犯罪捜査の目的で行われるものではありません。
(2) 立入検査を行う職員(麻薬取締官又は麻薬取締員その他の職員)は、身分を示す証票を携帯していますので、必ず提示を求めて確認してください。
(3) 立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対して答弁せず、若しくは虚偽の陳述をした場合には処罰されることがあります(法第72条第11号)。
【12.その他】
1)輸入、輸出(法第50条の8及び第50条の11・施行規則第27条及び第30条)
(1) 向精神薬を輸入又は輸出することはできません。
(2) 患者は、自己の疾病の治療の目的で向精神薬を携帯して入国又は出国することができます。ただし、施行規則別表第一に定められている量を超える量の向精神薬を携帯して出入国する場合には、これらの向精神薬を携帯して輸入、輸出することが、自己の疾病の治療のため 特に必要であることを証する書類(例えば、「処方箋の写し」「患者の氏名及び住所並びに携帯を必要とする向精神薬の品名及び数量を記載した医師の証明書」)の所持が必要です。 なお、渡航先においては日本と異なる法規制を行っている場合があります。当該国への向精神薬の携帯輸入若しくは当該国からの携帯輸出の可否等不明な点がありましたら、各国の在日大使館等にお問い合わせ頂き、事前に許可等が必要な場合には、その許可等取得の手続きについても併せて問い合わせ、トラブル等の発生のないようご留意してください。
※店舗では「海外旅行に行くんだけど、薬を持っていって大丈夫?」と聞かれることがありますので上記内容は知っていて損はないです。個人的には以下の対応を行うと決めてい
ます。
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①施行規則別表第一で定められている量を超えていないか確認
参考:東北厚生局 医療用向精神薬を携帯して出入国する際の総量一覧表
https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/tohoku/faq/souryou.html
※ネットで施行規則別表第一を確認することも可能ですが、すごく見づらいので別のを貼りました。
②規定量を超えている場合には、処方箋のコピー(「疾病治療証明のためのコピー」と記載し調剤印を押す)をお渡し
※別の薬剤師さんは、万が一患者さんが旅行国で薬の説明が必要になった時とかに役立つよう英語の薬情も一緒に渡しておくと言っていました。
③旅行先でのルールは不明であることを説明し、旅行会社にも必要な対応を確認するようすすめる
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2)製造、製剤、小分け(法第50条の15)
(1) 向精神薬を製造し、製剤し、又は小分けすることはできません。
(2) 調剤(予製を含む。)については、製剤に該当しません(法第2条第29号)。
3)容器の記載(法第50条の19)
向精神薬卸売業者等から譲り受ける向精神薬の外箱等には、「向を〇で囲んだマーク」等が表示されます。
※すいません。「向を〇で囲んだマーク」なのですが、htmLでの表記方法が分からず対応できていないです。
4) 承認条件
(1) メチルフェニデート製剤「リタリン錠/散」「コンサータ錠」の処方・施用にあたっては、同製剤の承認条件に基づき、投薬する医師、医療機関、薬局が限定されるとともに、 薬局における調剤の際には、その確認の上で調剤がなされることとされており、第三者委員会による流通管理が行われておりますので、注意が必要です。
※承認条件のある薬は、医師がほんとに承認されているかの確認が重要。また、メチルフェニデートは流通管理がされているので、薬局間での譲渡はできません。
(2) ブプレノルフィン経皮吸収型製剤の慢性疼痛患者への処方・施用にあたっては、同製剤の承認条件に基づき、薬剤師は処方医が製造販売業者の提供する講習を修了した医師であることを確認する必要がありますので、注意が必要です。
5)その他
向精神薬に指定されていない習慣性医薬品についても、向精神薬と同様に管理することが 望ましいです。
参考:
薬局における向精神薬取扱いの手引 厚生労働省医薬品食品局 平成24年2月
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iyakuhin/yakubuturanyou/dl/kouseishinyaku_02.pdf