今回は甲状腺疾患の薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。
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[甲状腺ホルモン製剤]
●チロチロとしか出ない甲状腺ホルモンを補充
※チロチロ=ちょろちょろ、かすかな
「チロチロとしか出ない」甲状腺機能低下症に用いる
「チロ」レボチロキシン[合成T4](商:チラージンS)
「チロ」トリヨードチロニン[合成T3](商:チロナミン)
※一般名にチロとあれば、甲状腺ホルモン製剤
甲状腺からはT4が主に主に分泌され、抹消で脱ヨウ素化されて活性型のT3となる。合成T4製剤は半減期が長く甲状腺ホルモンの血中濃度が維持しやすいので、合成T4製剤がよく使用される。
また、甲状腺機能低下症(主に橋本病)の病態・薬物治療は別ページにまとめていますので、合わせて勉強される方はそちらもご確認ください。
[抗甲状腺薬]
●ちょーうらやましい!高校のチアマゾでお仕置きだぜ
「ちょーうら」プロピルチオウラシル(商:チウラジール、プロパジール)
「高校」抗甲状腺(適応:甲状腺機能亢進症、バセドウ病)
「チアマゾ」チアマゾール(商:メルカゾール)
「お仕置きだぜ」ペルオキシダーゼ阻害(→甲状腺ホルモン生合成を抑制)
抗甲状腺薬の副作用では、無顆粒症が重要!
突然の発熱、咽頭痛、関節痛、発疹などが生じたら服薬を中止し、すぐに受診するよう指導する必要がある。(抗甲状腺薬服用1~3ヶ月後に出現することが多い)
チアマゾールの無顆粒球症については、別記事にまとめているので時間のある方は是非!
抗甲状腺薬は、効果が確実で副作用が少ないなどの理由から、チアマゾール(商:メルカゾール)が第一選択。しかし、チアマゾール(商:メルカゾール)では妊娠4~7週で薬剤に暴露されることで奇形症候群が報告されており、妊娠希望の女性ではプロピルチオウラシル(商:チウラジール、プロパジール)に変更することがある。
甲状腺疾患の治療では、血清FT4(遊離サイロキシン)と血清TSH(甲状腺刺激ホルモン)の値を参考に治療することが多い。FT4が正常になっても、TSHが安定するのに時間がかかることがある。
症状が改善しても、長期間の服用が必要なので、自己判断で減量・中止を行わず、医師としっかりと相談するよう指導することが大切。
また、甲状腺機能亢進症(主にバセドウ病)の病態・薬物治療は別ページにまとめていますので、合わせて勉強される方はそちらもご確認ください。
【備考】
<甲状腺機能低下症の症状>
・顔の表情が乏しくなる
・声がれ、話し方がゆっくりになる
・まぶたが垂れる
・毛髪が薄くなり、乾燥してくる
・皮膚が乾燥し、うろこ状に厚くなる
・体重が増え、便秘になる
・治療しないとやがて、貧血、低体温、心不全を引き起こす
<甲状腺機能亢進症(バセドウ病など)の症状>
・心拍数増加と血圧上昇
・不整脈
・大量発汗とほてり
・手のふるえ
・神経過敏と不安
・不眠
・排便回数増加(ときに下痢を伴う)
参考
今日の治療薬(2018年版)
MSDマニュアル家庭版 甲状腺機能低下症
https://www.msdmanuals.com/ja-jp/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/12-%E3%83%9B%E3%83%AB%E3%83%A2%E3%83%B3%E3%81%A8%E4%BB%A3%E8%AC%9D%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E7%94%B2%E7%8A%B6%E8%85%BA%E6%A9%9F%E8%83%BD%E4%BD%8E%E4%B8%8B%E7%97%87