病態・薬物治療

【病態・薬物治療】甲状腺機能亢進症(主にバセドウ病)ゴロ・覚え方

今回は、内分泌疾患である甲状腺機能亢進症、その中でも代表的なバセドウ病に関する病態・薬物治療をゴロを交えてまとめました。

甲状腺機能亢進症の病態

概要

甲状腺ホルモン分泌過剰によって起こる病態をいう。 バセドウ病以外に、組織の破壊により一時的に甲状腺ホルモンが放出されるもの (亜急性甲状腺炎など)、ホルモンの過剰分泌をきたす腺腫 (プランマー病)、 TSH 過剰分泌を伴う下垂体腫瘍、甲状腺ホルモン製剤服用過剰によるものがある。本項ではこれらのうちバセドウ病について述べる。

分類

疾患 特徴
バセドウ病 甲状腺の肥大と機能亢進をきたす自己免疫疾患
亜急性甲状腺炎 甲状腺組織の破壊で、一時的に甲状腺ホルモンが放出される疾患。 圧痛を伴う
ブランマー病(過機能性腺腫) 甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺の良性腫瘍
TSH産生下垂体腫瘍 下垂体のTSH産生腫瘍により過剰のTSH を産生し、状腺機能亢進を起こす疾患(まれ)
甲状腺中毒症 過剰な甲状腺ホルモン製剤の服用により甲状腺ホルモン作用が過剰に出現した病態

甲状腺機能亢進症治療薬の薬理

甲状腺機能亢進症治療薬のうち、抗甲状腺薬についてはゴロと一緒に別ページまとめておりますのでそちらを参考にしてください。

[薬理ゴロ]甲状腺疾患治療薬今回は甲状腺疾患の薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。 なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。 ...

また、ゴロのないお薬として以下のような薬もあります。

薬物 特徴
放射性ヨウ素(131I) 131Iから放出するβ線を使って、甲状腺を破壊する
・バセドウ病、中毒性結節性甲状腺腫、甲状腺がん及び転移巣にヨウ化カリウムやヨウ化ナトリウムを経口(カプセル)投与する
・抗甲状腺薬に抵抗性を示すとき、あるいは副作用で用いることができない場合に用いる
<副作用>
甲状腺機能低下症
<β受容体遮断薬>
プロプラノロール
(商:インデラル)
甲状腺機能亢進症で見られる交感神経興奮症状(動悸、頻脈、手指振戦など)の改善に用いる

バセドウ病の病態

概要

自己の甲状腺に対しての自己寛容が破綻している自己免疫疾患であり、抗TSH受容体抗体(TRAb) あるいは甲状腺刺激抗体(TSAb) が産生され、これらが血中に出現して 甲状腺を常に刺激する結果過剰な甲状腺ホルモンが継続的に血中に放出される。強いネガティブフィードバックがかかるため、血中TRH値や血中 TSH 値は低値を示す。 20~40歳代の女性に多い

症状

甲状腺腫大(甲状腺肥大) 頻脈、眼球突出を伴うことが多く、メルゼブルグ
(Merseburg)の三徴とよばれる

● バセドウ病の症状

症状 特徴
甲状腺腫大 ・多くはびまん性、左右対称性に肥大する
・持続すると結節化 硬化する→抗TSH受容体抗体が甲状腺を刺激し続けるため
頻脈 過剰の甲状腺ホルモンがβ受容体を増加させるため起こる
眼球突出 ・全例に見られるわけではない
・多くは両側性で、 瞬目の減少、下方注視の際の上眼瞼移動の遅れなどが起こる
その他 ・代謝亢進: 血糖上昇血中総コレステロール低下
基礎代謝亢進 体重減少、体温上昇、発汗過多、 皮膚湿潤
手指振戦
・神経機能いらいら感など神経質になる、 脱力感、下痢
・循環機能:心悸亢進, 狭心痛、 未治療期間が長い場合や高齢者では心不全症状を合併する
・続発する心房細動による脳梗塞

検査

症状による診断: やせ、震え、 特に目の症状が重要
血中T3、T4上昇、血中FT3(遊離T3)上昇、血中FT4(遊離T4)上昇
血中TSH上低下(血中チロキシン上昇によるネガティブフィードバックのため)
血中抗 TSH受容体抗体: 90%以上で陽性

バセドウ病の治療

患者の状態にあわせ、 薬物療法、放射線ヨウ素内用療法、 甲状腺摘除術から選択する。
① 抗甲状腺薬の第一選択は、 妊娠初期 (器官形成期の妊娠4週0日から15週6日)を 除き、 チアマゾールとする
② チアマゾールは単回又は分割投与、プロピルチオウラシルは分割投与が望ましい
③ 抗甲状腺薬の減量法
抗甲状腺薬投与開始後は、重症度に応じて2~6週間隔で甲状腺機能を確認し、甲状腺機能が十分正常範囲に入ったら、 4~6週間隔でチェックを行い、抗甲状腺薬を漸減していく。 チアマゾール投与量が5mg/日(隔日)あるいは、プロピルチオウラシル 50mg/日 (曜日)まで減量後は、これを維持量として一定期間継続する。 維持療法中は、 2~3ヶ月ごとに血中血中T3、T4、TSH、抗TSH受容体抗体などの検査値が正常であること
を確認する。
④抗甲状腺薬の中止の目安
抗甲状腺薬1錠を隔日投与で6ヶ月以上甲状腺機能が正常な場合には、休薬の検 討を始める(提案する)。
妊娠初期における薬物治療
催奇形性の観点から妊娠5週0日から9週6日まではチアマゾールを避ける。 チアマゾール服用中に妊娠が判明した場合、 妊娠9週6日までであればチアマゾール
を速やかに中止し、患者の状態に応じて休薬、又はプロピルチオウラシルへ変更する。

バセドウ病に対するゴロ・覚え方

セドウ病はまずアルファベットにすると「Basedow」
イニシャルBなので、β絡みが多い

131Iから放出されるのはβ線
・過剰の甲状腺ホルモンで増加するのはβ受容体

β受容体の増加で、起きる症状に関しては
ダイレクトに振戦や頻脈と覚えられるならそれでOK!

もしエピソードが欲しい人は、
不整脈の特に頻脈で使用する薬!Ⅱ群の薬はβブロッカーです。
つまり逆にβ受容体増加して刺激が増えると頻脈が起きる。

また、β2受容体を刺激する
・ツロブテロール(商:ホクナリン):気管支喘息などで使用する
・リトドリン(商:ウテメリン):切迫流産や早産で使用する
などの代表的な副作用で振戦や動悸がある
なので、β受容体が増えるバセドウも同じような症状がでると覚えておくのOK!

自分の覚えやすい方を利用して、ど忘れ防止などに役立ててください。