今回は抗てんかん薬についてです。
代表的な抗てんかん薬の薬理作用をまとめたいと思います。
耳で聴いて覚えたいという方向けに動画も作りましたので、よければご利用ください
【ゴロなど】
[ベンゾジアゼピン系薬]
●~ゼパム、~ゾラムはベンゾジアゼピン系(てんかんではクロバザムもあるよ)
●弁当頑張る、株で苦労。そんな人に「無力な境遇」は禁句。
「弁当」ベンゾジアゼピン系
「頑張る」GABAA受容体の(ベンゾジアゼピン系結合部位)に結合
「株」過分極(を促進)
「苦労」Cl-の流入で
「無力な境遇は禁忌」重症筋無力症、急性狭隅角緑内障が禁忌
・クロナゼパム(先:リボトリール、ランドセン)
・ジアゼパム(先:ダイアップ)
・クロバザム(先:マイスタン)
・ミダゾラム(先:ミダフレッサ)⇒てんかん重積時の第一選択薬
※バルビツール系は、結合部位がバルビツール結合部位であるだけで、「Cl-の流入による過分極の促進」はベンゾジアゼピン系と共通。
[GABAトランスアミナーゼ阻害薬]
●バールでなかなか頑張っとるぜ、分解させない。
「バール」バルプロ酸(先:デパケン、セレニカ)
「なかなか」NaチャネルやCaチャネル抑制作用ももつ
「頑張っとるぜ、分解させない」GABAトランスアミナーゼ阻害し、GABAの分解抑制
[Naチャネル遮断]
●納豆を変にまぜるのはよせ
「納豆~よせ」Naチャネルの抑制
「変に」フェニトイン(先:アレビアチン、ヒダントール)
「まぜる」カルバマゼピン(先:テグレトール)
※ゾニサミド(先:エクセグラン)やバルプロ酸(先:デパケン、セレニカ)はNaチャネルもCaチャネルも抑制する。
[T型Caチャネル遮断]
●てか母ちゃん、スクミズ(スクール水着)はよせ
「てか母ちゃん~よせ」T型Caチャネルの抑制
「スクミズ」エトスクシミド(先:エピレオプチマル、ザロンチン)
※ゾニサミド(先:エクセグラン)やバルプロ酸(先:デパケン、セレニカ)はNaチャネルもCaチャネルも抑制する。
[新世代薬]
新世代の薬は、作用をゴロにまとめられませんでした。ガチ暗記です。
・ガバペンチン(先:ガバペン)
⇒作用機序は確立していない。以下の2つの作用が推測されている。
1:興奮神経系のCaチャネル抑制によりグルタミン酸などの遊離を抑制
2:GABAトランスポーターを活性化することでGABA神経系を活性化
(ゴロ)ペンチで神経系を調整
「ペンチ」ガバペンチン
「神経系を調整」てんかんは、過剰興奮の状態。それを正常に戻すのでグルタミン酸などの興奮系を抑制で、GABAは活性化。
・トピラマート(先:トピナ)
⇒抗てんかん作用は電位依存性Naチャネル抑制作用、電位依存性L型Caチャネル抑制作用、グルタミン酸受容体機能抑制作用、GABA 存在下における GABAA 受容体機能増強作用及び炭酸脱水酵素阻害作用に基づくと推定されている。
※なんでもありって感じです
・ラモトリギン(先:ラミクタール)
⇒Naチャネルを頻度依存的かつ電位依存的に抑制することによって神経膜を安定化させ、グルタミン酸等の興奮性神経伝達物質の遊離を抑制することにより抗痙攣作用を示すと考えられている。なお、双極性障害に対して効果を示す機序は明らかになっていない
・レベチラセタム(先:イーケプラ)
⇒神経伝達物質放出の調整に関すると考えられるシナプス小胞蛋白2A(SV2A)への結合、N型Caチャネル阻害作用、細胞内Ca遊離抑制作用、GABAおよびグリシン作動性電流に対するアロステリック阻害の抑制作用、神経細胞間の過剰な同期化の抑制作用
※薬理作用のクセが強い・・・
(ゴロ)レベチの商法つええ
「レベチ(レベル違い)」レベチラセタム
「商法つええ」シナプス小胞蛋白2Aに結合
・ベランパネル(先:フィコンパ)
⇒AMPA型グルタミン酸受容体に選択的な非競合的拮抗剤
・ラコサミド(先:ビムパット)
⇒従来のNaチャネルブロッカーとは異なる機序により、Naチャネルの緩徐な不活性化を選択的に促進させることで、活性化できるNaチャネルの割合を減少させ、ニューロンの過剰な興奮を抑制すると考えられている。
基本的にてんかんは興奮している状態なので、抗てんかん薬は、
・興奮系のグルタミン酸はSTOP、興奮がはじまるNaチャネルやCaチャネルはSTOP!
・抑制系のGABAは亢進、過分極を起こすClチャネルは亢進
この逆が書かれた文章は正解なる可能性は低いと思われる。