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[薬理ゴロ]抗菌薬(タンパク質合成阻害)

抗菌薬アミノグリコシド系 薬理ゴロのイラスト
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今回は抗菌薬のタンパク質合成阻害薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。

耳で聴いて覚えたいという方向けに動画も作りましたので、よければご利用ください。

【ゴロなど】

アミノグリコシド系

(作用機序)
30S及び50Sリボソームと結合し、30S/50S複合体をmRNAの開始コドン上に固定することにより、ポリソーム形成の初期段階を阻害してタンパク質の合成を阻害
※ただし、ストレプトマイシンとスペクチノマイシンは、30Sリボソームのみに結合
(副作用)
第Ⅷ脳神経障害(耳毒性)、腎障害
※耳毒性は不可逆的です。

ストレプトマイシン→抗結核薬
カナマイシン→抗結核薬
ゲンタマイシン(商:ゲンタシン)→抗緑膿菌作用がある
トブラマイシン(商:トブラシン)→抗緑膿菌作用がある
アミカシン→抗緑膿菌作用がある
イセパマイシン(商:イセパシン、エクサシン)→抗緑膿菌作用がある
ペカナマイシン(商:カネンドマイシン)→抗緑膿菌作用がある
アルベカシン(商:ハルベカシン)→MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に有効
フラジオマイシン(商:ソフラチュール)
スペクチノマイシン(商:トロビシン)→淋菌にも有効

見事な家臣の邁進を耳にし、じ~ん(感動)
抗菌薬アミノグリコシド系 薬理ゴロのイラスト
「見事(3、5、10)」30Sと50S
「家臣の邁進」語尾:~カシン、~マイシン
※「~スロマイシン」「ジョサマイシン」「スピラマイシン」「ミデカマイシン」はマクロライド系。
※「リンコマイシン」「クリンダマイシン」はリンコマイシン系
※「ホスホマイシン」はホスホマイシン系
該当しないことも多いので注意
「耳にし、じ~ん」副作用に耳毒性や腎障害

さらに、「リ」のつく~マイシンはリンコマイシン系
ただし、「リ」がついても~スロマイシンはマクロライド系!!

クロラムフェニコール系

クロラムフェニコール(商:クロマイ)
(作用機序)
50Sリボソームと結合し、タンパク質の合成を阻害
(副作用)
再生不良性貧血、新生児の灰白症候群グレイ症候群

マクロライド系

(作用機序)
50Sリボソームと結合し、ペプチジルtRNAの転移反応を抑制し、タンパク質の合成を阻害
(副作用)
消化器症状(悪心、嘔吐、下痢など)、肝障害
(その他)
CYP3A4阻害作用をもつ

エリスロマイシン(商:エリスロシン)
クラリスロマイシン(商:クラリス、クラリシッド)
ロキシスロマイシン(商:ルリッド)
アジスロマイシン(商:ジスロマック)→500mgを1日1回3日間経口投与により作用が薬7日間持続する。
ジョサマイシン(商:ジョサマイ)
スピラマイシン(商:アセチルスピラマイシン)
ミデカマイシン(商:メデマイシン)2012年販売中止
※アミノグリコシド系との見分けがややこしい。~スロマイシンは簡単だけど・・・
(ゴロ)真っ黒ライダー、スローで邁進Go。「いかん、吐く」

「真っ黒ライダー」マクロライド
「スローで邁進」~スロマイシン
「Go」50Sリボソームと結合
「いかん」副作用で障害
「吐く」副作用で悪心、嘔吐

(ゴロ)~スロマイシン以外は「枕するすっぴん女王様」で覚える
「枕」マクロライド系
「すっぴん」スピラマイシン
「女王様」ジョサマイシン

テトラサイクリン系

(作用機序)
30Sリボソームと結合→アミノアシルtRNAがmRNA-30Sリボソーム複合体に結合するのを阻害→タンパク質合成阻害
(副作用)
菌交代症(正常菌が抑制され、非感受性菌が増殖する。カンジダなど)、光過敏症、骨歯の着色
(その他)
・2価以上の金属でキレート形成→消化管吸収抑制
※制酸剤との併用で吸収が低下する可能性があるため注意。
・広い抗菌スペクトル、リケッチア、クラミジア、マイコプラズマ感染にも有効

テトラサイクリン(商:アクロマイシン)
オキシテトラサイクリン(商:テラマイシン)
デメチルクロルテトラサイクリン(商:レダマイシン)
ドキシサイクリン(商:ビブラマイシン)

(ゴロ)三輪車でサイクリング。帽子着て幼児交代で遊ぶ
「三」30Sリボソーム
「サイクリング」語尾:~サイクリン
「帽子着て」副作用で光線過敏症
「着て幼児」歯に着色するため幼児投与しない(乳歯の時に使用しても永久歯が着色することもある)
「交代」副作用で菌交代症

リンコマイシン系

(作用機序)
50Sリボソームと結合→ペプチド転移酵素反応を抑制→タンパク質合成阻害
(副作用)
偽膜性大腸炎(クロストリジウム・ディフィシルの腸管内異常増殖による下痢を伴う大腸炎)

リンコマイシン(商:リンコシン、ペランコシン)
クリンダマイシン(商:ダラシン)

オキサゾリノジン系

リネゾリド(商:ザイボックス)
(作用機序)
細胞リボソームと結合し、50Sリボソームと結合し、翻訳過程の70S開始複合体の形成阻害→タンパク質合成阻害
(特徴)
VRE(バンコマイシン耐性腸球菌)に有効
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に有効

ムピロシン(商:バクトロバン)
(作用機序)
細胞リボソームのペプチド合成阻害→タンパク質合成阻害
(特徴)
鼻腔内MRSAの除菌に軟膏で用いる。

作用点を分類するゴロ

(ゴロ)真っ黒ゴリ、見捨て

「まっくろ」マクロライド系(~スロマイシンなど)
「くろ」クロラムフェニコール系
「ゴ(5)」50Sリボソームに結合
「リ」ネゾリド、ンコマイシン系(ンコマイシン、クンダマイシン)

「見(3)」30Sリボソームのみに結合
「す」トレプトマイシン、ペクチノマイシン
(他のアミノグリコシド系は30Sと50S両方なので注意)
「て」トラサイクリン系(語尾:~サイクリン)

その他の薬理作用を有する抗菌薬

その他の薬理作用を有する抗菌薬は別ページにまとめています。
各ページのリンクを貼っておきますので合わせて勉強される方はご利用ください。

細胞壁合成阻害薬のぺージはコチラ

核酸合成阻害薬のページはコチラ

細胞膜障害薬および抗結核薬のページはコチラ

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