病態・薬物治療 PR

【病態・薬物治療まとめ】アルドステロン症

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今回はアルドステロン症の病態・薬物治療についてまとめます。

アルドステロン症の病態

概要

副腎皮質球状層から過剰のアルドステロンが分泌され、 ナトリウム蓄積とカリウム喪失をきたす疾患である。原発性や特発性アルドステロン症ではネガティブフィードバック機構によりレニンは低値となる(低レニン高アルドステロン血症)。

●アルドステロン症の分類

原発性 腺腫:80%
特発性 過形成:10%
二次性(続発性) 肝硬変や心不全などの疾患に伴いレニン活性が増大して生じる

症状

高血圧、低カリウム血症、代謝性アルカローシス

検査

本態性高血圧と原発性アルドステロン症の鑑別を目的にカプトプリル負荷試験が実施される。

本態性高血圧 アルドステロンの分泌低下し、レニン分泌が増加
原発性アルドステロン症 アルドステロンの分泌増加し、レニン分泌は低下を維持

アルドステロン症の治療

アルドステロン産生腫瘍:原則として腺腫の摘出手術
薬物療法:スピロノラクトン(商:アルダクトンA、副作用に女性化乳房が生じる)が第一選択薬
ニフェジピン(商:アダラート、スピロノラクトンで効果不十分な場合)

[治療時の注意点]

偽アルドステロン症
カンゾウ(甘草)に含まれるグリチルリチンの長期投与により、糖質コルチコイドが増加し、アルドステロンの作用が亢進する。そのため漢方処方薬の継続的な使用やグリチルリチン製剤を継続的に服用している場合には、血圧などの定期的な検査が必要である

参考として、主な漢方製剤とその1日服用量中の甘草含量を以下にまとめます。
甘草湯:8.0 g
芍薬甘草湯:6.0 g
小青竜湯:3.0 g
人参湯:3.0 g
葛根湯:2.0 g
小柴胡湯:2.0 g
防風通聖散:2.0g
六君子湯:1.0 g

また、平成16年度で、偽アルドステロン症の報告が多かった医薬品(上位5位)は以下の通りです。
・芍薬甘草湯
・グリチルリチン・DL-メチオニン配合剤(商:グリチロン)
・グリチルリチン・グリシン・システイン配合剤(商:強力ネオミノファーゲンシー)
・加味逍遥散
・桂枝加朮附湯

参考:
厚生労働省 重篤副作用疾患別対応マニュアル「偽アルドステロン症」
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/10/dl/s1019-4d9.pdf

練習問題

今回の練習問題は107回薬剤師国家試験の問65です。

上記を参考にすると3が正解です。

この問題に関しては病態を勉強しなくても、薬理をやっておけば解けそう。
抗アルドステロン作用の薬を思い出すと、
ARB(降圧剤)やスピロノラクトン(K保持性利尿薬)です。
抗アルドステロンで、
降圧(血圧さげる)、利尿(水分やNaの排出)、K保持(K上げる)ため
アルドステロン症はその逆!
血圧上げる、Na上げる、K下げる。なら答えは3です。