病態・薬物治療 PR

【病態・薬物療法】過活動膀胱及び低活動膀胱 ゴロ・覚え方

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今回は泌尿器系の疾患である過活動膀胱及び低活動膀胱の病態・薬物治療についてまとめました。

 過活動膀胱 (OAB:Overactive bladder)の病態

概要

尿意切迫感(突然起こる我慢できないような強い尿意)を必須とした症状症候群であり、 夜間頻尿、切迫性尿失禁などを伴う。日本では40歳以上の男女の約12%に過活動膀胱 の症状があり、高齢者や中枢神経疾患をもつ患者に好発する。

分類

明らかな神経学的異常(脳疾患 脊髄疾患、馬尾・末梢神経疾患)が原因の神経因性過活動膀胱と、神経学的な異常はなく原因を特定できない非神経因性(特発性過活動膀胱)に大別できる。後者が大半を占める。

●活動の分類

神経因性 非神経因性
特徴 中枢の排尿制御機構が働かず、尿の貯留により排尿反射が不随意に生じることで排尿筋が収縮する 膀胱の機能的変化や尿道の知覚亢進が 考えられている
原因 脳血管障害、パーキンソン病など 下部尿路閉塞(前立腺肥大症など)、加齢など

症状

尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁。

検査

過活動膀胱症状スコア (OABSS)、 排尿筋過活動。

過活動膀胱の治療

行動療法 [膀胱訓練、生活指導 (飲水制限など)、骨盤底筋訓練] と薬物療法がある。
●過活動膀胱治療薬

薬物 特徴
<抗コリン薬>
プロビベリン(商:バップフォー)
ソリフェナシン(商:ベシケア)
イミダフェナシン(商:ウリトス、ステーブラ)
トルテロジン(商:デトルシトール)
フェンテロジン(商:トビエース)
膀胱排尿筋の M3受容体を遮断し、膀胱排尿筋を弛緩させることで蓄尿機能を亢進させる
<β3受容体刺激薬>
ミラベグロン(商:ベタニス)
ビベグロン(商:ベオーバ)
膀胱排尿筋のβ3受容体を刺激し、膀胱排尿筋を弛緩させることで蓄尿機能を亢進させる

<抗コリン薬のゴロ>
老人は膀胱のキャパなし、マミーもお断わり。

「老人」語尾:~ロジン
「膀胱のキャパなし」:膀胱のキャパなく畜尿できないのを改善する
「なし」語尾:~ナシン
「マミーもお断わり」M3受容体を遮断
※プロピベリンは根性で覚えてください。

<β3受容体刺激薬のゴロ>
ビーサンで激しくおもらし。ぐろいな
「ビーサンで激しく」β3受容体刺激
「おもらし」尿をもらす(過活動膀胱)で使う
「ぐろい」語尾:~グロン

テキストには記載なかったが、
フラボキサート(商:ブラダロン)、オキシブチニン(商:ポラキス、貼付剤ネオキシ)も神経因性の頻尿などの適応があり、過活動膀胱の患者に使用されます。

低活動膀胱の病態

概要

排尿筋低活動によって定義され、排尿困難や尿勢低下などの排尿症状を主徴とする。

低活動膀胱の治療

生活習慣改善、行動療法がある。
また、薬物療法としては、
コリンエステラーゼ阻害のジスチグミン(商:ウブレチド)
コリン作動薬のベタネコール(商:ベサコリン)
を用いる。