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DPP-4阻害薬 特徴まとめ

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糖尿病治療薬を詳しく勉強したい薬剤師・薬学部生向けに
糖尿病標準診療マニュアル2022(以下マニュアル)
糖尿病診療ガイドライン(以下ガイドライン)
を参考に糖尿病治療薬の情報をまとめています。

今回はDPP-4阻害薬になります。


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DPP-4阻害薬 特徴

成分として
・シタグリプチン(商:ジャヌビア、グラクティブ):大血管症リスク非劣勢(vsプラセボ)
・ビルダグリプチン(商:エクア)
・アログリプチン(商:ネシーナ):大血管症リスク非劣勢(vsプラセボ)
・リナグリプチン(商:トラゼンタ):胆汁排泄型大血管症リスク非劣勢(vsグリメピリド)
・テネリグリプチン(商:テネリア):胆汁排泄型
・アナグリプチン(商:スイニー)
・サキサグリプチン(商:オングリザ)
・トレラグリプチン(商:ザファテック):週1回製剤
・オマリグリプチン(商:マリゼブ):週1回製剤
などがある。

血糖値に依存して食後のインスリン分泌を促進し、主に食後高血糖を改善する。

単独投与では低血糖のリスクは極めて少ない

●SU薬との併用による低血糖の発症頻度に関する報告は様々であるが、ときに重篤な低血糖の発症が報告されているため、SU薬の用量が多い場合には、安全のため減量し、併用を開始することを検討すべきである。

GLP-1受容体作動薬との併用は避ける
→本剤とGLP-1受容体作動薬はいずれもGLP-1受容体を介した血糖降下作用を有している。両剤を併用した際の臨床試験成績はなく、有効性及び安全性は確認されていない。(トラゼンタ添付文書より)

胆汁排泄型のリナグリプチン(商:トラゼンタ)やテネリグリプチン(商:テネリア)は薬物動態にさほど影響を受けないため透析を含めて腎機能障害時の用法、用量の変更は必要ない。しかし、その他の薬剤は腎排泄型のため、腎機能に応じて用量調節をする必要がある。

 

●2015年には週1回投与製剤であるトレラグリプチン(商:ザファテック)とオマリグリプチン(商:マリゼブ)が承認された。週1回投与製剤は1日1回投与製剤と比較して血糖降下作用に関して非劣性であることが示され、副作用の発症頻度に関しても有意な差は認めなかった。また、1日1回投与製剤から週1回投与製剤のDPP-4阻害薬への変更は、血糖コントロールを悪化させず、安全性にも問題がなく、利便性や融通性に優れていると報告されている

※DPP-4阻害薬の簡単な特徴と用法・用量をまとめた表

DPP-4阻害薬は基本的には体重を増加させにくい

心血管イベントの発症に関して、大規模臨床試験でDPP-4阻害薬は、プラセボに対する非劣性が証明されている。また、DPP-4阻害薬は、微量アルブミン尿の出現と進行を抑制することが示されている。

●しかしながら、サキサグリプチン(商:オングリザ)を用いた大規模臨床試験ではサキサグリプチン投与群で心不全による入院の頻度が有意に増加していた。特に、65歳以上、罹病歴10年以上あるいはBMI30以上の患者でサキサグリプチン投与により心不全の発症が増加する可能性が示唆されている。ただし、その後のメタ解析では、サキサグリプチン以外のDPP-4阻害薬投与群と対照群で心不全の発症は有意な差を認めなかった。

参考資料

糖尿病診療ガイドライン2019(http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-05.pdf

糖尿病標準診療マニュアル2022 一般診療所・クリニック向け
https://human-data.or.jp/wp/wp-content/uploads/2022/03/DMmanual_18.pdf

トラゼンタ錠 添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/3969014F1024_1_19/