高尿酸血症の患者さんが多く、少しでも患者さんに有益な情報が提供できるよう勉強しましたので、記事にしたいと思います。
まずは、基本的な情報は、「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 2012年追補 ダイジェスト版」を参考にまとめます。
リンク:http://www.tukaku.jp/wp-content/uploads/2013/06/tufu-GL2.pdf
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メルカリへのリンクはコチラ<高尿酸血症の定義>
●尿酸塩沈着症(痛風関節炎、腎症など)の病因であり、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるもの。性・年齢を問わない。
※試験対策では「血清尿酸値のアンラッキーセブン」で覚えました。
<高尿酸血症のリスク>
【痛風関節炎・痛風結節】
1.血清尿酸値が7.0mg/dLを超えると、高くなるに従って痛風関節炎の発症リスク高まる。
2.アルコール摂取量は痛風発症リスクを用量依存的に上昇させる。肉類・砂糖入りソフトドリンク・果糖の摂取量が多い集団、BMIの高い集団は痛風になりやすい。
3.コーヒー摂取量が多い、ランニング距離が長い、適度な運動を日常的に行う集団は痛風なりにくい。
【尿路結石】
1.尿酸結石の危険因子は、①尿量低下、②高尿酸尿(症)、③酸性尿。
2.高尿酸血症を有していても、必ずしも尿路結石の頻度は増加しない。
※尿路結石に対しては血液よりも尿の尿酸が重要という認識になりました。
<高尿酸血症の治療>
【目標】
●痛風関節炎を繰り返す症例など:血清尿酸値を6.0mg/dL以下に維持が望ましい
●無症候性高尿酸血症への薬物治療の導尿:8.0mg/dL以上を一応の目安、適応は慎重に。
【薬の種類、注意点】
尿酸排泄促進薬:
プロベネシド(商:ベネシッド)、ブコローム(商:パラミヂン)、ベンズブロマロン(商:ユリノーム)
・尿酸排泄低下型に選択することが基本原則。尿酸排泄量の多い尿酸酸性過剰型には不適(理由は、尿中尿酸排泄量が増加して尿路結石を発症させやすい)
・尿路排泄促進薬を使用する場合は、尿路結石の発現に注意し、尿アルカリ化薬(クエン酸K・クエン酸Na配合)を併用する
尿酸生成抑制薬:
アロプリノール(商:ザイロリック)、フェブキソスタット(商:フェブリク)
・尿酸産生過剰型に選択することが基本原則。
・中等度以上の腎機能障害は、尿酸生成抑制薬を選択し、慎重に投与。
これまでの情報と、滋賀医科大学医学部付属病院や日本健康増進財団の資料を参考に患者さんへの服薬指導に+できる有益な情報をまとめます。
参考資料:
滋賀医科大学医学部付属病院の資料
https://www.shiga-med.ac.jp/hospital/doc/magazines/files/vol_51.pdf
日本健康増進財団の資料
http://www.e-kenkou21.or.jp/wp/wp-content/uploads/2012/12/vol13.pdf
<患者さんに有益と思われる情報>
・痛風の発生リスクを考えると、血清尿酸値が7.0mg/dL以上なら少しでも低い方がいい。
(患者さんには、今自分の値がどういう状況が教えてあげる。血清尿酸値が下がっているなら、油断することなく継続するよう指導する。また、コンプライアンス不良で、血清尿酸値が下がっていないなら、痛風のリスクなどを説明し、コンプライアンス向上を目指すなど。)
・アルコール、プリン体、砂糖、果糖などを控える。
プリン体の多い食品:レバー類、干ししいたけ、カツオ、サンマ干物、マアジ干物
・十分な水分をとる。
(理由:①尿中に排出される尿酸の飽和度を減じ、尿路結石のリスクを下げる。②脱水は血清尿酸値を上げてしまう(夏などは水分補給を促すのは良いと思います)。)
・激しい運動は尿酸値を上げてしまう。好ましい運動は、軽いジョギング、水泳、ゴルフなどで1回20分、週3以上が良いと言われている。