神経の痛みに関する薬物にリリカ(成分名:プレガバリン)があります。
痛みの薬というと症状が出ている時にのみ服用する患者さんがいるかもしれません。
今回、リリカは頓服のような使い方で効果がでるのか?という疑問を検討したいと思います。
添付文書を確認すると、「1日2回経口投与」であり、頓服的な使い方はありません。
この時点で、頓服で効果は期待できないと考えられますが、せっかくなので少し情報を追加して記事を書いていきます。
帯状疱疹神経痛患者を対象とした臨床試験結果は、1日300mg投与のプラセボ対象試験において13週投与で優位な差が確認された結果なので、すぐ効果を発揮するような薬ではないことが考えられます。
次に、定常状態に達する時間などを踏まえて考えてみたいと思います。
学生時代の知識だと、「だいたい半減期の5~6倍くらいの時間で定常状態に達する」という事をなんとなく覚えていたのですが、今回改めて勉強し直します。
ネットで調べると複数のサイトで、Ritschel(リッチェル)理論が書かれています。
(自分では根拠元を探しきれませんでした。申し訳ありません。)
リッチェル理論は
①「投与間隔/半減期≦3」となる薬は
②「半減期×5」で定常状態に達する
というものです。
リリカの数値を当てはめると、
リリカ(1回150mgもしくは300mg、1日2回)の反復投与の半減期は5.11~6.31hr。
投与間隔は1日2回なら12hr。
投与間隔/半減期は1.90~2.34となります。
つまりリリカは定常状態があります。
さらに定常状態に達するのは、25.55~31.55hrと予想されます。
大体1日強で定常状態に達するようです。
(これなら、ほぼ1回飲めば薬効に必要な濃度には達しそうではある。)
定常状態に達するのに時間はかからないが、症状の改善には時間が必要であると考えられます。
やはり頓服のような使い方で効果が期待できないと思います。
むしろ効果を感じずに使用を中止してしまう可能性が考えられるため、「効果が出るのに時間がかかるため、しっかり定期的に服用するよう」説明するのが良いかもしれません。
また、リリカは急に中止すると、不眠や頭痛が現れることがあります。患者さんが中止したいと言っても、勝手に中止せず医師への相談を促しましょう。
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