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【病態・薬物治療】痛風・高尿酸血症 ゴロ・覚え方

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今回は代謝系疾患の高尿酸血症と痛風の病態・薬物治療にゴロ・覚え方を交えてまとめました。


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高尿酸血症・痛風の病態

概要

(1) 高尿酸血症

性別・年齢を問わず、血清中の尿酸溶解飽和濃度である7.0mg/dLを超えるものを高尿酸血症と定義する。 高尿酸血症の原因には尿酸の産生が過剰になる場合と、排泄が 低下する場合及びそれらの混合した場合がある。 男性に多い

<覚え方>
ゴロではないですが、高尿酸血症の診断は「血清尿酸値はアンラッキーセブンと言われて覚えました。

(2) 痛風 (急性関節炎発作)

高尿酸血症を放置すると飽和状態になった血中尿酸が関節腔内に移行し、結晶化することで痛風(急性関節炎発作)を起こす。
尿酸は温度低下やpH低下によって溶解度が低下するため、 高尿酸血症の血液が温度 の低い足先や耳介に流れてくると結晶として析出しやすくなる。 痛風発作は、尿酸ナト リウム結晶の関節腔内析出による炎症反応である。
関節腔内には尿酸結晶を貪食するために多形核白血球が浸潤し、白血球膜が破れ化学 伝達物質などが遊離し関節炎を起こす。 同時に関節腔内で乳酸産生が高まるために pH が酸性に傾き、さらに尿酸沈着を促進する。

分類

●高尿酸血症の分類

分類 特徵
尿酸排泄
低下型
腎臓からの尿酸排泄が低下している状態 遺伝や肥満が関与している。 腎不全でも尿酸の排泄が低下する
尿酸產生過
剰型
・プリン体を多く含む食品を過剰に摂取したり、激しい運動を行うことで、 細胞が破壊され、体内で合成されるプリン体が増加することが原因
白血病や炎症性疾患でも細胞が破壊され、体内で合成されるプリン体が増加する
腎外排泄
低下型
これまで、高尿酸血症は尿酸排泄低下型と尿酸産生過剰型に分類されていたが、近年では、腎外排泄低下型という新しい概念が提唱されている。これは、 腸管からの尿酸排泄が低下しているために腎臓からの尿酸排泄量が増加して飽和し、 高尿酸血症をきたす病態である。 見かけ上、尿酸の産生が増加して いるように見える
混合型 上述の3つの型が混在しているタイプ

●痛風の分類

分類 特徵
原発性痛風 ・原因が不明なもので、 痛風の90%以上を占める
遺伝的素因と環境因子が関係するといわれる
<要因>
食事(大量の肉食、カロリー過剰、脂質異常症、アルコール過飲) 、肥満
続発性痛風 ・基礎疾患(主に腎疾患と血液疾患)の結果起こる痛風で、 頻度は少ない
<基礎疾患>
尿酸産生過剰によるもの:白血病、骨髄増殖疾患など。 特に、 がん化学療法や放射線療法で、がん細胞が短時間に大量に死滅することで起こる腫瘍崩壊症候群 (tumor lysis syndrome) で主にがん細胞が壊れる際に核酸からヒポキサンチンが大量に発生し、尿酸が過剰産生される。 予防には水分補給と尿のアルカリ化、アロプリノールが有効である
・腎不全など腎機能低下による排泄低下

症状

高尿酸血症は無症状である。 痛風の三大症状は、急性関節炎発作、 痛風結節、及び腎 障害(痛風)である。
関節炎に伴って疼痛や腫脹、 発赤を呈するが、 7~10日間で軽快する。 高尿酸血症を 放置すると、痛風関節炎が頻発し、 慢性関節炎 (痛風発作) となる。 また、高尿酸血症が 長期間持続すると、間質性腎炎の所見を呈し痛風腎となる。
●痛風の症状

症状 特徴
急性関節炎
発作
・関節腔内に尿酸ナトリウムが結晶化して析出し、 関節炎を起こす
第一母趾関節(足の親指のつけ根の関節) が好発部位 (60%以上): 単関 節炎で、複数の関節が同時に炎症を起こすのはまれである
・発作は超急性に発症し関節の発赤・腫脹・激痛があり、 初回発作は数時 間で消失する。 繰り返すたびに重症化し、 持続時間も長くなる。 時に発 作前に前兆として局所の違和感や微熱、倦怠感が見られる
安静時に起こる自発痛 (じっとしていても起こる痛み) は夜間就寝中に多 い。 アルコール、 食事、 薬剤などで誘発
慢性痛風 ・急性発作の反復により起こる (多くの場合、 発症より約10年)
・痛風結節:尿酸ナトリウムの結晶が皮下組織に沈着し皮下結節が発現す る(尿酸を包む組織反応物のことで、こぶのように腫れる)。 耳介、足に好発する。 皮下以外では各関節(膝、手足などの関節)にできる
・関節の破壊・変形
痛風腎:腎臓に尿酸塩が沈着し、結石、水腎、腎盂腎炎、慢性間質性腎 炎、タンパク尿、尿濃縮障害、腎不全が起こり、最終的に尿毒症に至る

検査

血清尿酸値上昇: 7.0mg/dL以上で高尿酸血症と診断。

高尿酸血症痛風の治療

1 高尿酸血症

痛風関節炎の発症を防ぎ、腎障害(痛風腎)や尿路結石を発症進展させないために血清尿酸値を4.0~6.0mg/dLにコントロールする。 同時に、合併する生活習慣病や腎障害や尿路結石に対して、 生活指導、食事療法、及び尿路管理を行う。

(1) 生活指導

過食や高プリン体食 高脂肪食 高タンパク食、飲酒、運動不足といった生活習慣を 是正する。

(2) 薬物療法

痛風の症状がない場合、血清尿酸値を基準として治療する (合併症がある場合 8.0mg/dL以上、合併症がない場合:9.0mg/dL以上)。

2 痛風

激しい疼痛を除去し、患者のQOLを改善することを目的とする。痛風発作中は患部を冷やして安静に保ち、禁酒する。発作は尿酸値の急激な変動により頻度が高くなったり、重症化するので、発作時には尿酸降下薬の新たな開始及び増量はしない。薬物療法は、鎮痛のため、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や副腎皮質ステロイド性薬を用いる。コルヒチンは、発作前兆期に短期間大量投与する。 また、発作初期であっても投与開始が早ければ効果が期待できる。

治療薬の薬理は、別ページにゴロと一緒にまとめておりますので、そちらを参考にしてください。

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