グレープフルーツが薬に影響を与えることは有名ですが、「その他の柑橘類は?」と言われると不明な人も多いのではないでしょうか。
今回は、柑橘類でグレープフルーツ以外のように、薬に影響を与えるものをまとめたいと思います。
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メルカリへのリンクはコチラまず、グレープフルーツは薬にどのような影響をあたえるのか?
主に小腸にある薬物の代謝酵素チトクロームP450 (CYP)3A4がダウンレギュレーションを受けるために起こる薬物代謝阻害と、薬物によっては薬物排出トランスポーターによる排出過程も阻害を受けるためと考えられている。
なお、CYP3A4を阻害するのはグレープフルーツに含まれるフラノクマリン類と考えられています。
(参考:酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング)
小腸のCYP3A4が阻害されると、薬が代謝を受けない分、血液中に移行する薬物濃度が上り、薬の作用が強く出ることがあります。
グレープフルーツ以外に薬に影響を与える柑橘類の例
上記で説明したように、フラノクマリン類が薬の代謝に影響を与えるため、ここではまずフラノクマリン類の1つである6’,7’-ジヒドロキシベルガモチン(DHB)を多く含む柑橘類をまとめたいと思います。
なお、含有量が1.44 μg/ml以下のものはあまり影響ないと考えられているようなので、ここでは「1.44 μg/mlを超える(摂取を控えるべき)」「1.44 μg/ml以下だが検出はされた(少量であれば摂取してもよい)」「検出されなかった」に分けたいと思います。
1.44 μg/mlを超える (摂取を控えるべき) |
1.44 μg/ml以下だが検出はされた (少量であれば摂取してもよい) |
検出されなかった |
【果皮および果汁】 グレープフルーツ果皮・果汁 スウィーティー果皮・果汁 メロゴールド果皮・果汁 バンペイユ果皮・果汁 レッドポメロ果皮・果汁 ダイダイ果皮・果汁 ブンタン(ザボン)果皮・果汁 【果皮のみ】 |
【果汁のみ】 ハッサクの果汁 サワーポメロ果汁 メキシカンライム果汁 甘夏ミカン果汁 パール柑果汁 サンポウカン果汁 レモン果汁 日向夏果汁 スウィートオレンジ果汁 【果皮および果汁】
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【果汁のみ】 ポンカン果汁 イヨカン果汁 スダチ果汁 キンカン果汁 【果皮および果汁】 |
参考:
酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング
高の原中央病院 柑橘類と医薬品
残念ながら、1.44 μg/mlを基準としている根拠は見つけることはできませんでした・・
なお、ザボンはブンタンの標準和名になるのでザボンも摂取を控えるべき柑橘類と思われます。
また、柑橘類の果皮を砂糖漬けなどにして直接食べたり、マーマレードに加工して食べる場合もあるので、加工食品などでも注意が必要である。
グレープフルーツが薬に影響を与える時間は長い
ちなみにグレープフルーツが、薬物代謝に影響を与える時間はながく、「安全を見越して3日間は注意したほうがいい」と言われています。
そのため、「薬は朝しか飲まないので夜にグレープフルーツを摂取するのは問題ないか」などの質問が患者さんからもよくあるのですが、間隔をあけても影響を受けることとなります。
なお、グレープフルーツが薬に影響を与える時間や影響を受ける主な薬については、別記事にまとめていますので、こちらをご覧ください。
参考
酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjphcs/32/7/32_7_693/_pdf/-char/ja
高の原中央病院 柑橘類と医薬品
https://www.takanohara-ch.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2018/04/di201803.pdf
札幌医大の資料
https://web.sapmed.ac.jp/pharm/files/patient_citrus.pdf
柑橘類の摂取と薬剤服用の問題点は? 日本医事新報社
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14375
グレープフルーツが薬に与える影響とは? 八王子薬剤センター
https://www.pharma802.com/wp321z/wp-content/uploads/2016/08/watashi247.pdf
国立栄養研究所:グレープフルーツと薬物の相互作用について (Ver.20090129)
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail825.html
グレープフルーツジュースによる薬物相互作用
https://www.jstage.jst.go.jp/article/orltokyo1958/42/4/42_4_430/_pdf