今回は統合失調症治療薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。
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[定型抗精神病薬]
定型抗精神病薬は、フェノチアジン系(語尾:~aジン)、ブチロフェノン系(語尾:~ドール、~ペロン)、ベンザミド系(語尾:~ピリド、~プリド)などがある。
副作用として悪性症候群、錐体外路障害、高プロラクチン血症などに注意が必要。
●どんなに定型文でもお断り
「どんなに~お断り」D2受容体遮断(→幻覚・妄想などの陽性症状の改善)
「定型」定型抗精神病薬
<フェノチアジン系(語尾:~aジン)>
クロルプロマジン(商:ウインタミン、コントミン)
レボメプロマジン(商:ヒルナミン、レボトミン)
フルフェナジン(商:フルメジン、フルデカシン)
ペルフェナジン(商:ピーゼットシー、トリラホン)
プロクロルペラジン(商:ノバミン)
<プチロフェノン系(語尾:~ドール、~ペロン)>
ハロペリドール(商:セレネース):クロルプロマジンより強いD2遮断
プロムペリドール(商:インプロメン)
ピパンペロン(商:プロピタン)
スピペロン(商:スピロピタン)
チミペロン(商:トロペロン)
<ベンザミド系(語尾:~ピリド、~プリド)>
スルピリド(商:ドグマチール)
→適応:統合失調症(用量1日300~600mg)、うつ病(用量1日150~300mg)、胃・十二指腸潰瘍(用量150mg)
スルトプリド(商:バルネチール)
チアプリド(商:グラマリール)
ネモナプリド(商:エミレース)
※個人的には、定型の薬の語尾は、
「亜人がドールをペロンと、ピリピリプリプリ」
で覚えています。あまりにストーリ性がないため、これで覚えらえる人のみ利用してください。
[非定形抗精神病薬]
<セロトニン・ドパミンアンタゴニスト(SDA)>
→D2受容体及び5-HT2A受容体遮断作用により、統合失調症の陽性症状のみならず陰性症状も改善する
●リスペクトするパリの無難なソーダ、あんた本当にペロペロするな
「リスペクト」リスペリドン(商:リスパダール)
「パリの」パリペリドン(商:インヴェガ)はリスペリドンの主活性代謝物
「無難」ブロナンセリン(商:ロナセン)
「ソーダ」SDA(セロトニン・ドパミン アンタゴニスト)
「あんた」アンタゴニスト(もし、アンタゴニストとアゴニスト迷った時の保険)
「本当に」HT2A(セロトニン受容体をサブタイプ)
「ペロペロする」ペロスピロン(商:ルーラン)
※~ペロンとペロスピロンがゴロ上では紛らわしいです。気を付けてください。
※5-HT2受容体が思い出せたら、5-HT受容体関連薬のルール
5-HT1:刺激薬
5-HT2:遮断薬
5-HT3:遮断薬
5-HT4:刺激薬
でアンタゴニストと判断できる。
セロトニンを遮断するために、錐体外路障害が少ないとの理論が言われている。(ただし、非定型抗精神病薬のなかでは頻度が高いと言われている)
副作用は、悪性症候群や高プロラクチン血症が注意。
<多元受容体標的化抗精神病薬(MARTA)(語尾:~aピン)>
→MARTA:multi-acting-receptor-targeting-antipsychotics。
セロトニン、ドパミン以外にコリン、ヒスタミン、アドレナリン他多くの受容体にも作用することで名前がついた。錐体外路障害や高プロラクチン血症が問題となることは少ないが、血糖上昇などが問題となることがある。
●マルタ人がクエート、オランダ、クロアチアピンピンして出張に行く。ただし、当分ダメ。※正式にはクウェートです。
「マルタ人」MARTA
「クエート」クエチアピン(商:セロクエル)
「オランダ」オランザピン(商:ジプレキサ)
「クロアチア」クロザピン(商:クロザリル)※
「アピン」語尾:~aピン
・これで、アセナピン(商:シクレスト舌下錠)も覚える
「出張」統合失調症の治療薬
「当分ダメ」糖分関連の問題あり(血糖上昇の副作用、禁忌に糖尿病)
糖尿病禁忌に関してクロザピンは例外
※クロザピンは、警告に「CPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)に準拠して定期的に血糖値等の測定を行うこと。また、臨床症状の観察を十分に行い、高血糖の徴候・症状に注意するとともに、糖尿病治療に関する十分な知識と経験を有する医師と連携して適切な対応を行うこと。特に、糖尿病又はその既往歴もしくはその危険因子を有する患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。」との記載がある。
<ドパミン受容体部分刺激薬(語尾:~ピプラゾール)>
→ドパミン作動性神経伝達が更新した状態では、D2受容体にアンタゴニストとして働き、ドパミン作動性神経伝達が低下した状態では、アゴニストとして働く。
また、5-HT2A受容体の遮断作用や5-HT1Aの部分刺激作用も示す。
錐体外路障害やプロラクチン値上昇がみられにくい。
語尾:~ピプラゾール
アリピプラゾール(商:エビリファイ)
プレクスピプラゾール(商:レキサルティ)
病態
病態・薬物治療・主な副作用などについては、別ページにゴロと一緒にまとめていますので、合わせて勉強される方はそちらを参考にしてください。
【備考】
<悪性症候群>
高熱・発汗、意識のくもり、錐体外路症状(手足の震えや身体のこわばり、言葉の話しづらさやよだれ、食べ物や水分の飲み込みにくさなど)、自律神経症状 (頻脈や頻呼吸、血圧の上昇など)、横紋筋融解症筋肉組織の障害:筋肉 の傷みなど)などの症状が複数みられる。
対症療法としてダントロレンナトリウム(商:ダントリウム)が用いられる。
<錐体外路障害>
症状は、手足の震えや身体のこわばり、言葉の 話しづらさやよだれ、食べ物や水分の飲み込みにくさなどがある。
<高プロラクチン血症>
乳汁が漏出したり、無排卵性月経、無月経などの月経異常が発現する。
参考
重篤副作用疾患別対応マニュアル(悪性症候群)
https://www.pmda.go.jp/files/000144356.pdf
「カバサール錠」の高プロラクチン血症関連疾患及び産褥性乳汁分泌抑制効能・効果追加のお知らせ
https://www.kissei.co.jp/news/2003/20030416-581.html