今回は、痛風・高尿酸血症治療薬について記事にしたいと思います。
なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です。
暗記が苦手な薬学部生にみてほしい。
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痛風発作治療薬のゴロ
●痛風発作でもちゅうぶらりん、(ナース)コール必死、中走るな!
「ちゅうぶらりん」チュウブリンに結合(して、紡錘体の機能を阻害する)
「中走るな」(それにより)好中球の炎症組織への遊走を抑制
「コール必死」コルヒチン
痛風発作で使用するNSAIDs例
●通は富良野とインドでナプキン置き去る
「通」痛風発作治療
「富良野」プラノプロフェン(商:ニフラン)
「インド」インドメタシン(商:インダシン、インテバン)
「ナプキン」ナプロキセン(商:ナイキサン)
「置き去る」オキサプロジン(商:アルボ)
尿酸合成阻害薬のゴロ
●基礎のスタッフ、あのプリンから尿酸つくらない。キッチンに置きっぱなしはダメだぜ
「基礎のスタッフ」語尾:~キソスタット
・フェブキソスタット(商:フェブリク)
・トピロキソスタット(商:トピロリック)
「あのプリン」アロプリノール(商:ザイロリック、サロベールなど)
「尿酸つくらない」尿酸合成阻害キサンチンオキシダーゼ阻害
「キッチンに置き(っぱな)しはダメだぜ」キサンチンオキシダーゼ阻害によって(尿酸合成阻害)
【実務領域】
「プリンつながり」で相互作用を覚える。
6メルカトプリン(抗がん剤、商:ロイケリン)やアザチオプリン(免疫抑制薬、商:イムラン、アザニン)の血中濃度を上昇させる。
そのため、フェブキソスタットやトピロキソスタットは併用禁忌。
アロプリノールは、6メルカトプリンやアザチオプリンの量を1/3~1/4に減量する。
私の学生時代には、フェブキソスタットはありませんでした。個人的な勉強のためフェブキソスタットについては、備考にまとめております。(さらにトピロキソスタットまででました。)
練習問題(参考:第109回薬剤師国家試験 問164)
次の文章の正誤を答えよ。
・トピロキソスタットは、 キサンチンオキシダーゼにより代謝され、その産物がキサンチンオキシダーゼを阻害する。
【解答と解説】誤
トピロキソスタットアロプリノールは、 キサンチンオキシダーゼにより代謝され、その産物もキサンチンオキシダーゼを阻害する。
※トピロキソスタットは、キサンチンと類似の分子構造もなく、キサンチンオキシダーゼによる代謝物の情報もIFにはない。
尿酸排泄促進薬のゴロ
●プロベーション(見習い期間)では、便座にマロンと尿酸ぶっこむ
「プロベ」プロベネシド(商:ベネシッド)
「便座にマロン」ベンズブロマロン(商:ユリノーム)
→重篤な肝障害が主に投与開始6ヶ月以内に発現することが報告されているため、投与開始後少なくとも6ヶ月間は定期的に肝機能検査を行う。
「ぶっこむ」ブコローム(商:パラミヂン)
※「便座に尿酸ぶっこむ」のイメージで尿酸排泄。
尿酸排泄の薬理作用は、「腎近位尿細管の有機陰イオントランスポーター(URAT1)による尿酸の再吸収を抑制」である。
2020年1月には新しい尿酸排泄促進薬として、
ドチヌラド(商:ユリス)
が承認されている。
ドチヌラドは選択的なURAT1阻害作用を有し、さらに肝障害の原因と考えられるミトコンドリア毒性やCYP2C9阻害による薬物相互作用の少ない薬剤を目指してつくられた。
練習問題(参考:第109回薬剤師国家試験 問164)
次の文章の正誤を答えよ。
1.プロベネシドは、尿細管における尿酸の再吸収及び分泌を阻害する。
2.ドチヌラドは、尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸の再吸収を抑制する。
【解答】1.正 2.正
練習問題(参考:第107回薬剤師国家試験 問39)
腎尿細管の尿酸トランスポーター(URAT1)を阻害して、尿酸再吸収を抑制するのはどれか。1つ選べ。
1.コルヒチン
2.フェブキソスタット
3.プロベネシド
4.アロプリノール
5.ラスブリカーゼ
【解答と解説】3
問題文の薬理作用は尿酸排泄薬のものです。その他は、
1.コルヒチン→痛風発作治療薬。チュウブリンに結合して、紡錘体の機能を阻害する。それにより好中球の炎症組織への遊走を抑制
2.フェブキソスタット→キサンチンオキシダーゼ阻害によって尿酸合成阻害
4.アロプリノール→キサンチンオキシダーゼ阻害によって尿酸合成阻害
5.ラスブリカーゼ→尿酸分解酵素薬。尿酸を酸化し、アラントインと過酸化水素に分解
尿酸分解酵素薬のゴロ
●尿酸分解に参加し、あらっという間にすいすいラストぶり返す
「参加」尿酸を酸化し、
「あらっという間にすいすい」アラントインと過酸化水素に分解
「ラストぶり返す」ラスブリカーゼ(商:ラスリテック)
→適応:がん化学療法に伴う高尿酸血症。
警告:溶血性貧血あるいはメトヘモグロビン血症を起こ すおそれがあるので、症状が発現した場合、直ち に投与を中止し適切な処置を行うこと。
練習問題(参考:第109回薬剤師国家試験 問164)
次の文章の正誤を答えよ。
・ラスブリカーゼは、アラントインの生合成を阻害して、尿酸の分解を促進する。
【解答と解説】誤
ラストブリカーゼは、尿酸を酸化し、アラントインと過酸化水素に分解する
尿アルカリ化薬
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合薬
→代謝物のHCO3-が尿をアルカリ化する(pHを上げる)。
練習問題(参考:第109回薬剤師国家試験 問164)
次の文章の正誤を答えよ。
・クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを低下させて、尿路結石の形成を抑制する。
【解答と解説】誤
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合剤は、尿のpHを低下上昇させて、尿路結石の形成を抑制する。
病態
痛風と高尿酸血症の病態については、別ページのまとめましたので合わせて勉強される方は、そちらをご確認ください。
【備考】
フェブキソスタット(商:フェブリク)の特徴
・非プリン型キサンチンオキシダーゼ阻害薬。
・1日1回投与。
・軽度から中等度の腎機能低下例においても、投与量を調整する必要なし。
高尿酸血症の基準は、「血清尿酸値が7.0mg/dLを超えている」です。これを覚えるのに、友人に教えてもらった「高尿酸血症のアンラッキーセブン」で自分は覚えられたので、備考に書いておきます。
メトヘモグロビン血症は、メトヘモグロビンとは赤血球内のヘモグロビン中の核をなす2価の鉄イオンが酸化されて3価の鉄イオンになったものであり,酸素結合・運搬能力が失われた状態のことです。
メトヘモグロビン血症 参考:
http://www.jaam.jp/html/dictionary/dictionary/word/0413.htm
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