病態・薬物治療

【病態・薬物治療】関節リウマチ(RA) ゴロ・覚え方

今回は関節リウマチの病態・薬物治療についてまとめました。

関節リウマチの病態

概要

関節リウマチ(RA)は、多発関節炎を主徴とする進行性の全身性炎症性疾患である。関節滑膜に炎症が生じ、しだいに周囲の軟骨、骨が侵され、関節の破壊と変形が起こる。 関節リウマチは全身性疾患であるので、関節症状にとどまらず、全身症状やさまざまな 臓器病変(関節外症状)が起こり、リウマトイド因子(変性IgGのFc部分に対する自己抗体)が発現する全身性自己免疫疾患である。 30~50歳代に多く発症し、男女比は約 1:3と女性に多い。 HLAなどの遺伝的要因とウイルス感染などの環境因子が原因と想 定されている。

病態

関節リウマチの主な病変は関節の滑膜炎からはじまる。 炎症により滑膜細胞は増殖し、パンヌスとよばれる肉芽組織を形成する。パンヌスは増殖した滑膜、炎症細胞や血管から構成される組織で、軟骨や骨の破壊に重要な役割を果たす。増殖した滑膜細胞からは、IL-1、IL-6、TNF-α などの炎症性サイトカインが分泌され、炎症の活性化、滑膜細胞の増殖、破骨細胞の分化活性化など、関節リウマチの病態進行に大きく関与している。
また、滑膜表皮細胞から分泌されるマトリックスメタロプロテアーゼ (MMP-3)が活性化されて軟骨破壊を生じるとともに、 破骨細胞が活性化されて骨破壊を生じる。

症状

症状 特徴
関節の炎症・
腫脹・ 変形
初期症状は朝のこわばりで、 持続時間が病変の活動性の推定に役立つ
・病変は手指などの小関節から左右対称性・ 多発性に進行し、しだいに 肘、肩、股、膝頭などの大関節に及ぶ
・関節炎が長期間持続進行すると手指の尺側偏位やスワンネック変形、 ボタン穴変形、外反母趾など特徴的な関節の変形が生じる
・頸椎病変による末梢神経障害が起こることがある
関節の疼痛 ・最も多く見られる症状で、この痛みは運動によって悪化する
・関節痛の分布は炎症の分布と一致するが、必ずしも炎症の程度とは一 致しない
関節外症状 発熱、体重減少、全身倦怠感、易疲労感などの全身症状、 皮下結節(リウマトイド結節)、血管炎、眼症状、肺病変 (間質性肺炎*)などの多彩な症状が見られる。これらの症状は患者の生命予後に多大な影響を及ぼす
※関節リウマチ患者の約20%に認められる。

検査

関節リウマチの早期診断には抗CCP抗体や、 MMP、関節MRIが有用である。

●関節リウマチの検査

検査 特徴
<炎症所見>
・赤血球沈降速度亢進
・CRP 高値
活動性に応じて種々の炎症マーカーが高値を示す。これらの 所見は疾患活動性の指標として重要である
<生化学検査> ・リウマトイド因子性 (70~80%)
・抗 CCP 抗体陽性RA に高感受性、高特異性を示す
・MMP-3上昇RA で早期から上昇する血中の関節破壊マーカー
・抗核抗体陽性(リウマチ性疾準でしばしば陽性を示す)

(ゴロ)クリップちんこはすぐ炎上
「クリップ」CRP高値
「ちんこすぐ」赤血球沈降速度亢進
「炎上」炎症マーカー

(ゴロ)竜、町娘に「CCup交代、ドMと3P希望」
「竜町」リウマチリウマトイド因子陽性
「Ccup交代」抗CCP抗体陽性
「どMと3P」MMP-3上昇

関節リウマチの治療

治療目標は、関節リウマチの疾患活動性の低下及び関節破壊の進行抑制を介して、長期予後の改善、特にQOLの最大化と生命予後の改善を目指すことにある。 治療にあた ってはまず最初に関節リウマチの診断を行い、その時点で確実に病状の把握を行う。関節リウマチの治療は、①患者教育、安静、運動療法などの基礎療法、②薬物療法、③理学療法、④外科療法を病状、病期に応じて組み合わせて行うが、その中心は薬物療法である。
関節リウマチ診療ガイドラインでは、治療原則を以下のように示している。

治療原則
A. 関節リウマチ患者の治療目標は最善のケアであり、患者とリウマチ医の 協働的意思決定に基づかねばならない
B. 治療方針は、疾患活動性や安全性とその他の患者因子(合併病態、 関節破壊の進行など)に基づいて決定する
C. リウマチ医は関節リウマチ患者の医学的問題にまず対応すべき専門医である
D. 関節リウマチは多様であるため、 患者は作用機序が異なる複数の薬剤を必要とする。 生涯を通じていくつもの治療を順番に必要とするかもしれない
E. 関節リウマチ患者の個人的、医療的、社会的な費用負担が大きいことを、治療にあたるリウマチ医は考慮すべきである
[一般社団法人日本リウマチ学会(編) 関節リウマチ診療ガイドライン2020 診断と治療社, p.16より]

関節リウマチにおける骨破壊は、発症の比較的早期に起こるため、 早期治療により関節破壊を遅らせることが大切である。 現在の薬物療法は強力なDMARDsを早期から使用し、NSAIDs、少量の副腎皮質ステロイド性薬を補助的に用いることにより関節炎の進行を抑制する。
DMARDS は自己抗体の産生を抑制し、免疫複合体を減少させる作用をもつ。 効果発現は遅効性で効果発現までに1~6ヶ月かかるが、寛解する場合もある。また、効果 に個人差がある。
なお、DMARDsの中でもTNF-α 阻害薬の重篤な有害事象として、結核などの感染症がある。 生物学的製剤を使用する前には、 結核に関する十分な問診及び胸部レントゲン(X線)検査に加え、インターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、 適宜胸部CT 検査等を行うことにより、結核感染の有無を調べる必要がある。

関節リウマチ治療薬の薬理

薬理作用に関しては、ゴロと一緒に他のページにまとめておりますので、ぜひそちらを参考にしてください。

[薬理ゴロ]抗リウマチ薬今回は抗リウマチ薬の免疫抑制薬について、ゴロを中心に記事にしたいと思います。 なお、一般名の後ろに「商:」で記載しているのは商品名です...