病態・薬物治療

【病態・薬物治療】ネフローゼ症候群 ゴロ・覚え方

今回は泌尿器系の疾患であるネフローゼ症候群の病態・薬物治療についてゴロ・覚え方を交えてまとめます。

ネフローゼ症候群の病態

概要

ネフローゼ症候群は、大量のタンパク尿とこれに伴う低アルブミン血症(低タンパク血症) が必須で、二次的に高コレステロール血症や浮腫などの症状をもつ症候群である。 ネフローゼ症候群では、多くの場合に適切な治療を目的に腎臓の針生検が実施され、腎病理組織分類が行われる。

病態生理

タンパク尿

低アルブミン血症血漿膠質浸透圧低下浮腫

肝臓でのアルブミン合成亢進

アルブミン合成亢進の副反応としてリポタンパク質 (VLDL) 合成増加

LDL増加(高コレステロール血症)

分類

ネフローゼ症候群は、一次性(原発性)とその他の原因疾患に由来する二次性(続発性) に大別される。 一次性には、微小変化型、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症などがある。二次性には自己免疫疾患や代謝性疾患によるものがある。

●ネフローゼ症候群の分類

分類 特徴
微小変化型 小児のネフローゼ症候群の原因の大半を占める
膜性腎症 ・小児に比較して成人での発症が多い
・糸球体基底膜への免疫複合体の沈着により基底膜の肥厚が
認められる
巣状分節性系球体硬化症 ・糸球体の一部の巣状に結節状所見が見られる
・治療に対しては抵抗性を示す場合が多く、 約半数近くが腎 不全で透析を必要とする
糖尿病腎症 ・早期に微量アルブミン尿を認める
・糖尿病細小血管障害に起因する

症状

タンパク尿 (3.5g/日以上)が持続する
低アルブミン血症 (血清アルブミン値 3.0g/dL 以下、血清総タンパク量 6.0g/dL
以下も参考になる)
③浮腫: ② により血漿膠質浸透圧低下→水分の血管外への漏出→浮腫
④脂質異常症(高LDLコレステロール血症) :低アルブミン血症では肝臓でのリボタ
ンパク質合成が亢進するため、血中コレステロールが上昇する

このうち、タンパク尿 (3.5g/日以上)と低アルブミン血症(血清アルブミン値 3.0 g/dL以下)は診断の必須条件である。

(ゴロ)茶店へGO!ワンパクであるぶんさ
「茶店へGO」3.5
「わんぱく」タンパク尿
「あるぶん」低アルブ血症
「さ」3.0

 ネフローゼ症候群の治療

一般療法

食事療法:浮腫防止のため塩分制限 (3~6g/日)を行う。 タンパク質負荷による糸球体内圧上昇の危険性があるため、低タンパク食 (0.6~1g/kg/日)とする。

薬物治療

小児期ネフローゼ症候群の約90%は一次性(原発性)であり、その約80%は微小変化型である。 微小変化型の約90%以上の症例はステロイド療法によく反応し、開始後タンパク尿が減少し消失するが、約60%の症例に再発が見られる。 副腎皮質ステロイド性薬に抵抗性の頻回再発型ネフローゼ症候群に対しては、副腎皮質ステロイド性薬に免疫抑制薬を併用する。

●ネフローゼ症候群の治療薬

<副腎皮質ステロイド性薬>
プレドニゾロン(商:プレドニン、プレドニゾンロン)
・微小変化型に著効を示す
・腎炎改善やタンパク尿減少作用がある

<免疫抑制薬 >
シクロスポリン(商:サンディミュン、ネオーラル)
シクロホスファミド(商:エンドキサン)
ミゾリビン(商:プレディニン)
・副腎皮質ステロイド性薬抵抗例で副腎皮質ス テロイド性薬と併用する

<利尿薬>
フロセミド(商:ラシックス、オイテンシン(徐放))
・浮腫が著しい場合に用いられる
・急性期では GFR 低下や高カリウム血症が認められるため、 チアジド系 (GFR低下作用あり) や抗アルドステロン薬(副作用とし て高カリウム血症あり) は避ける

<HMG-CoA 還元酵素阻害薬>
シンバスタチン(商:リポバス)
プラバスタチン(商:メバロチン)
フルバスタチン(商:ローコール)※用法に夕食後の記載あり
アトルバスタチン(商:リピトール)
<小腸コレステロールトランスポーター 阻害薬>
エゼチミブ(商:ゼチーア)

・合併する脂質異常症(高LDLコレステロー ル血症)を改善する
・HMG-CoA 還元酵素阻害薬で効果不十分な 場合にはエゼチミブが併用される

今回青本をまとめていた感じた違和感!
ピタバスタチン(商:リバロ)とロスバスタチン(商:クレストール)がない(薬局ではめちゃめちゃ出るのに)!
推測ですが、ピタバスタチンやロスバスタチンは、免疫抑制薬シクロスポリンと併用禁忌。もしかしたらそれで青本からは外しているのかもしれません

<さらに深堀り>
フルバスタチン以外のスタチンは、標的臓器である肝臓にOATP1B1(別名 OATP2 )というトランスポーターを介して主に取り込まれている。ローコールも OATP1B1 の基質であるとの見解もあるが、その基質親和性は低いと考えられている。
シクロスポリンは OATP1B1 阻害薬である。そのため併用することで、フルバスタチン以外のスタチンは肝臓への取り込みが阻害され、血中濃度が大きく上昇してしまう。その結果、標的臓器に取り込まれなかったスタチンが血中に溢れ出し、筋症や横紋筋融解症のリスクになると考えられる。
そのため、シクロスポリンと合わせるスタチンはフルバスタチンが適しているとの考えもある。

参考:
https://fukuokashi-yakkyoku.info/wp-content/uploads/2017/03/1eae4abf86c48b61a9a3e0ff88b18d51.pdf

〈 抗血小板薬 >
ジピリダモール(商:ペルサンチン)
・ステロイド抵抗性を示す血尿やタンパク尿が 持続するネフローゼ症候群に用いる場合がある

練習問題

今回の練習問題は第107回薬剤師国家試験の問187です。

ネフローゼ症候群で、タンパク尿 (3.5g/日以上)と低アルブミン血症(血清アルブミン値 3.0 g/dL以下)は診断の必須条件のため、答えは3と4です