病態・薬物治療 PR

【病態・薬物治療】めまい(動揺病やメニエール病)

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今回は、油断していたらあまり勉強しないけど、薬局ではけっこう薬がでるめまいの病態・薬物治療についてまとめました。

めまいの病態

概要・分類

めまいは患者自身の自覚症状に従い、
目がぐるぐるとまわる状態(回転性めまい)
体がふわふわと揺れる状態(浮動性めまい)
眼前暗黒感・失神感のある状態 (失神性めまい)
に分類される。

さらに、病変部位により前庭性めまいと非前庭性めまいに分けられる。
1) 前庭性めまい : 内耳前庭から小脳に至る前庭神経系に障害のあるもの。さらにこのめまいは、前庭神経核を境として①末梢性めまいと ②中枢性めまいに分けられる。末梢性では回転性めまい、中枢性では非回転性めまいが多い。
①末梢前庭性めまい : 内耳の平衡感覚調節機能異常により生じる
・薬物中毒 (アミノグリコシド系抗菌薬、バンコマイシン、シスプラチン、 ループ 利尿薬など) 内耳疾患 (メニエール病 、 内耳炎)、 聴神経障害(耳性帯状疱疹)
② 中枢前庭性めまい
椎骨脳底動脈循環不全、脳幹の脳血管障害(脳梗塞 脳内出血、一過性脳虚血 発作)、薬物中毒 (フェニトイン、 カルバマゼピンなど)

2) 非前庭性めまい : 内耳前庭から小脳に至る前庭神経系以外に原因のあるもの。低血圧、貧血、低血糖、低酸素、心因性(心身症、うつ病など)

症状

末梢性めまい:前庭神経や半規管に依存した症状

中枢性めまい:脳疾患に起因するため、めまい以外に激しい頭痛や嘔吐、舌のもつれなどの神経症状を伴う。

めまい治療薬の薬理

●ジメンヒドリナート(商:ドラマミン)
・ジフェンヒドラミンと8-クロルテオフィリンの塩
・活性本体のジフェンヒドラミンによる H受容体遮断作用及び抗コリン作用を示す
・前庭刺激を減少させて迷路機能を抑制し、末梢性及び中枢性めまいを抑える
<適応>
動揺病 メニエール症候群に伴う悪心・嘔吐・眩暈

●dl-イソプレナリン(商:イソメニール)
非選択的B受容体刺激薬
・脳血管拡張作用及び心送血量増加作用 により脳循環改善作用を示す
・内耳血流改善作用と Na+,K+ポンプの亢進作用により、病的な内耳液の産生・
吸収機構を正常化する
<適応>
内耳障害に基づくめまい

●ジフェニドール(商:セファドール)
椎骨脳底動脈の血流を増加させ、左右の迷路機能のバランスを調整して、 めまい
を抑える
<適応>
内耳障害に基づくめまい

●ベタヒスチン(商:メリスロン)
微小循環改善作用により内耳の血流量を増加させるほか、 内耳毛細血管の透過性
を調節して内リンパ水腫を除去する
<適応>
メニエール病 メニエール症候群、眩量症に伴うめまい、めまい感

●イソソルビド(商:イソバイド)
体内でほとんど代謝を受けないため、濃厚液を大量に投与すると組織中の水分を血液中に移動させる。尿細管で再吸収されないため、尿細管腔内の浸透圧が上昇し、水の再吸収が抑制される。その結果、電解質及び水の排泄が増加し、組織中の水分量が減少するため、頭蓋内圧や眼圧、及び内リンパ圧が低下する
<適応>
脳腫瘍、頭部外傷に起因する脳圧亢進時の脳圧降下、腎・尿管結石時の利尿、緑内障の眼圧低下、メニエール病

動揺病 (乗り物酔い)の病態

症状

漠然とした腹部不快感を伴う悪心・嘔吐、めまい、蒼白、発汗及び関連症状を含む症
候群である。

予防

ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミンを乗り物に乗る約30分前に服用する。

メニエール病の病態

概要

内リンパ水腫(内耳リンパ液の増加)など、内耳迷路の過大刺激により、 反復性の回転性めまいが起こり、 耳鳴りや難聴などの随伴症状を伴い、繰り返される。ストレス、自律神経障害、血行障害、睡眠不足などが発症に関与するといわれている。

症状

発作初期には体動時、眼振や悪心・嘔吐を伴う ・末梢性回転性めまい, 低音障害型難聴、耳鳴り、耳閉感

練習問題

今回の練習問題は107回薬剤師国家試験の問190です。

1は、ウイルス感染とかではないので誤り
2は、正しい
3は、内リンパのため誤り
4は、正しい
5は、内耳のため誤り