この前、カプトプリル(商:カプトリル)が1日だけ処方されている患者さんがいました。
話を伺うと、「ホルモンが原因で高血圧になっているかもしれないので、その検査をするのに使います。検査当日に持ってくるよう言われました」とのことでした。
この件に関して調査した内容を書きたいと思います。
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「カプトプリル 高血圧 検査」でネット検索すると、すぐ出てきました。
原発性アルドステロン症(以下、PA)の確定診断試験であり、
方法・判断としては、「安静仰床で採決を行う試験、カプトプリル50mgの内服を行い、90分(または60分)後の血症アルドステロン濃度と血漿レニン活性の比(ARR)>200であればPAと診断」するようです。
(参考:原発性アルドステロン症の適切な診断と治療のために)
【原発性アルドステロン症(PA)とは?】
処方意図は、分かりましたがせっかくなのでPAについても調べました。
PAは、副腎球状層の過形成あるいは腺腫から過剰に分泌されたアルドステロンが腎臓の集合管に作用してNaの再吸収を促進させ、体液量が増加して高血圧が発症するもの。高血圧患者の5~10%と推定され、治療抵抗性高血圧患者の20%は本症と考えられている。
PA患者さんは本態性高血圧患者さんと比較して心筋梗塞、狭心症や心房細動のような心疾患、脳出血や脳梗塞のような脳心血管障害の相対危険度が高く、腎障害も起こしやすい。
低K血症を伴う高血圧患者でのPAのスクリーニングは必須である。
なお、低K血症の早期発見のポイントとして、「手足のだるさ、ツッパリ感、こわばり」がみられ、これらに加えて「力が抜ける感じ、筋肉痛」などが現れたら低K血症を疑う必要があります。
【PAの治療薬】
片側のアルドステロン産生腺腫(APA)がある場合は、切除手術の適応となるそうです。
片側のAPAが確認できない場合、薬物治療を選択するのが原則。PAの薬物治療にはスピロノラクトン(商:アルダクトンA)、エプレレノン(商:セララ)、トリアムテレン(商:トリテレン)等のいわゆるK保持性利尿薬を用いる。
降圧力や血清K上昇作用は、スピロノラクトン>エプレレノン
しかし、エプレレノンやトリアムテレンは、性ホルモンの副作用(女性化乳房、月経不順、陰萎など)が少ないというメリットがある。
しかし、K保持性利尿薬単独で十分な降圧が得られないときは持続性Ca拮抗薬、ACE阻害薬、ARBを併用し、十分な降圧を行うことが重要である。
【せっかくなので、副腎皮質ホルモンのまとめ】
薬剤師国家試験対策として、副腎皮質と副腎髄質のホルモンを簡単にまとめておきたいと思います。
●副腎皮質の球状層→鉱質コルチコイド(例:アルドステロン)
●副腎皮質の束状層→糖質コルチコイド(いわゆるステロイドホルモン)
●副腎皮質の網上層→副腎性アンドロゲン(例:デヒドロエピアンドロステロン)
※アンドロゲンは男性ホルモンのこと。ただし、テストステロンは精巣で産生されるので注意。
アステラスHP(副腎性アンドロゲンの具体例の参考)
https://www.astellas.com/jp/health/healthcare/prostatecancer/preliminary03.html
参考:
原発性アルドステロン症の診断 -最新のコンセンサスステートメントより-
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaesjsts/35/1/35_2/_pdf/-char/en
原発性アルドステロン症の適切な診断と治療のために
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/103/4/103_886/_pdf
低K血症(医薬品医療機器総合機構)
https://www.pmda.go.jp/files/000224788.pdf