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ステロイド外用薬のランクとその使い分け

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皮膚科でよく処方されるステロイド外用薬で、ステロイドのランクがあることは知っていますが、どの薬剤がどのランクに該当するか、またその使い分けについて知らないことが多いと感じ、今回まとめました。

【ステロイド外用薬 ランク一覧】

先:先発品 後:後発品
<ストロンゲスト>
●クロベタゾールプロピオン酸エステル0.05%
(先:デルモベート 後:マイアロン、グリジール、ソルベガなど)
●ジフロラゾン酢酸エステル0.05%
(先:ジフラール、ダイアコート 後:アナミドール、カイノチームなど)

<ベリーストロング>
●ベタメタゾンジプロピオン酸エステル0.064%
(先:リンデロン-DP 後:ダイプロセルなど)
●ジフルプレドナート0.05%
(先:マイザー 後:スチブロンなど)
●フルオシノニド0.05%
(先:トプシム 後:グリコベース、シマロン)
●ジフルコルトロン吉草酸エステル0.1%
(先:ネリゾナ、テクスメン 後:アルゾナ
●アムシノニド0.1%
(先:ビスダーム)
●酪酸プロピオン酸ヒドロコルチゾン0.1%
(先:パンデル 後:イトロン、ハーユロン)
●ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル0.05%
(先:アンテベート 後:アンフラベートなど)
●モメタゾンフランカルボン酸エステル0.1%
(先:フルメタ 後:マイセラなど)

<ストロング>
●デキサメタゾンプロピオン酸エステル0.1%
(先:メサデルム 後:メインベート、プロメタゾンなど)
●ベタメタゾン吉草酸エステル0.12%
(先:ベトネベート、リンデロン-V 後:デルモゾールなど)
●ベクロメタゾンプロピオン酸エステル0.025%
(先:ベクラシン)
●デキサメタゾン吉草酸エステル0.12%
(先:ザルックス、ポアラ)
●フルオシノロンアセトニド0.025%
(先:フルコート)
●デプロドンプロピオン酸エステル0.3%
(先:エクラー 後:アロミドン)

<マイルドもしくはミディアム>
●プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル
(先:リドメックス 後:スピラゾンなど)
●トリアムシノロンアセトニド0.1%
(先:レダコート 後:トリシノロン、ノギロン)
●ヒドロコルチゾン酪酸エステル0.1%
(先:ロコイド 後:アボコート)
●クロベタゾン酪酸エステル0.05%
(先:キンダベート 後:パルデス、キングローン、キンダロンなど)
●アルクロメタゾンプロピオン酸エステル0.1%
(先:アルメタ 後:タルメア、ビトラ)
●デキサメタゾン0.05%
(後:オイラゾン、デキサメサゾン)

<ウィーク>
●プレドニゾロン0.5%
(先:プレドニゾン「テイコク」)
●ヒドロコルチゾン
(先:テラ・コートリル)

このランクから、患者さんの薬が変わったときに、患部の状態が良くなったもしくは改善しなかったなどの予測ができ、投薬時にスムーズな薬剤変更経緯の確認と変更された薬の妥当性の判断に便利です。

【皮疹の重症度でステロイド外用薬を使い分ける】

アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版(以下、ガイドライン)では、「ステロイド外用薬の選択は、個々の皮疹の重症度により決定される」とある。
皮疹の重症度のステロイド外用薬の選択としては、
重症(高度の腫脹/浮腫/湿潤ないし苔癬化を伴う紅斑、丘疹の多発、高度の鱗屑、痂皮の付着、小水疱、びらん、多発の搔破痕、痒疹結節などを主体とする)
→必要かつ十分な効果を有するベリーストロングないしストロングクラスのステロイド外用薬を第一選択とする。痒疹結節ではベリーストロングでも十分な効果が得られない場合は、その部位を限定してストロンゲストクラスを選択して使用することもある。

中等症(中等度までの赤斑、鱗屑、少数の丘疹、搔破痕などを主体とする)
ストロングないしミディアムクラスのステロイド外用薬を第一選択とする。

軽症(乾燥および軽症の紅斑、鱗屑などを主体とする)
ミディアムクラス以下のステロイド外用剤を第一選択とする。

●軽微(炎症症状に乏しく乾燥症状を主体とする)
→ステロイドを含まない外用薬を選択する

ただし、ガイドラインには「重症度判定はその判断を下し、さらには治療効果を予測しうるだけの皮膚科診療技能を有する医師によってなされなければならない」とあります。
これは、アトピー性皮膚炎に関する文章であるが、その他の皮膚炎などでも、なかなか薬剤師では症状からの適切な薬剤判断は難しいかもしれません。ただし。OTC販売では、どの塗り薬がいいか聞かれることが多いので、自分の見解をもっておくことは大切と思われます。

【塗布部位でステロイド外用剤を使い分ける】

顔面や頸部などは、高い薬剤吸収性をもち、ステロイド外用薬による局所副作用の発生に特に注意が必要な部位であるため、長期連用しないように注意する、
原則としては、ミディアムクラスの以下のステロイド外用薬を使用する。しかし、重症の皮膚炎に対しては、重症度に応じた薬剤を用いる。

これならば、患者さんの部位を確認さえできれば明確に判断できるため、アトピー性皮膚炎に限らず皮膚炎であれば、安全性の面からOTC販売などの際には、顔や首であればミディアムクラス以下を勧める根拠になると思います。
ただし、OTCのステロイド外用薬の多くは、医療用の半分濃度であり、今回のランクに該当するとも言い切れないが、安全面からメディアムクラス以下を使用するので半分濃度のものを使用しても大きな問題ではないと思います。

個人的な見解にはなりますが、OTC販売時に皮膚炎(化膿を伴わない)の患者さんからどの薬を使用すればいいか聞かれた場合には、顔・首はメディアムクラス、それ以外ならストロングクラスを勧め、3日4日使用し改善しない場合には受診を勧めるというのが現在の自分の限界かと考えています。

【副作用】

<全身性>
強いステロイド外用薬の外用で一部の症例に副腎機能抑制が生じたとする報告がある。弱いステロイド外用薬の使用例では副腎機能抑制、成長障害などは認められていない。
適切に使用すれば、全身的な副作用は少なく安全性は高い

<局所性>
皮膚萎縮、毛細血管拡張、ステロイド座瘡、ステロイド潮紅、多毛、皮膚萎縮線条などが時に生じうるが、皮膚萎縮線条を除いて多くは中止あるいは適切な処置で軽快する。

参考:
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopicdermatitis_guideline.pdf

今日の治療薬2018年版