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ピロリ菌の1次除菌と2次除菌  禁酒理由の違い

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ピロリ菌の1次除菌と2次除菌でお酒を控える理由の違いをまとめたいと思います。

ピロリ菌の1次除菌(以下の3つ併用)>1日2回、7日間
・プロトンポンプインヒビター
・アモキシシリン:1500mg/日
クラリスロマイシン:400mg/日もしくは800mg/日
※パック商品:
ランサップ[PPIがタケプロン(成分:ランソプラゾール)]
ラベキュア[PPIがパリエット(成分:ラベプラゾール)]
ボノサップ[PPIがタケキャブ(成分:ボノプラザン)]

ピロリ菌の2次除菌(以下の3つ併用)>1日2回、7日間
・プロトンポンプインヒビター
・アモキシシリン:1500mg/日
メトロニダゾール:500mg/日
※パック商品
ランピオン[PPIがタケプロン(成分:ランソプラゾール)]
ラベファイン[PPIがパリエット(成分:ラベプラゾール)]
ボノピオン[PPIがタケキャブ(成分:ボノプラザン)]

パック商品名はPPIの成分名の頭2文字が共通のようです

違いとしては、抗生物質のクラリスロマイシンとメトロニダゾールです。
この2つの添付文書を見てみると、
※メトロニダゾールはフラジール内服錠250mg、クラリスロマイシンはクラリス錠200を確認。

メトロニダゾールの添付文書の3.相互作用 併用注意のアルコールの記載があります。
クラリスロマイシンは特にありません。
メトロニダゾールでの記載を要約すると
本剤はアルコールの代謝過程においてアルデヒド脱水素酵素を阻害し,血中アセトアルデヒド濃度を上昇させることにより、腹部の疝痛,嘔吐,潮紅があらわれることがあるので,投与期間中は飲酒を避けること。」
クラリスロマイシンの添付文書にはこの記載はありません

ピロリ菌除菌では、胃内pHを上げた方が抗菌薬の効果が強く発揮されます。しかし、飲酒は胃酸分泌を促し、胃内pHを下げてしまうため、1次除菌でも基本的には禁酒するよう説明します。

しかし、2次除菌では、メトロニダゾールが飲酒による悪い影響を強める可能性があるため、しっかりと禁酒するよう説明する必要があります。

<新しい疑問>
記事にしていて、新しい疑問が出てきました。
1次除菌のクラリスロマイシンに関して、用量が2パターンあります。
しかし、ピロリ除菌は効かなかったら増量とかないので、どういう使い分けがあるのでしょうか?

ラベキュアのIFを確認すると、
使用成績調査の有効性解析において、クラリスロマイシン400mg服用群と800mg服用群において、除菌に関して有意な差は認められなかったとあります。
また、副作用発現症例率に影響を及ぼす患者因子に「クラリスロマイシン800mg服用群」が認められたとあります。
ならば、800mgは副作用リスクがあるだけで、使いどころは無いのでは?

参考:ラベキュアIF
http://www.info.pmda.go.jp/go/interview/1/170033_6199102X1024_1_014_1F

調査した結果、自分では根拠となる情報は見つけられませんでしたが、
あるサイト(以下に参考サイトのリンクあり)に、「喫煙者の場合、クラリスロマイシン高用量の方が除菌率は高い」という情報がありました。

今後はクラリスロマイシン高用量の症例では患者情報を確認したいと思います。

参考サイト
http://ph-minimal.hatenablog.com/entry/2015/04/16/002031


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