病態・薬物治療

【病態・薬物治療】関節リウマチ 要点まとめ

今回は関節リウマチについてです。

関節リウマチ(以下、RA)は、
関節炎を主徴とする慢性炎症性疾患
・肺など多臓器にも病変が波及しうる全身性疾患でもある。
・関節炎が遷延すれば関節が破壊されることにより重篤な機能障害を呈して,著しいQOLの低下をきたす。
・さらに,RAが進行すれば,肺などの臓器病変やアミロイドーシスの出現・進行,感染症や心血管病変の合併などによって生命予後も悪化する。

RAの主病変は滑膜炎であり,関節痛やこわばりなどの臨床症状を呈するが,滑膜炎が持続することにより破骨細胞の活性化による関節破壊と,マトリックスメタロプロテアーゼなどの過剰産生による軟骨破壊が生じ,最終的に関節変形に至る。

症状

最初は
・両方の手や足の指の関節が対称的に腫れて、とくに朝こわばるようになる。
・また、人によっては膝関節や股関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。

どの年代でもおこりますが、特に30~40歳代の女性に多く発症します。軽症の人もいれば重症の人もいて症状も多彩です。
早めの診断・治療が必要です。

関節リウマチは、関節だけの病気ではなく全身病ですので、貧血症状がでたり、体がだるくなったり、微熱がでることもあり、こうなると症状が悪化します。
全身の関節に進行していく病型の患者さんの場合、指や手首の関節が破壊され、指が短くなったり、関節が脱臼して強く変形することがあります。足のゆびにも変形がおこります。
全身の関節に進行していく病型の患者さんの場合、一番こわいのは、首の一番上の部分で背骨が前にずれてしまい、脊髄が圧迫され、手足が麻痺したり、呼吸がしにくくなる場合があることです。

関節リウマチの診断で使う検査値

リウマトイド因子(RF)
リウマチ患者の80%程度は陽性になる。ただし、健常人でも約5%程度、シェーグレン症候群や全身性エリテマトーデスでも陽性となる

抗CCP抗体(抗環状シトルリン化ペプチド抗体)
→炎症を起こした滑膜にあるシトルリン化ペプチドに対する自己抗体。

血清CRP(C反応性蛋白)
→炎症マーカーの1つ。リウマチでは増加する。

赤沈
→試験管内の赤血球の沈む速度。炎症があると沈むやすいので、沈降速度が亢進する。

治療方針

1:基本は、メトトレキサート(MTX)が禁忌でなければ第一選択薬である。
メトトレキサートの禁忌
・妊婦および授乳婦 ・本剤の成分に過敏症 ・骨髄抑制のある方 ・慢性肝疾患
・腎障害 ・胸水、腹水などのある方 ・活動性結核

2:MTX禁忌の場合は、従来型抗リウマチ薬(効果不十分の場合は併用していく)
※1や2の治療に低用量ステロイドの併用も考慮される。

3:上記治療で6ヶ月以内に治療を目標に達成されない場合には、生物学的製剤やJAK阻害薬などが考慮されていく。

治療薬

従来型抗リウマチ薬

→自己抗体の産生を抑制し、免疫複合体を減少させる作用をもつ
●メトトレキサート(商:リマトレックス)
●タクロリムス(商:プログラフ)
●イグラチモド(商:ケアラム)
●サラゾスルファピリジン(商:アザルフィジンEN)
●ブシラミン(商:リマチル)
●レフルノミド(商:アラバ)

生物学的製剤

【TNFα阻害薬】
●インフリキシマブ(商:レミケード)
●エタネルセプト(商:エンブレル)
●アダリムマブ(商:ヒュミラ)
●セルトリズマブ ペゴル(商:シムジア)
●ゴリムマブ(商:シンポニー)

(ゴロ)とあるアダムがゴリゴリに競(せ)っとる、インターセプト
「とある」TNFα阻害薬
「アダム」アダリムマブ(商:ヒュミラ)
「ゴリゴリ」ゴリムマブ(商:シンポニー)
「競っとる」セルトリズマブ(商:シムジア)
「インター」インフリキマシブ(商:レミケード)
「セプト」エタネルセプト(商:エンブレル)
※注意:アバタセプトとはしっかり区別をつけておきましょう。

【IL-6阻害薬】
●トシリズマブ(商:アクテムラ)
●サリルマブ(商:ケブザラ)

(ゴロ)さりげなく都市のリズムと音色はロック
「さりげ」サリルマブ(商:ケブザラ)
「都市のリズム」トシリズマブ(商:アクテラム)
「音色はロック」IL-6阻害薬

【T細胞選択的共刺激調整剤】
●アバタセプト(商:オレンシア)

(ゴロ)アバターは定時の教師
「アバター」アバタセプト(商:オレンシア)
「定時の教師」抗原提示細胞の共刺激シグナルを阻害し、T細胞の活性化やサイトカインの産生を抑制する。

JAK阻害薬

●トファシチニブ(商:ゼルヤンツ)
●バリシチニブ(商:オルミエント)

(ゴロ)JALバリ・シチリアに飛ぶし
「JAL」JAK阻害薬
「バリ・シチリア」バリシチニブ(商:オルミエント)
「飛ぶし」トファシチニブ(商:ゼルヤンツ)

続けて抗リウマチ薬の薬理を勉強する

参考:関節リウマチ診療ガイドライン2014
https://minds.jcqhc.or.jp/n/med/4/med0064/G0000706/0011

関節リウマチの診療マニュアル(改訂版) 診断のマニュアルとEBMに基づく治療ガイドライン
http://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/common_box/publications/guideline.html