糖尿病治療薬を詳しく勉強したい薬剤師・薬学部生向けに
・糖尿病治療のエッセンス 2022年版
を参考に糖尿病の治療目標・コントロール指標まとめています。
暗記が苦手な薬学部生にみてほしい。
薬学部では勉強量が多く時間が足りないと感じることが多い
でしょう。ゴロはキーワードに強引に意味を与えるので、ハマれば暗記も早いし忘れにくい。
だから、勉強時間の短縮に役立つ!!
しかし、1つ1つスマホで調べていたら大幅なタイムロスです。
そこで、ブログの薬理ゴロを収集して紙ベース(フルカラー)にしました。
より効率的に勉強して、別分野の勉強時間や趣味の時間をつくりましょう。
Time is money! お金で時間を買ってください。
しかも当ブログなら購入前にゴロを確認でき、自分に合っているか否かを試せます。
多くのゴロでビビッとフィーリングが合えば、紙ベースをオススメします。
治療目標
血管合併症の発症、進展を阻止するとともに、併存症の予防・管理、アドボカシー活動などを通じて、糖尿病患者が糖尿病のない人と変わらない寿命、QOLを実現できることを目的とする。
コントロール指標
●治療目標を達成するためには、血糖とともに、体重、血圧、血清脂質の良好なコントロールの維持が重要である。
●血糖コントロールの目標は、個々の症例の特性を考慮して個別に設定するとくに高齢者では、認知機能やADL、使用している薬剤に留意する。
血糖コントロール目標
コントロール目標値注4) | |||
目標 | 血糖正常化を 目指す際の目標注1) |
合併症予防 のための目標注2) |
治療強化が困難な 際の目標注3) |
HbA1c(%) | 6.0未満 | 7.0未満 | 8.0未満 |
治療目標は年齢、罹病期間、臓器障害、低血糖の危険性、サポート体制などを考慮して個別に設定する。
注1)適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法中でも低血糖などの副作用なく達成可能な場合の目標とする。
注2)合併症予防の観点からHbA1cの目標値を7%未満とする。対応する血糖値としては、空腹時血糖値130mg/dL未満、食後2時間血糖値180mg/dL未満をおおよその目安とする。
注3)低血糖などの副作用、その他の理由で治療の強化が難しい場合の目標とする。
注4)いずれも成人に対しての目標値であり、また妊娠例は除くものとする。
日本糖尿病学会編著糖尿病治療ガイド2022-2023、34頁、文光堂、2022より
調剤薬局で投薬していると、医師に「HbA1cは7%を切るのを目指しましょう」と言われている患者さんが多くおられます。
7%を目指すのは、合併症を予防するというしっかりとした理由があるため、もしそれを理解していない患者さんがいれば、7%を切る理由を説明することは患者さんのアドヒアランス向上に繋がるかも・・
高齢者糖尿病の血糖コントロール目標(HbA1c値)
患者の特徴・ 健康状態注1) |
カテゴリーⅠ
①認知機能正常 |
カテゴリーⅡ
①軽度認知障害~軽度認知症 |
カテゴリーⅢ ①中等度以上の認知症 または ②基本的ADL低下 または ③多くの併存疾患や機能障害 |
||
重症低血糖が危惧される薬剤(インスリン製剤、SU薬、グリニド薬など)の使用 | なし 注2) |
7.0%未満 | 7.0%未満 | 8.0%未満 | |
あり 注3) |
65歳以上 75歳未満7.5%未満 (下限6.5%) |
75歳以上
8.0%未満 |
8.0%未満 (下限7.0%) |
8.0%未満 (下限7.0%) |
治療目標は、年齢、罹病期間、低血糖の危険性、サポート体制などに加え、高齢者では認知機能や基本的ADL、手段的ADL、併存疾患なども考慮して個別に設定する。ただし、加齢に伴って重症低血糖の危険性が高くなることに十分注意する。
注1)認知機能や基本的ADL(着衣、移動、入浴、トイレの使用など)、手段的ADL(IADL買い物、食事の準備、服薬管理、金銭管理など)の評価に関しては、日本老年医学会のホームページ(https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/)を参照する。エンドオブライフの状態では、著しい高血糖を防止し、それに伴う脱水や急性合併症を予防する治療を優先する。
注2)高齢者糖尿病においても、合併症予防のための目標は7.0%未満である。ただし、適切な食事療法や運動療法だけで達成可能な場合、または薬物療法の副作用なく達成可能な場合の目標を6.0%未満、治療の強化が難しい場合の目標を8.0%未満とする。下限を設けない。カテゴリーⅢに該当する状態で、多剤併用による有害作用が懸念される場合や、重篤な併存疾患を有し、社会的サポートが乏しい場合などには、8.5%未満を目標とすることも許容される。
注3)糖尿病罹病期間も考慮し、合併症発症進展阻止が優先される場合には、重症低血糖を予防する対策を講じつつ、個々の高齢者ごとに個別の目標や下限を設定してもよい。65歳未満からこれらの薬剤を用いて治療中であり、かつ血糖コントロール状態が図の目標や下限を下回る場合には、基本的に現状を維持するが、重症低血糖に十分注意する。グリニド薬は、種類使用量血糖値等を勘案し、重症低血糖が危惧されない薬剤に分類される場合もある。
【重要な注意事項】糖尿病治療薬の使用にあたっては、日本老年医学会編「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン」を参照すること。薬剤使用時には多剤併用を避け、副作用の出現に十分に注意する。
日本老年医学会日本糖尿病学会編著:高齢者糖尿病診療ガイドライン2017、
46頁、南江堂、2017より
その他のコントロール指標
●目標体重の維持: BMI 22~25
●血圧:130/80mmHg未満 (家庭血圧で125/75mmHg未満)
●LDLコレステロール: 120mg/dL未満 (末梢動脈疾患、網膜症、 腎症、神経障害
合併時,または喫煙ありの場合は100mg/ dL未満を考慮し、 冠動脈疾患またはアテローム血栓性脳梗塞の既往がある場合は70mg/dL未満を考慮する)
●HDLコレステロール:40mg/dL以上
●中性脂肪: 150mg/dL未満 (空腹時)、175mg/dL未満(随時)
●non-HDLコレステロール 150mg/dL未満 (高リスク病態ではLDLコレステロールの管理目標値に30mg/dLを加えた値を考慮する)
注)目標BMIは年齢により異なり、下記を目標とするが目標BMIを下回っても積極的に体重増加を図らなくてよい。
65歳未満:目標BMI=22
65歳以上:目標BMI=22~25
LDLコレステロールは、以下のFriedewaldの式で計算する、または直接法を用いる。
LDLコレステロール=総コレステロールHDLコレステロール中性脂肪/5
ただし空腹時の中性脂肪値が400mg/dL以上、および食後採血の場合は、non-HDLコレステロール(=総コレステロールHDLコレステロール)か直接法を用いる。
★まだ時間のある人は他のゴロも探してみてください★