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GLP-1受容体作動薬 特徴まとめ

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糖尿病治療薬を詳しく勉強したい薬剤師・薬学部生向けに
糖尿病標準診療マニュアル2022(以下マニュアル)
糖尿病診療ガイドライン(以下ガイドライン)
を参考に糖尿病治療薬の情報をまとめています。

今回はGLP-1受容体作動薬になります。


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GLP-1受容体作動薬の特徴

成分として
<注射製剤>
・リラグルチド(商:ビクトーザ):主要心血管イベントの発症を有意に抑制
・エキセナチド(商:バイエッタ):
・リキシセナチド(商:リキスミア)
・徐放型エキセナチド(商:ビデュリオン):1回注/週
・デュラグルチド(商:トルリシティ)1回注/週日本の承認用量を超えたデュラグルチドが主要心血管イベントや複合腎イベントの発症を有意に抑制
・セマグルチド(商:オゼンピック):1回注/週マニュアル2019に記載なし
<経口製剤>
・セマグルチド(商:リベルサス)マニュアル2019に記載なし
などがある。

「オゼンピック」が心血管系リスク低下を適応として米国で承認。経口セマグルチドの「リベルサス」の心血管系への安全性も確認
(参考:糖尿病リソースガイド:https://dm-rg.net/news/2020/01/020270.html

ということで、マニュアルに記載されていないこの2つの薬剤も心血管系へのリスク低下もしくは安全性が確認されている

●DPP-4阻害薬と同様に血糖値に依存して食後のインスリン分泌を促進するとともにグルカゴン分泌を抑制する。

空腹時および食後の高血糖を改善し、単独投与では低血糖のリスクは少ないが、SU薬やインスリン製剤との併用で低血糖の発症頻度が増加するので、併用する場合はSU薬やインスリン製剤の減量を検討する必要がある。

●また、内因性のインスリン分泌が低下している症例でのインスリンからの切り替えは高血糖をもたらすリスクがある。

●メタ解析では対照群と比較して、HbA1c改善および体重増加の抑制が認められた。この体重増加抑制効果には、GLP-1受容体作動薬の食欲抑制作用が関与している可能性がある

●また、短期作用型のGLP-1受容体作動薬(エキセナチド、リキシセナチド)は食後高血糖の改善効果が優れている可能性が示されている。しかしながら、短期作用型と長期作用型で体重減少に関する差は認めていない

リキシセナチド、リラグルチドとデュラグルチド(1回注/週)はインスリン治療との併用が保険で認められており、それぞれ、基礎インスリンあるいは強化インスリン治療中の患者に追加した場合にも、血糖コントロールの改善を認めている

●経口血糖降下薬で十分な血糖コントロールが達成できていない2型糖尿病患者へのリラグルチド、徐放型エキセナチドあるいはデュラグルチド(1回注/週)の追加は、同様の注射製剤であるインスリングラルギンを追加した場合の血糖改善効果と非劣性あるいは優性であることが示されている。デュラグルチド(1回注/週)とリラグルチドの比較では、血糖改善効果や副作用の発症頻度に関して有意な差がないことが報告された。しかしながら、リラグルチドに比較してデュラグルチド(1回注/週)あるいは徐放型エキセナチド(1回注/週)では、患者報告アウトカムにおける利便性、融通性や継続性が高く、注射の遵守率が高いことも示されている

GLP-1受容体作動薬の副作用として消化器症状(悪心・吐き気など)があげられる。胃腸障害の発現を軽減するため、低用量より投与を開始し、用量の漸増を行うことが必要であると考えられる。

●心血管イベント発症リスクの高い患者を対象にした大規模試験で、リキシセナチド、および徐放型エキセナチド製剤はプラセボと比較して大血管症の発症に関して非劣性であることが確認されている。さらには、プラセボに比較してリラグルチドや日本の承認用量を超えたデュラグルチドは、主要心血管イベントの発症を有意に抑制することが報告されている。これらの試験では、リキシセナチド、リラグルチドやデュラグルチドは消化器症状を増加させたものの、安全性が高いことも確認された。同様に、メタ解析ではプラセボに比較してGLP-1受容体作動薬が、主要心血管イベントの発症を有意に抑制し、膵癌や膵炎の発症リスクを増加させないことが報告されている。また、日本の承認用量を超えたデュラグルチドが複合腎イベントの発症を有意に抑制する可能性も示唆された。動物実験の成績からは、膵β細胞に対する保護効果が期待され、2型糖尿病患者においても、その作用を認める可能性が示唆されているが、今後の十分な検証が必要である

各GLP-1受容体作動薬の基本情報

リラグルチド(商:ビクトーザ)添付文書抜粋

効能又は効果

2型糖尿病

用法及び用量

通常、成人には、リラグルチド(遺伝子組換え)として、0.9mgを維持用量とし、1日1回朝又は夕に皮下注射する。ただし、1日1回0.3mgから開始し、1週間以上の間隔で0.3mgずつ増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減し、1日0.9mgで効果不十分な場合には、1週間以上の間隔で0.3mgずつ最高1.8mgまで増量できる

用法及び用量に関連する注意

・本剤は、1日1回朝又は夕に投与するが、投与は可能な限り同じ時刻に行うこと。
胃腸障害の発現を軽減するため、低用量より投与を開始し、用量の漸増を行うこと。
・良好な忍容性が得られない患者では減量を考慮し、さらに症状が持続する場合は、休薬を考慮すること。1~2日間の減量又は休薬で症状が消失すれば、減量前又は休薬前の用量の投与を再開できる。

手技の簡単なまとめ

参考:https://pro.novonordisk.co.jp/content/dam/hcpexperience/jp/ja/documents/download-materials/Victoza_HowtoUse_Digest_JP.pdf.coredownload.inline.pdf

デュラグルチド(商:トルリシティ)添付文書抜粋

効能又は効果

2型糖尿病
本剤の適用は、あらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。

用法及び用量

通常、成人には、デュラグルチド(遺伝子組換え)として、0.75mgを週に1回、皮下注射する。

用法及び用量に関連する注意

・本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が3日間(72時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が3日間(72時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも3日間(72時間)以上間隔を空けること。

セマグルチド(商:オゼンピック)添付文書抜粋

効能又は効果

2型糖尿病

用法及び用量

通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として週1回0.5mgを維持用量とし、皮下注射する。ただし、週1回0.25mgから開始し、4週間投与した後、週1回0.5mgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、週1回0.5mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、週1回1.0mgまで増量することができる

用法及び用量に関連する注意

・本剤は週1回投与する薬剤であり、同一曜日に投与させること。
投与を忘れた場合は、次回投与までの期間が2日間(48時間)以上であれば、気づいた時点で直ちに投与し、その後はあらかじめ定めた曜日に投与すること。次回投与までの期間が2日間(48時間)未満であれば投与せず、次のあらかじめ定めた曜日に投与すること。なお、週1回投与の定めた曜日を変更する必要がある場合は、前回投与から少なくとも2日間(48時間)以上間隔を空けること。

手技の簡単なまとめ

https://pro.novonordisk.co.jp/content/dam/hcpexperience/jp/ja/documents/download-materials/Ozempic-2mg-how-to-use-correctly-digest.pdf.coredownload.inline.pdf

経口セマグルチド(商:リベルサス)添付文書抜粋

効能又は効果

2型糖尿病

用法及び用量

通常、成人には、セマグルチド(遺伝子組換え)として1日1回7mgを維持用量とし経口投与する。ただし、1日1回3mgから開始し、4週間以上投与した後、1日1回7mgに増量する。なお、患者の状態に応じて適宜増減するが、1日1回7mgを4週間以上投与しても効果不十分な場合には、1日1回14mgに増量することができる

用法及び用量に関連する注意

・本剤の吸収は胃の内容物により低下することから、本剤は、1日のうちの最初の食事又は飲水の前に、空腹の状態でコップ約半分の水(約120mL以下)とともに3mg錠、7mg錠又は14mg錠を1錠服用すること。また、服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避けること。分割・粉砕及びかみ砕いて服用してはならない。
本剤14mgを投与する際には、本剤の7mg錠を2錠投与することは避けること。
→(インタビューフォームの解説)本剤は胃で崩壊・吸収され、吸収は錠剤表面の周辺部に限定されることから、SNACの投与量の差異、及び物理的に2つの錠剤が胃内に存在することが本剤の吸収に影響を及ぼす可能性がある。本剤の1回の投与で複数錠を患者に服用させるような処方は避けること。
投与を忘れた場合はその日は投与せず、翌日投与すること。

参考

糖尿病診療ガイドライン2019(http://www.fa.kyorin.co.jp/jds/uploads/gl/GL2019-05.pdf

糖尿病標準診療マニュアル2022 一般診療所・クリニック向け
https://human-data.or.jp/wp/wp-content/uploads/2022/03/DMmanual_18.pdf

ビクトーザ皮下注18mg添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499410G1021_1_11/

トルリシティ皮下注0.75mgアテオス添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499416G1029_1_17/

オゼンピック皮下注2mg添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499418G4027_1_02/

リベルサス錠添付文書
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2499014F1021_1_04/