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ネキシウムを就寝前に服用する理由

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エソメプラゾール(商:ネキシウム)が処方された逆流性食道炎の患者さんから、「就寝前に服用ってなっているけど、どうして寝る前なの?」と聞かれました。その時は、「(夜は胃酸が多いと認識していたので)胃酸が多く出る時に、薬で抑えるためです。」と説明しました。

しかし、後になって指導内容の根拠に不安があったので、改めて勉強し直し、今回記事にしました。


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<ネキシウムカプセルの用法用量>

添付文書の用法・用量には
「通常、成人にはエソメプラゾールとして1回20mgを1日1回経口投与する。なお、通常、8週間までの投与とする。さらに再発・再燃を繰り返す逆流性食道炎の維持療法においては、1回10~20mgを1日1回経口投与する。」と記載があります。

添付文書には1日1回としか書いていないため、添付文書的にはいつ飲んでもいいということになります。

しかし、「日本医事新報社のPPIの効果的な服用時間」という記事には、
「エソメプラゾールは、食後投与は絶食下投与と比較して、血中濃度が大きく低下する。」とあります。
さらに、食前に服用するメリットとして、「PPIは、活性化されたプロトンポンプは阻害できるが、非活性のポンプは阻害できません。食前に薬を飲んでおけば、ポンプが活性化されるタイミングでより高い血中濃度が得られる」旨の記載があります。

つまりは、食前などの空腹時の方が高い効果が期待されるようです。

<ネキシウムは定常状態がある薬なのか?>

定常状態があれば、空腹時ならいつ飲んでも反復投与すれば、最終的には効果は同じと個人的には考えているので、大好きなRitschel(リッチェル)理論で定常状態があるか検討します。

・ネキシウムを1日1回投与とすると、投与間隔24時間
・半減期は約1時間
・投与間隔/半減期=24 3よりも大きい数字であるため定常状態なし。

反復投与しても、1日ずっと効果がある薬ではなさそうです。
なお、「日本医事新報社のPPIの効果的な服用時間」という記事にも「24時間通じて胃酸を抑制する場合には、1日2回内服する必要がある」と書いています。

それならば、患者さんが逆流性食道炎の症状を感じている時間帯が重要と思います。
日中に症状があるなら朝食前、夜間なら夕食前や就寝前が良さそうですね。
今回の反省点は、患者さんからその情報を聞けていなかったことです。

参考:
日本医事新報社.PPIの効果的な服用時間
https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3692

<患者さんの質問に対する回答例>

就寝前にお薬を飲むのは、お腹が空っぽの時の方が、薬の効果をより期待できるからです。
(症状が起床時に強く感じている事を確認した場合は以下の説明追加)
また、逆流性食道炎では、胃酸が多く分泌されて横になっている夜中就寝中に胃酸が逆流しやすいので、就寝前に服用になっていると思います。

参考

おがた胃腸内科
http://www.ogata-ichouka.com/original16.html

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