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座瘡治療薬の用法、注意事項まとめ

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今回は座瘡治療薬の用量や使用上の注意をまとめるとおもしろかったので記事にしたいと思います。

【座瘡治療薬について】

まずは、座瘡治療薬についてまとめた表を以下に示します。
表;座瘡治療薬(外用剤)の情報まとめ

※参考:各添付文書

用法についてですが、上記のすべての薬で「洗顔後の塗布」が記載されています。

次に、アダパレン(商:ディフェリン)に特有のものとして、「皮膚乾燥などが治療開始2週間以内で発生することが多い。通常は軽度で一過性であることを患者さんに説明する」旨の記載があります。
この情報は、副作用により患者さんが自己判断で使用を中止することを予防するために重要です。

あと、アダパレンや過酸化ベンゾイルを含むものは、日光を避ける旨の記載があります。
アダパレンについては、夕方や就寝前などの明記があります。個人的な見解としては、過酸化ベンゾイルについても添付文書に記載はありませんが、日光を避けるために夕方や就寝前の使用を勧めるのはありだと思います。
<日光を避けるべき理由>
アダパレンも過酸化ベンゾイルのどちらも、日光により皮膚バリア機能低下などが生じ、刺激感が増加する可能性があるためのようです。

過酸化ベンゾイルを含むものには、漂白作用の記載があり、髪や衣類への付着に注意する必要があります。

保存条件に関しては、まちまちですね。
有効成分に安定性も関係あるのでしょうが、実施した試験条件や製剤化技術とかにもよるのかな?
とりあえず、過酸化ベンゾイルを含むものには、冷蔵保存のものがあると認識しておきましょう。

【患者さんからの質問】

患者さんから次のような質問がきたらどうしますか?
「デュアックは冷蔵庫での保存なんですね。仕事があって、どうしてもその間冷蔵庫に保存できません。お薬は大丈夫でしょうか?」

実際に私が対応した患者さんは、会社の冷蔵庫にいれて保管可能とのことだったので、そうしていただきましたが、どうしても冷蔵庫に入れられない可能性もあるため検討したいと思います。

ここからはデータからの仮定と推測の話になります。

デュアックのIFには製剤の安定性の結果が記載されています。
<結果概要>
2~8℃:有効成分の含量が36ヶ月保存でも規格内であった。
●25℃・60%RH:クリンダマイシンが3ヶ月保存までしか安定性を保てなかった。
30℃・65%RH:クリンダマイシンが1ヶ月保存までしか安定性を保てなかった。

患者さんが薬を持っている時の条件が「30℃、65%RH」より良好な条件だとします(最近の夏は30℃超えることも多いので、あくまで仮定)。

30℃・65%RHでは、2~8℃保存と比較すると、36倍の早さで劣化するとします。
持ち運ぶ時間が12時間と仮定すると、冷蔵保存での18日分劣化すると思われます。

デュアックの回転が速い薬局なら使用期限1年は残っている薬を渡すでしょうし、使い切るのに長くとも半年と考えると、たかだか半日を室温で保存しても製剤の品質は保たれていると思います。

ただし、あくまで推測の域を出ず、メーカーの見解とは異なる可能性がありますのでご了承ください。