片頭痛治療薬トリプタン系の用法・用量が薬によって少し異なることを知ったので、今回記事にまとめました。
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<用法・用量の差異>
まずは、それぞれの用法・用量を以下の表にまとめました。
表:スマトリプタン系の用法・用量の比較
スマトリプタン(商:イミグラン)とゾルミトリプタン(商:ゾーミッグ)をベースとして、違いを比較していきたいと思います。
注目すべきポイントは、
・効果不十分の場合に、次回は2時間以上間隔をあけること
・1錠で効果不十分だった場合に、次回片頭痛でた時に2錠から使用できること。
・1日に最大で4錠まで使用できること。
エレトリプタン(商:レルパックス)は、1日に最大で2錠までしか使えません。
2錠で飲むと、追加ができません。
リザトリプタン(商:マクサルト)は、1回目に1錠で効果不十分だった場合でも次回2錠から始めることができません。また、1日最大2錠までです。
ナラトリプタン(商:アマージ)は、効果不十分な際に、間隔を4時間以上あけます。また、1回目に1錠で効果不十分の場合でも2錠から始めることをできません。さらに1日最大2錠までです。
なお、「用法・用量に関連する使用上の注意」には、
——————————————-
●本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与しないこと。このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認すること。
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と記載があります。
用法用量の服薬指導では、服用間隔、1回目に効果不十分だった場合の2回目の服用量、1日最大量、効果が全くなかった場合には医師に報告するよう説明するのが大切と思われる。
<副作用について>
それぞれの副作用を以下の表にまとめました。
表:スマトリプタン系の副作用の比較(承認時の副作用上位3つ)
副作用については、めまい、眠気、倦怠感などの中枢的なものが多いです。
トリプタン系は5-HT 1B/1Dの刺激で片頭痛を改善します。しかし、5-HT3遮断の鎮吐薬(語尾:~セトロン)があることを考慮すると、トリプタン系で嘔気・悪心が出ると覚えやすいかもしれません。
※ただし、イミグランの添付文書には、「5-HT3受容体に対してほとんど親和性を示さなかった」とあるため、嘔気・悪心がでるメカニズムは別の可能性があります。
<その他>
トリプタン系は、軽度の片頭痛時や発作から1時間以内に服用するのが最も効果的であるとされている。患者さんには、発作を感じたら我慢せず、早く服用するよう説明するのが大切と思われる。
それぞれの簡単な特徴として、
ゾルミトリプタン(商:ゾーミッグ):
脂溶性で中枢移行性良好。効果は優れているがアロディニアやめまい、倦怠感などが出やすい。
エレトリプタン(商:レルパックス):
中枢副作用少ない。効果はそれほど強くないが、即効性で、他より作用時間長い。
リザトリプタン(商:マクサルト):
脂溶性で中枢移行良好。内服2時間後の頭痛消失率は、トリプタン系で最も優れている。しかし、全身倦怠感などが出やすい。
ナラトリプタン(商:アマージ):
半減期長く、持続時間の長い片頭痛に適する。効果はそれほど強くない。
参考:
今日の治療薬2018
慢性頭痛の診療ガイドライン2013
http://www.jhsnet.org/GUIDELINE/gl2013/gl2013_main.pdf
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