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皮膚科で処方される抗ヒスタミン薬

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最近、皮膚科での抗ヒスタミン薬の処方で意図が分からなかった例が2つあったので、その例を挙げながら、皮膚科での抗ヒスタミン薬で注意することをまとめたいと思います。


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<H1ブロッカーが2種類処方されている例>

アレルギー性鼻炎などでは、基本的にH1ブロッカーは1種類しか処方されないので戸惑うかもしれません。(私は戸惑いました)

しかし、蕁麻疹診療ガイドラインには
「第2世代の抗ヒスタミン薬が第一選択薬として推奨される。なお、抗ヒスタミン薬の効果には個人差があり、1種類の抗ヒスタミン薬で十分な効果が得られない場合でも、他に1~2種類の抗ヒスタミン薬に変更、追加、または通常量である程度効果の得られた抗ヒスタミン薬を増量することで効果を期待し得る」
と記載がある。

つまり、ガイドライン上、蕁麻疹には抗ヒスタミン薬2種類の投与はありえます
あと調査して気が付いたのですが、注意したいのは通常量からの増量です。用法用量以上の投与についてもありえるのだと認識しておきたいと思います。
(アレグラやザイザルの添付文書の用法用量にも「症状により適宜増減」とあり)

なお、今回患者さんに話を伺うと、
「症状として痒みがあって、時に強く感じるときがある。先生には、通常レボセチリジン(商:ザイザル)を飲んで、痒みが強く出ておさまらない時にはベポタスチン(商:タリオン)を追加で飲んでと言われています。」
とのことでした。

<H1ブロッカーとH2ブロッカーが処方される例>

H2ブロッカーというと、胃酸の分泌を抑えるため胃潰瘍などに使用されるイメージの強い薬です。
しかし、蕁麻疹診療ガイドラインには、
慢性蕁麻疹に対する抗ヒスタミン薬と H2拮抗薬の併用効果については、H2拮抗薬として主としてシメチジン(商:タガメット)を使用した複数の二重盲検ランダム化比較試験がある。しかし、抗ヒスタミン薬にH2拮抗薬を併用すると抗ヒスタミン薬単独の場合に比べて有意に高い効果があるという報告と、併用の効果はないという報告があり、今後,使用する抗ヒスタミン薬の種類や患者背景などの条件を揃えてさらなる検討が求められる。そのため、当面は、抗ヒスタミン薬単独で効果不十分である場合には試みても良いと考えられる。」

慢性蕁麻疹に対しては、H2ブロッカーを使用することがあり、胃酸分泌抑制の説明を不用意にすると患者さんが混乱する可能性があるため注意が必要です。特に、薬情報が自動で出てくる薬局では、胃酸に関する記載しかないことがあるので気をつけてください。

ちなみに、私が出会った症例では、第二世代の抗ヒスタミン薬にファモチジン(商:ガスター)が併用されており、次回にお話しを聞くと、「痒みがおさまった」とおっしゃっていました。

<おまけ>

最後に、皮膚科ではなく耳鼻咽喉科でアレルギー性鼻炎に対して、フェキソフェナジン(商:アレグラ)とレボセチリジン(商:ザイザル)の2種類が処方されていた例です。
患者さんに話を伺うと、「通常はフェキソフェナジン(商:アレグラ)を服用し、それで症状が治まらなくなった場合には、レボセチリジン(商:ザイザル)に切り替えるよう教えてもらった」とのことでした。

このように抗ヒスタミン薬が2種類でていた場合には、追加で飲む例や切り替える例があります。
医師に服用方法を指導されているか確認し、患者さんの理解が中途半端な場合には医師に確認し服用方法を指導するのも薬剤師の大切な仕事と思います。

参考:
蕁麻疹診療ガイドライン.日皮会誌,2011
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/1372913324_1.pdf

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