プレドニゾロンなどのステロイドを内服する時に、患者さんに説明すべき副作用を検討したいと思います。
記事を書こうと思ったのは、ステロイド内服は注意すべき副作用が多すぎて、あらかじめ絞っておかないと説明に困ると思ったからです。
今回は、特に初回での服薬指導を想定して記事を書いていきます。
暗記が苦手な薬学部生にみてほしい。
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<ステロイド内服の副作用>
プレドニン錠の添付文書では、副作用の主なものとして、満月様顔貌が挙がっています。
しかし、それ以外は発生頻度などの記載はありません。
そこで、日本神経学会の情報を参考にしたいと思います。
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●治療中に起こるもの
不眠、多幸症、不安、精神病、異常味覚(金属味)、食欲増進および体重増加、発汗と顔面紅潮、頭痛、筋肉痛、短期記憶の障害、胃部不快感あるいは胃痛
●副作用のリスクファクターのある患者で早期に起こるもの
消化性潰瘍、糖尿病、高血圧、座瘡、うつ状態
●長期あるいは反復投与で起こるもの
骨粗鬆症、骨壊死、白内障、脂肪肝、クッシング症候群、易感染、創傷治癒遅延
※赤字部分は、プレドニン錠の添付文書では、重大な副作用に該当するもの。ただし、重大な副作用は記載しているもの以外にもあります。
参考:
日本神経学会
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/msgl/sinkei_msgl_2010_04.pdf
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この中でも、胃部不快感あるいは胃痛は、経口投与でより高頻度で発生するとの情報があります。
自分の見解になりますが、初回では、発生する可能性が高い副作用や日常生活でのアドバイスが可能と思われる副作用を説明したいので、「胃痛」「不眠」を詳しく説明するのが良いかと考えます。
もちろんそれ以外も、発生するリスクと発生した場合には医師への報告を促す必要があるとは思います。
<副作用に関する服薬指導案(初回)>
●胃痛
薬を飲んでいると、胃がムカムカし、ひどくなると胃痛が起こる場合があります。
(患者さんにアルコール、カフェイン摂取や喫煙の有無が、初回質問票で情報を収集できている場合)アルコール、カフェインや喫煙は、胃酸の分泌を促し、胃痛を誘発する可能性がありますので、胃がムカムカするなと感じたらなるべく控えてください。
参考:
エスエス製薬 胃痛の対処法
https://www.ssp.co.jp/gastol/stomach/measures/
●不眠
薬を飲んでいると、少し寝付きにくい、途中で起きるなど睡眠の質が悪くなることがあります。(患者さんにアルコール、カフェイン摂取や喫煙の有無が、初回質問票で情報を収集できている場合)就寝前のアルコール、カフェインや喫煙も、不眠の原因になることがありますので、少し眠れないなと感じたらなるべく控えてください。
参考:
一般社団法人 日本生活習慣病予防協会 睡眠障害
http://www.seikatsusyukanbyo.com/guide/dyssomnia.php
<2回目以降からの服薬指導案>
2回目以降からは、重大な副作用にかかわる自覚症状を適宜確認していきたいと思います。
(1回では、情報を提供・収集しきれないので回数を重ねる毎に患者さんの理解を高めていければ良いと考えています。)
●易感染:発熱、かぜのような症状
●骨粗鬆症:腰・背中の痛み、手足の痛み
●糖尿病:口喝、水を多く飲む
●うつ状態:不眠、気分が落ち込む
●消化管潰瘍:吐き気、胃痛、便の色が変わる(赤や黒)
●白内障:視力の低下
参考:
プレドニゾロン/メチルプレドニゾロン:錠剤 国立がん研究センター
https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/drug_therapy/anticancer_agents/data/prednisolone02.html
暗記が苦手な薬学部生にみてほしい。
薬学部では勉強量が多く時間が足りないと感じることが多いでしょう。
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