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医療用麻薬に対する誤解について

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この記事は、医療用麻薬をしている人向けの記事です。

がん疼痛のコントロールを妨げる要因の一つに、医療用麻薬に対する誤解による使用の躊躇が挙げられます。

医療用麻薬の使用の躊躇は、痛みの軽減を妨げ、生活の質を下げてしまう
この記事で医療麻薬の誤解について解説し、使用者が適切に医療用麻薬を使用できる手助けになればと思っています。

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「麻薬中毒になる」という誤解

ここでいう麻薬中毒とは、自己制御できずに薬物を使用する、痛みがないにもかかわらず脅迫的に薬物を使用するなどといった精神依存の状態である。医療用麻薬の精神依存には、中脳辺縁ドパミン神経系の活性化が重要な役割を果たしていると考えられている。簡単に言うと、麻薬によってドパミンがいっぱい出てしまい、麻薬中毒になる

しかし、疼痛下(痛みがある状態)では医療用麻薬によるドパミンが出にくくなっているため、精神異常になりにくいと考えられている。臨床現場では、がん患者の痛みに対して医療用麻薬を長期間使用しても精神依存は稀であると考えられている。実際にがん患者にオピオイドを使用した研究では、 550例中1例(約0.2%)に精神依存が生じたのみであった。

約500人に1人と考えると、多いと考える人もいるかと思います。
だからこそ、過量投与にならないように気を付けることは大切です。
過量投与については、下で記載しますので、ぜひ確認してください。

「医療用麻薬を使用すると寿命が縮まる」という誤解

昔(WHO方式がん頭痛治療法が普及する前)は、がん疼痛に対して「痛みが耐えられなくなってから」全身の状態の悪化している患者に医療用麻薬を使用することが多かった。
このことが、医療用麻薬は死を早めるという印象を一般の人たちだけでなく、医療者にも与えたと考えられる。

現在は、WHO方式がん疼痛治療法に基づき、痛みの強さに応じてオピオイドを定期的に鎮痛に必要な量で投与すれば、患者の生命予後に影響を与えないことを3つの研究が示唆している。

がん疼痛マネジメントの原則としては、QOLの向上に寄与することで、生存期間に影響を与えるとしている。報告数は少ないが、生存期間の延長やうつ病の減少も報告されている

「効きにくくなる」という誤解

疼痛下では、医療用麻薬の鎮痛効果は反復投与でも正常状態に比べて、鎮痛耐性は弱い(効きにくくなることは少ない)と考えられている。しかし、過量投与では明確な鎮痛耐性を形成することから適切な投与量を設けることが重要である。

むしろ痛みを我慢していることで、かえって薬の効果が得られにくくなり、痛みによる生活への影響も改善できない

医療用麻薬の過量投与の目安

麻薬中毒(精神依存)や耐性形成(薬が効きにくくなる)を避けるために、医療用麻薬を適正量使用することの重要性は上で説明しました。

ここでは、過量投与の目安を説明します。
もし、該当する方は受診時に必ず医師に状況を伝えましょう
ただし、下のような症状があっても必ずしも過量というわけではありません

<過量投与の目安>
眠気が増える。
痛みがなく強い眠気が持続する。
何もせずにいるウトウトする。
昼間の睡眠が増える。
黒目が小さくなる(縮瞳)。
安静にしていても1分間の呼吸が10回より少ない。

また、過量投与の目安というわけではないが、スキュー薬を必要としない場合などは、定期投与している医療用麻薬を減量する可能性もあるので参考に知っておいてください。