整形外科の処方箋をみると、NSAIDsと一緒にプロトンポンプ阻害薬(以下、PPI)、H2受容体遮断薬や防御因子増強薬などが処方されている。これらは、NSAIDsによる胃への負担のために処方されていると予想されますが、それぞれの薬で使用成績などに違いはあるのか気になったので調査しました。

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【潰瘍既往歴がない人の一次予防】
消化性潰瘍ガイドライン2015(以下、ガイドライン)では以下の内容が書かれています。
●NSAIDs短期投与では、PPIであるオメプラゾール(商:オメプラール)20mg/日やPG製剤であるミソプロストール(商:サイトテック)800μg/日において胃潰瘍、十二指腸潰瘍への予防効果が認められた。しかし、H2受容体拮抗薬であるラニチジン(商:ザンタック)300mg/日においては十二指腸潰瘍に予防効果を認めた。
●NSAIDsの3ヶ月以上長期投与例での一次予防効果は、ミソプロストール400~800μg・
/日、オメプラゾール20mg、40mg/日および高用量ファモチジン(商:ガスター)80mg/日などで有用性が報告されている。
●潰瘍既往のない症例で、防御因子増強薬であるレバミピド(商:ムコスタ)300mg/日での予防試験で、12週間の観察において、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の発症抑制効果はミソプロストール600μg/日と同等であることが示されている。
●潰瘍の一次予防における投薬は、保険適用となっていない。
保険適応になっていないが、よくNSAIDsと上記薬の組み合わせはよく見る気がします。お医者さんはどういう風にカルテを書いているのか気になります。
また、日経メディカルにおいて、「レバミピドがNSAIDsによる小腸粘膜傷害を改善する可能性する可能性が示唆された」という情報もありました。
個人的な見解になりますが、ガイドラインには「NSAIDs潰瘍の発生時期は3ヶ月以内が多い」という情報があるため、短期投与で胃潰瘍、十二指腸潰瘍への予防効果を認めた薬が良いのではと思いますが、結構医師によって選択する薬は異なっているので、もっと多くの情報から使用する薬を選択していると思われます。話しやすい医師がいれば是非聞いてみたいです。
なお、今回の記事では記載していませんが、NSAIDs潰瘍の治療では、また情報が異なるため、興味がある方は、是非ガイドラインをご確認ください。
【NSAIDs潰瘍の症状】
せっかくなので、NSAIDs潰瘍についてもう少し調べた内容を書きます。
ガイドラインには、NSAIDs潰瘍について以下の記載があります。
●NSAIDs潰瘍の半分近くが、胃痛などの自覚症状を欠いている。
私はよく「鎮痛剤で、胃が痛くなった場合は、薬の変更を医師に相談してください」と服薬指導で言っています。しかし、これだけでは半分の患者さんしかNSAIDs潰瘍に気づけないことになります。
ガイドラインには、「定期的な内視鏡観察や貧血のモニタリングなどで、早期にNDAIDs潰瘍の発症に注意する必要がある」と記載がある。薬剤師では、そのような対応を実施することができないため、胃痛だけでなく貧血などに対して、「便は黒くなっていないか?ふらつきなど貧血の症状は出ていないか?そのような症状を感じたら必ず医師に報告してください」と確認・説明することが対応可能な範囲かと思われます。
参考
消化性潰瘍ガイドライン2015(改訂第2版)
https://www.jsge.or.jp/files/uploads/syoukasei2_re.pdf
日経メディカル「胃潰瘍薬のレバミピドはNSAIDs起因性小腸粘膜傷害も改善する」
https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/jsge2012/201204/524532.html
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