2026年2月、花粉症に対してクリニックで処方される目薬がついに市販薬(OTC)として販売されました。これで、花粉症に対して処方されている内服薬(のみ薬)、点鼻薬、点眼薬(目薬)が市販で揃えられるようになりました。
そこで今回は、市販で花粉症に対する薬を揃える場合のコストパフォーマンス・タイムパフォーマンスを考えていきたいと思います。
まず前提として、価格比較に関してクリニックでの診察料等はざっくり1000円で試算します。
また、基礎疾患・併用薬・妊娠や授乳などは考慮しておらず、全て該当しない方向けの検討であり、薬による不利益の責任は負えませんのでご了承ください。
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まずは結論
1ヵ月分の薬が必要な場合ですが、
内服薬1つなら、コスパもタイパも良いです。試算した結果では、市販品の方が医療用3割負担より安い可能性が高いです。
ちなみに内服薬の選択に関しては、効果を実感したことのある薬の満足度が高いと思います。が、選択に困る場合には、筆者は「フェキソフェナジンを空腹時に定期的に飲む」ことを推します。理由は後述します。
目薬1つだけなら少しだけ市販品の方が費用は高いですが、病院・薬局などでの待ち時間を考えると。タイパはかなり良いと思います(市販品のほうが医療用品3割負担より200円程度高い)。
内服薬1つ+目薬1つの場合、3割負担の方が病院に行った時と比べると、市販の場合の方が1800円程度高いです。個人的には、病院、薬局での待ち時間を考慮すると市販薬で対応するのもギリギリありかなと思います。
しかし、点鼻薬が必要な場合には、点鼻薬1種類だけでも、市販薬の方が医療用品3割負担より2500円くらい高いです。個人的には2000円を超えると高く感じること、また点鼻薬のみが処方される例もあまりないことから、点鼻薬が必要な場合には受診したほうがコスパが良いかと思います。
ただし、上記の試算は1ヶ月の薬を購入した場合であり、2ヵ月(60日分)以上を処方してもらえる場合には、医療機関を受診した方がコスパは良くなります。
ここからは上記結論までの調査結果をまとめていきます。
内服薬(のみ薬)に関して
フェキソフェナジン(商品名:アレグラFX、アレルビ)、ロラタジン(商品名:クラリチンEX)、ベポタスチン(商品名:タリオンAR)などがあります。
それぞれの特徴を比較すると、
| フェキソフェナジン | ロラタジン | ベポタスチン |
| 1日2回朝夕、1回1錠 空腹時服用可 |
1日1回食後、1回1錠 | 1日2回朝夕、1回1錠 空腹時服用可 |
| 集中率・作業効率の低下を起こしにくい | 集中率・作業効率の低下を起こしにくい | 眠気に関する注意事項あり |
| 蓄積傾向なし
※1:ただし一部の試験結果から初日より2~3日目の方が効果を期待できる可能性あり。 |
4日連用で定常状態になる。
※2:定常状態とは、体内の薬の量が安定している状態。 |
蓄積性なし |
| 食事の影響あり | 食事の影響なし | 食事の影響なし |
| アレルビ錠56錠:1170円 (1日:約42円) アレグラFX56錠:2010円 (1日:約72円) |
クラリチンEX:28錠 1300円 (1日:約46円) |
タリオンAR 30錠:1850円 (1日:約123円) |
※1:ビラノアIFの臨床試験において、1日目ではフェキソフェナジンはビラノアと有効性に有意な差がついていた(フェキソフェナジンの方が効果は低い)が、2日目には有意な差はみられなかった。
効果に関しては、ヒトによって合う・合わないがあるため一概にどれが良いとは言えません。そのため、使用経験があり効果を実感できた薬があるなら同成分を選択した方がいいです。参考程度ですが、このなかではベポタスチンの効果が高いと説明されることが多いですかね。
しかし、個人的には「集中率・作業効率の低下を起こしにくい」薬がいいです。そのなかでも定常状態にはやく達するフェキソフェナジンを推します。早くに効果を安定させたいので。
ただし、フェキソフェナジンは食事によって吸収が悪くなる可能性があるため、空腹時にのむことをオススメします。
1日1回の服用にこだわる方にはロラタジンがいいですかね。
点眼剤(目薬)に関して
2026年2月、花粉などのアレルギーに対する点眼剤である「エピナスチン塩酸塩0.05%を有効成分とする点眼剤」が発売されました。商品名は、「ロート アルガード エピナスチン点眼薬」
今回この記事を書こうと思ったのは、この目薬が発売されたからです。
薬剤師として、これまで花粉症に対する市販の目薬は正直どれを勧めるか悩むところでしたが、これが出たなら個人的にはこれを推します。
現在、医療現場では同じ有効成分でも濃度が倍の「エピナスチン塩酸塩0.1%の点眼剤」が主流で使用されています。(OTCはエピナスチン塩酸塩0.05%です)
しかし、エピナスチン塩酸塩0.05%点眼剤は1日4回の使用、0.1%点眼剤は1日2回と回数が少なく利便性は上がっておりますが、効果に関して0.05%点眼剤は0.1%に劣っていません。
(参考:アレジオンLX点眼液インタビューフォーム 0.05%エピナスチン塩酸塩点眼液に対する非劣性の検証)
そのため、医療用のアレジオンLX点眼液0.1%、エピナスチン塩酸塩0.1%点眼剤、アレジオン点眼液0.05%、エピナスチン塩酸塩0.05%点眼剤などを使用していて満足している人で、病院・薬局に行くのが面倒な場合は、市販されている「ロート アルガード エピナスチン点眼薬」で代用できる可能性が高いです。
しかも、しっかりと防腐剤ベンザルコニウム塩化物は無配合!!
ただし添付文書には「コンタクトレンズを装着したまま使用しないでください」と記載がある。市販薬の添付文書のルールが厳しいのかな・・・・
ちなみに同有効成分・同濃度の医療用3割負担と市販品の価格を比較してみたら、
医療用目薬2本3割負担(クリニック診察料1000円含む):約1800円
ロートアルガード エピナスチン点眼薬(5mL×2本):約1980円(税込)
ただし、眼科以外のクリニックでは目薬だけを処方される例も少なく、他に内服薬や点鼻薬もセットで処方される場合には、受診した方がより割安になります。
点鼻薬に関して
2025年9月にナゾネックス点鼻薬<季節性アレルギー専用>が販売されました。
(成分名:モメタゾンフランカルボン酸エステル)
医療現場でよく処方される点鼻薬には、アラミスト点鼻薬とナゾネックス点鼻薬があります。
そのうちの一つが市販薬として登場しました。
ナゾネックス点鼻薬は、全身曝露が低く、全身性の副作用が少ないと言われています。
ただし、市販薬の添付文書に「他のステロイド点鼻薬の使用期間も合わせて、本剤は3ヵ月を超えて使用しないでください」と記載があるので、この内容は遵守しましょう。
よく処方されていて良い薬ではあるのですが、市販薬だと1本(56噴霧)で2178円(税込)。1日1回、1回で左右の鼻腔内にそれぞれ2噴霧ずつ(つまり1日で4噴霧消費)。
56噴霧だと14日分となります。
つまり1ヶ月で約2本必要なので4356円。
医療用3割負担(クリニック診察料1000円含む):約1900円
点鼻薬の場合は、点鼻薬だけをもらうとしても市販品の方がかなり高くなってしまいます。
さらに他に合わせて内服薬・点眼薬を処方される場合・30日より長い日数を処方される場合には受診した方がより割安になります。
そのため点鼻薬が必要な人は、受診したほうがコスパと良いと言えるでしょう。
花粉症の薬をより効果的に使用するために
花粉症の初期療法というものがあります。
これは、花粉の飛散開始または症状が少しでもあらわれた時点で薬物療法を開始することで症状の重篤化を抑えられます。
そのため、花粉症の内服薬(のみ薬)を症状が少しでも出たら開始して、より効果的に薬を使いましょう。
点鼻薬は、「使用前によく鼻をかむこと」で効果的になります。