「今の職場は嫌だ」「この職場で働き続けるのは不安かも・・」
そういう気持ちは、働いていたら多くの人が経験すると思います。
その悩みの解消の主な選択の一つに「転職」が該当します。
でもしっかりと考えず、転職すると新しい職場でも似たような気持ちになり、後悔するかもしれません。
そこで、転職を成功させるためにも一度ここで「現職場で具体的にストレス・不満を感じている点」「自分が重要視する条件」などの転職理由を整理してみましょう。
薬剤師転職サイトを比較しているホームページではあまり記載していないですが、転職だってデメリットはあります。そこも考慮して転職活動をすすめるべきです。
転職によるデメリット
まずは転職によるデメリットも理解しておきましょう。これらのデメリットがあっても、転職したいという気持ちであるか、まずは確認しましょう。
また、転職活動される方はこれらのデメリットも考慮して、転職先の条件を精査することをオススメします。
退職金で損をする
一番は「退職金が低くなってしまう」ということ。
自己都合で退職の場合は、退職金は100%の割合で出ません(勤続年数にもよりますが、経験上では3年未満は0%、3年以上~10年未満で30%とかですかね)。
具体的には、6年勤務して200万円分の退職金蓄積があっても、自己都合でやめると140万円分の損失です。
さらに退職金の蓄積は、勤続年数が多くなるほどどんどん率が良くなります。転職すると、A社とB社で安い蓄積期間が長くなるので生涯賃金は、より安くなると思ってください。
これは、「給料が安いこと」に不満を思っている方には特に考慮してもらいたいです。給料をアップさせるなら、可能ならば退職金での損分を取り返さないと生涯賃金は減ってしまいます。
身につけた職場スキルのリセット
薬剤師とはいえ、例えば調剤薬局でも会社によって使用するスキル(システムや業務手順など)が異なる可能性があります。
もちろん薬の知識は共通ですが、調剤システムや監査システム、分包機などのメーカーが異なると、使い方の覚えなおしが必要になります。
慣れた方法と比べてしまうので、新しいシステムに不満を感じやすいと思います。
しかも、忙しい現場で教わりにくい環境だと、思った以上に塩対応される可能性もあります。
これは、あとでも書きますが、「中途採用にも研修充実」は基本的に信用できません。
実際に、私は転職した際の研修は2日間で、それも座学のみでした。
あとは現場の人に聞いてくださいという感じでした。
1店舗目の店長や医療事務さんが親切な方で、そこで丁寧に教えてもらえたのでラッキーだったと思います。
現状の職場の不満点・転職したい理由を考えよう
ここでは、具体的に不満を感じやすい点・転職したい理由候補を挙げますので、今の職場の何が嫌で、自分が仕事に何を求めているのか考えてみましょう。
ただし、全部の条件を良くしたいというのは、厳しいと考えてください。
無理に何個と決めなくてもいいですが、決めた方が考えやすいのであれば2個大切にしたい項目を選んでください。
ちなみに仕事が原因で、メンタル的にまいっている人は、すぐに転職するのをオススメします。心が壊れるのだけは本当に避けてください。該当する人はどこか異変を感じていると思います。その異変を見て見ぬふりはしてはいけません(自分の経験上は、頭の中がぐちゃぐちゃな感じ、これまでなかったのに頭痛が多い、改札の前で足が動かないなど)。
なおここでは、
・転職を推奨する部分は赤のマーカー
・転職以外での解決を推奨する場合は青のマーカー
引いています。
項目は、自身の経験やHOP!ナビ薬剤師、寿五郎を参考に挙げています。
□給料・年収が安い
基本的には転職でしか解決しないと思います(収入が少ないのを、副業や資産運用で補う手もありますが・・・)。
しかし、上記で書いたデメリットで、退職金での損失を取り返すことも考慮してください。
生涯賃金を下げないために、「退職金」や「家賃手当」などはしっかり確認・比較するようにするのがオススメです。
また、具体的に「自分はどの程度のお金が必要」というのを考えてみるのも大切です。
「給料は高ければ高い方がいい」という考えでは、なかなか決まらないと思います。
年間で必要な金額に大きな影響を及ぼすのは
・将来の子供の人数
・どの程度の家を買うか
・車の必要性
・お金のかかる趣味の有無
などですかね。
□職場(病院、調剤薬局、ドラッグストアなど)を変更したい
基本的に転職でしか解決できないと思います。
一部大手調剤薬局では病院に1年間勉強しに行く制度があったりしますが、本格的に変更したいなら転職しかないような気がします。
それでも、職場を変更したいのは別の理由があると思います。そこは一度明確にしましょう。
例えば、
・ドラッグストアで、土日休みじゃない
・調剤薬局やドラッグストアで、勤務時間が毎日違って嫌だ
・病院で給料が安い
などですね。
□働く地域を変えたい
これに対しては、一旦は異動で対応可能なら異動を検討してください。
ただし上司に提案して、特に管轄部署が変わるような長距離に異動に関しては何か反応をもらうのに最低半年から1年はかかると思います(過去に関東から東北に異動したい人で、大手調剤薬局では2年かかった人もいました)。
そのため「早く地域を変えたい」、また「その地域に店舗はなく異動では解決しない」場合には転職すべきと思います。
個人的なアドバイスとして、転職を考えている人は、この点をあらためてしっかり考えてほしいです。
年月が経過して、今住んでいる所で生活基盤ができていくと、働く地域を変えるのが難しくなります。将来的に地元に帰りたいとか思う可能性があるなら、この転職活動を期に一度考えてみてください。
□休みがほしい
これに関して、会社規定の休み(年間休日数)を増やしたいなら転職です。
有給休暇の取得を増やしたいなら、転職サイト・転職エージェントの言葉は信用できないです。だって、どの企業も有給休暇を取得できるのが当たり前ですから、求人情報では取得できると書きますよ。
結局、有給休暇取得の大きな壁は「職場の雰囲気」です。そのため、同じ会社でも部署や店舗で有給休暇の取得率は全然違います。
まずは有給休暇取得で必要なのは、「空気を読まないこと」と「嫌われてもいい勇気」です
ただ、自分の経験上では、有給休暇を取得しやすいのは「企業」と「大規模・大人数の調剤薬局」ですかね。
企業のデスクワーク系は自分の仕事に対して事前に頑張ってスケジュール前倒しで進めて有給とったりできますし、人数の多い調剤薬局だと自分が休んでも、その仕事を多数で分けるので他への負担が少なく雰囲気が良いです(もちろん同じ職場の人が有給休暇を取得した場合には、自分がこころよくフォローする必要がありますよ)。
ちなみに企業案件が多い転職サイトは「マイナビ薬剤師」です。他にも下に製薬企業への転職向けサイトも載せておきます。
また、調剤薬局と製薬企業を比較して、各メリット・デメリットを別にまとめますので気になる方はそちらをご確認ください。

□働く時間帯を変えたい・毎日同じ時間がいい
まずは異動検討でいいと思います。
これに悩んでいる人は、調剤薬局やドラッグストアなのかなと思います。
特に調剤薬局なら、9時~18時の店舗も多いので異動で解決するならその方がデメリット分を解消できます。
上司に提案して、同じ管轄部署内に9時~18時の店舗があるなら早ければ3ヶ月程度で何かしら反応があると思います。
全然反応がない・反応が悪いようなら転職活動を進めましょう。
□勉強の体制に不満
これは難しいですね。転職してもよくなるともいいづらい。
私も「勉強できる制度もバッチリあるよ」的な大手調剤薬局に転職しましたが、教育部署がつくったテキストを読んで、その範囲で定期的なテストを受けるというものでした。
個人的には、これで勉強できる制度が充実していると思いませんでしたけど・・・
しかも、店舗開店時間でテキストを勉強する時間はないので、印刷して通勤時間で勉強している人いますね。私は嫌なので、全て残業申請していますけど。
勉強の体制については、、まずは1番は友人・知人からの確認、それが難しい場合は転職エージェントさんに詳細に確認してもらうかですね。
あと、職場に優しいベテランさんがいるとすごく教えてくれます。そのため会社というよりその職場次第。その情報と合わせて自分の勉強法を確立するのが大切です。
ちなみにTwitterで薬剤師さんを多くフォローするとは、めちゃためになる情報が流れてきます。
□仕事量・業務量が多い
調剤薬局やドラッグストアでこれを感じている人は、まずは自分のマインドを変えるしかないです。
特に周りで仕事量・業務量が少ない人がいる場合には、あなたは頑張ってしまう人の可能性が高いです。
そういう頑張る人は、結局仕事を分け合う職場では、いつも仕事量・業務量が多くなります。
なので、一人の仕事量がきっちり割り振られる仕事の方が納得しやすいかと思います。
可能ならば、そのような部署や店舗への異動を狙ったほうがいいと思います。
企業関連か一人薬剤師ですね。一人薬剤師は、ダブルチェックできないので怖くて嫌だという方もおられると思います。が、あくまで改善案の一例で、やはり何かを改善するには別の何かを犠牲にする可能性はあります。
□立ち仕事が厳しい
現場仕事(調剤薬局やドラッグストア)でも、本社や支社でのデスクワーク関係への異動が可能であれば、転職なしでも解決する可能性はあります。
それが難しい場合には、転職での解決が早いと思われます。企業関係であればデスクワーク関係も多いので可能ならば企業関係がオススメ。
薬局でも、投薬時に座れる薬局などを転職エージェントさんに探してもらってもいいと思います。
□職場の人間関係が嫌だ
異動できるなら異動がいいと思います。
人間関係は、どこでもあるトラブル。これに関しては、転職で必ず解決するとは言い難いです。なので、デメリットを考慮すると可能ならば異動で解決したいところです。
あと嫌いな人のせいで、自分がデメリット被るのはもったいないです。
ただし、異動が困難(店舗が少ないなどの理由で)な場合には、転職でもいいと思います。
また、異動願いだしても3~6ヶ月でも何のアクションもない場合には転職活動を検討していいと思います。
苦手な人や嫌な人と、働く辛さに分かりますので・・・無理はしないようにしてください。
転職サイトを使って情報収集を開始しよう
とりあえず、「現職の不満を解決するために転職しかなさそうな人」「異動で解決をこころみるけど、ダメなら転職活動始める人」は転職サイトに登録しましょう。
転職サイトを複数利用して情報を収集して、条件を比較する練習をしていきましょう。条件を比較する練習期間は長い方が見る目が養われるので、転職する可能性がある人は転職サイトに登録して練習を始めた方がいいです。
スーパーで野菜が高い・安い、株の銘柄の高い・安いなどを見抜く力は、その数字を見続けることで身に付きます。
これは、薬剤師の転職条件でも同じです。
まずは、転職サイトから提示される条件をみて比較してみてください。
また抽象的な表現については転職エージェント(担当者さん)に確認してもらっていいと思います。(例えば研修制度の充実って具体的に何をしているのか? 有給取得しやすいとあるが具体的な取得率はいくつですか?など)
転職サイトに登録する際には、以下の2点に気をつけてください。
●転職エージェントさんは信じすぎないこと
転職エージェントさんは、転職を成立させた分だけ報酬が発生します(すべての転職サイトに該当するかは不明です)。
その条件なら、多くの方は転職を促すのが普通だと思います。そのため転職エージェントさんの甘い言葉は信じすぎず、あくまで第三者の意見・情報として聞き、自分自身でしっかりと判断するようにしてください。
●登録する際に転職希望である設定にする
登録する際や転職エージェントさんとの相談の際には、「自分は良い条件があれば、6カ月以内には転職するつもりはある」という意思は見せた方がいいです。
向こうも仕事で、転職を成立させた分だけ報酬が発生するため、転職する可能性が高い人に注力する可能性があります。
それでは具体的に、情報収集に向いている転職サイトを下にまとめました。
(なお、求人数については2022年7月24日段階で、HOP!ナビ薬剤師を参考にしています)
マイナビ薬剤師
ここで上げるサイトの中で、各職種(調剤薬局、病院、ドラッグストア、企業、パート)での求人数がより多いため、情報収集&転職活動の基本として登録することをオススメしめます。
ファルマスタッフ
マイナビ薬剤師との比較にオススメ!
各職種の求人数も多いです。特に派遣での求人数は他と比較して多いようです。
ただし、他の比較サイトでは、「高収入求人が多い」と推されている記載も見つけますが、これは派遣が多いからかもしれません。
薬キャリAGENT
企業への求人数は少ない。
しかし、転職エージェントさんからの提案件数が多く、早く転職活動を進めていきたい人に向いています。
また、ママ薬剤師向け検索機能もあるので、ママさん薬剤師が情報収集に利用するのに向いていると思います。
お仕事ラボ
上記メインの薬剤師転職サイトと比較すると、他でも少し格下的に扱われていますが、個人的には気になるサイトです。
他のサイトは転職者満足度を広告していますが、ここは「定着率」を広告しています。
個人的には、「満足度」より「定着率」が高い方が信頼できると思います。
満足度は主観ですが、定着したかは客観的数字のためです。
そのため、お仕事ラボさんは個人個人に合った転職先を探すのが上手いのかもしれません。
そのため、ここでも紹介しました。
製薬オンライン
製薬企業を狙う人向けの転職サイトです。
応募条件の必須事項で求められるハードルが少し高い求人もあるかと思いますが、若い人は「毎日の勤務時間を同じにしたい」「土日休みがいい」などの希望が強い人は挑戦する価値があると思います。