病態・薬物治療

【病態・薬物治療】高尿酸血症・痛風

今回は、高尿酸血症と痛風についてです。

尿酸はプリン塩基の最終代謝物で、1日に約700mgが産生され、同量が排泄されることで平衡を維持している(体内貯蔵量は1200mgである)。尿酸は65~80%が尿酸排泄され、残りは汗や糞便から排泄される。この平衡が崩れると高尿酸血症を生じる

この過剰の尿酸が、尿酸ナトリウムとして関節などの組織に沈着し、それを処理するために顆粒球のリソソーム酵素により組織の炎症が生じたものを痛風という。

高尿酸血症や痛風は男性に多い。これは、女性ホルモンには尿酸排泄を促す作用があるためと言われている。

高尿酸血症の定義

男女問わず、血清尿酸値が7.0mg/dLを超えるもの

※試験的には、尿酸値はアンラッキーセブンで覚えました。

高尿酸血症の分類

・腎負荷型高尿酸血症
尿中への尿酸排泄が増えている状態。大きく分けて、「尿酸の産生が過剰になり尿中への尿酸排泄が増えている場合」と「腎外排泄が低下しその分尿中排泄が増えている場合」などがある。

尿中への尿酸排泄が増えていると、尿酸がどんどん出て行って良いように思えるが、イメージとしては尿酸が過剰に産生されたり、尿中以外の排泄が減ることでまず体内に尿酸が蓄積されているイメージ。体の中に尿酸が多くあるので、正常な機能を保っている尿中への排泄が増えているイメージ。


・尿酸排泄低下型

尿中への尿酸排泄量が低下している状態

・混合型
→上記2つの方が混在している状態。

高尿酸血症の症状

痛風関節炎(痛風発作):主に足親指関節に激痛、発赤が生じ、歩行困難になる。

痛風結節:耳介や足関節など温度が低く血流が乏しい部位で起きやすい。組織に沈着した尿酸塩結晶がどんどん大きくなり、形成される肉芽腫。痛みはない。

腎障害

尿路結石:尿管や腎臓、膀胱に結石を生じる。尿管に結石が詰まると、側腹部から下腹部にかけて激痛が生じる、発熱はなく痛みは2~3日で消失する、また血尿が多くの例でみられる。腎臓や膀胱内に結石が生じた場合、ほとんど症状はない。水分摂取不足や酸性尿などが危険因子となる。

治療薬

痛風発作用薬

コルヒチン(商:コルヒチン)  適応「痛風発作の寛解及び予防」
・白血球遊走を阻害する。発作発生後(白血球遊走後)投与しても効果が少ない。
・発作予防を目的に、発作前兆期※に投与する。
※発作を繰り返す人は「足が重い、ピリピリする」などの前兆に気が付くこともある。
・基本的に少量を短期間使用するが、発作が頻発する場合や尿酸降下薬による血中尿酸の低下に伴う発作を予防する目的で連日内服することもある(コルヒチン・カバー法)。その際には副作用の腹痛、下痢や吐き気に注意する。

●非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)
→NSAIDsの全てが痛風発作に適応を持つわけではなく、以下のNSAIDsが適応を持つ。
・プラノプロフェン(商:ニフラン)
・インドメタシン(商:インダシン、インテバン)
・ナプロキセン(商:ナイキサン)
・オキサプロジン(商:アルボ)

血清尿酸値の変動は発作を増悪あるいは遷延化するので、痛風発作中は尿酸値を下げる薬を開始したり中止したりするべきではない

高尿酸血症治療薬

【尿酸排泄促進薬】
ベンズブロマロン(商:ユリノーム)
→劇症肝炎の報告があるため、投与開始6ヶ月間は定期的な検査が必要。
尿酸排泄促進作用が最も強いと言われている。

プロベネシド(商:ベネシッド)

ブコローム(商:パラミヂン)

【尿酸生成抑制薬】
アロプリノール(商:ザイロリック)
→腎障害のある患者では、アロプリノールの代謝物であるオキシプリノールが増加し副作用が重篤化する可能性があるため、減量等を考慮する。

フェブキソスタット(商:フェブリク)
→軽度~中等度の腎障害、肝障害でも投与量の調整は必要ない。

トピロキソスタット(商:ウリアデック、トピロリック)

【尿アルカリ薬】
クエン酸カリウム・クエン酸ナトリウム配合製剤(商:ウラリット)
→尿酸排泄促進薬を使用する場合は、尿アルカリ薬により尿pH6~7に維持して尿路結石を予防する。

痛風・高尿酸血症治療薬の薬理ゴロを勉強する

参考:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第3版
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001086/4/Clinical_Practice_Guidelines_of_Hyperuricemia_and_Gout.pdf